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第百五十二話 oh、やっちまったぜ

タイトルは二重の意味を含んでいる模様

間違って別作品に投稿してい珍事案勃発。

ツイッター見ててようやく発覚。

感想欄でもめっちゃきてた。

双方、ご報告どうもありがとうございました。

わざとじゃないねん!


あ、今回短めです。


 ──『ニャンニャンタイム・セカンド』が終わった直後、精神的には充実していたが、体力はカスカスだったのはどうにか覚えている。どうやらそのまま客間のベッドで眠ってしまったらしい。何回戦までヤッた・・・のか、回数が片手指を超えた辺りからが非常に曖昧だ。


 意識が覚醒してから、躯の側に俺以外の温もりと片腕に感じる僅かな重量。そちらに目を向ければ、いつものポニーテイルを解き、俺の腕を枕代わりにしたファイマが心地よさそうに寝息を立てていた。


 俺は彼女を起こさぬよう慎重に腕を引き抜き、身を起こした。


「……昨晩はお楽しみでしたね」

「────ッッ!?」

「お静かに。お嬢様が目を覚ましてしまいます」


 横合いから聞こえた声に悲鳴を上げてしまいそうになったが、口を塞がれ辛うじて叫ぶのは防がれた。


 俺の口を塞いだのはキスカだった。彼女のは己の口元に人差し指を立てて「しぃぃ……」と声を潜める仕草をする。俺は首肯してからファイマを横目で確認するが、まだ寝入ったままだった。俺が身を起こしたせいで毛布がずれて彼女のおっぱいが外気に晒されていたのでそっと毛布をかけ直してやった。


 俺は改めてキスカに顔を向け、小声で話しかけた。


「いつの間にそこにいたんだよ。びっくりするだろ」

「私は部屋の前でずっと見張りをしてたわ。中に入ったのはつい先ほどだけれど。それよりも、気配に敏感があなたが気づかなかったのが少し意外ね」

「あー、悪意とか殺気があると一発で分かるんだがな」


 これらに関しては例え完全に熟睡していた場合でも付近にいれば確実に気づく自信がある。


「それよりも、そろそろ良い時間。これ以上時間をかけると、アガットが怪しんで部屋に来るわ。そうなったらあなたにとっても色々と面倒でしょう?」

「……面倒って一言で片付けられるかすら不明だな」


 俺はキスカの言葉に従い、ベッドから出て床に脱ぎ散らかしてある服を着ようとしたが。


「や、なぜにこっちを凝視してる?」

「気にしないでちょうだい」

「……俺、裸なんだけど」


 キスカの視線が俺の躯──辛うじて毛布で隠れているを下半身をロックオンしている。


「……気にしないでちょうだい」

「気にするわっ」


 ファイマを起こさない程度の大きさで怒鳴ると、キスカは渋々と背後へと向いた。俺は彼女が振り向かないかに注意しながらベッドから降りると手早く服を身につけた。


 着替えが完了しキスカに声をかけると、彼女はこちらを向き直る。服を着た俺を目に残念そうな顔をするのはヤメろ。


「後始末は私がしておくわ。ファイマ様に伝えておきたいことはある?」

「変なもんに頼るなって伝えとけ。薬中王女とかになったら冗談シャレにならんぞ」


 というか、紅茶に仕込まれていた薬はキスカこいつが用意したものだったか。いくら副作用がないからといって、安易に薬に頼るのはいかんだろうさ。その事に関して少し咎めようとする前に、あっけからんとキスカは言ってのけた。


「ああ、安心して。アレはちょっと血行をよくする程度の効果しかないわ。性的な欲求を促進するものじゃない。場の雰囲気で色々と〝勘違い〟したんでしょうね、お互いにね」


 ……そんなエロ漫画みたいなベタな展開があって良いのだろうか。さすがに俺は言葉を見失う。


「私は少しだけファイマ様の背中を押しただけ。前に進んだのはあなたとファイマ様自身よ」

「良いのかよ。仮にも一国の王女様だろ。一度目・・・はやむにやまれない状況だったが、今回は──」

「変わりないわ。この方が望んだことであるのならば、私たちはそれを全力で手助けするだけよ」


 キスカはベッドまで近づくと、未だ心地よさそうに寝息を立てているファイマの頬に優しく触れた。その時の彼女は、手の掛かる妹を慈しむ姉のようにも見えた。


 そういえば、キスカもアガットもユルフィリア王国の近衛騎士であり、ランドの伝手もあってディアガル帝国への旅に同行したと聞いたな。アガットは幼馴染みであったそうだが、いまの彼女を見る限りキスカもただの主従関係というわけではさそうだ。機会があれば聞いてみるのも良いかもしれない。

 

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