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第百三十一話 其の名は────

連続更新九日目ぇぇぇぇ!!


そして『カンナのカンナ 異端召喚者はシナリオブレイカー』発売中!



「さっきから黙ってりゃぁぴーちくぱーちく喧しいわ! 俺を好き勝手にしたけりゃぁ優しくて歳上な巨乳美女を連れて来い! 喜んで好き勝手されてやらぁ!!」


 誰がこのんでショタモドキの操り人形になるか。完全に頭に来た俺は、ありったけの声で叫んだ。


「ひぃッ!? ど、どうして!? 僕の糸は間違いなくあなたの深奥・・にまで届いているんですよ! 何で意識があるんですか!?」


 ラケシスは俺の怒声に躯をこわばらせ、情けない声を上げた。


「おう、さっきからちょいちょい胸の奥に感触があるけど、ぶっちゃけ気持ち悪いしついでに凄まじく痛い!」

「き、気持ち悪いですむような話ではないでしょう! 普通ならとっくに自我が崩壊している激痛ですよ!?」

 

 この程度でか?

 

 全く、笑わせてくれるな。

 

 口角をつり上げた俺を目に、ラケシスは険しい表情を作る。


「──ッ、こうなったらもう容赦しません。全力で貴方の全てを掌握します。下手をすれば自我どころか精神そのものが崩壊しますが、悪く思わないでくださいよ!」


 ラケシスは魔力を高ぶらせると、指先から伸びる糸に注ぎ込んだ。


 糸を伝わり、俺の体内にラケシスの魔力が注ぎ込まれる。


 だが──。


「ッッッッ!? ま、間違いなく貴方の精神に直接干渉できるまで僕の魔力が浸透しているはず!」


 目を見開くラケシス。


「なのに……なのにどうして『支配』できない!?」




 ──どれほどの屈辱に塗れようとも、決して色あせない魂。




 何を驚く。


 世界の『ことわり』を背負うことに比べれば、なんと生易しいことか。


 気が付けば、支配されていたはずの四肢に感覚が戻っていく。 


 精霊が、俺の心の──魂の昂りに呼応し歓喜しているのだ。




 ──何人たりとも犯すことのない絶無の純色。




 ブチリと、『糸』の一本が切れた。


「ぼ、僕の糸が……」


 魔力を糸に絶えず注ぎ込みながらも、ラケシスは呆然する。 




 ──神に愛されなかったが故に、神の埒外にある忌み子。




「──ッッッ、がぁぁぁぁぁぁぁぁああああああッッッッ!!」


 有らん限りの力を躯に込め、俺は吼えた。


 最初の一本を皮切りに、全身に張り巡らされていた糸が次々と千切れていく。もはや、ラケシスにそれを止める術はなかった。



 

 ──この世の誰にも支配されぬ、孤高の王。




 頭の中に、声が響いていた。


 これは……精霊の声か。


 だとしても、今はどうでもいい。


「嘘だ……僕の糸が……。こんな……こんな『祝福』のない屑に!」


 自信の象徴であった『糸』が無惨に引きちぎられていく。


 ラケシスは目の前の光景を否定するように首を横に振った。


「何なのですか……貴方はいったい何なのですか!?」


 己の正気を疑うかのような叫び声だった。


 自然と、俺は答えていた。



「俺はカンナ!


 神城カミシロ神無カンナだ!


 覚えておけ、このクソ野郎がぁぁぁぁ!!」

 

 

 ──バズンッッッッ!!

 

 

 全ての糸を断ち切り、俺は自由を取り戻した。

 

区切りの問題でいつもより大分短めです。


一年以上の連載を続けて、ようやくタメ続けていた要素の一つを明かすことができました。

ただ、以降も基本的に主人公の名前はカタカナ表記で続けていきます。



実は、生まれて初めてサイン本というのを書かせていただきました。

もう借りてきた猫というか、生まれたての小鹿というか、そんな感じでした。


なお、サイン本を書かせていただいたのは。


神保町の『書泉グランデ』さん。

秋葉原の『書泉ブックタワー』さん。

同じく秋葉原の『とらのあな』さんです。


特に、上二つに関しては色紙まで書かせていただきました。

ナカノムラのアレなサイン本が欲しい、あるいはアレな色紙を見たければ、足を運んでいただければ幸いです。



なお、作品に関する感想文やレビューは大歓迎です。評価点もよければお願いします。

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