第2話 日向、外史に降り立つのこと
更新遅れてすみません。
ここは時空の狭間。
???「あら?」
???「ん?どうかしたか、貂蝉よ?」
貂蝉「アソコに誰か倒れてるわよ、卑弥呼」
倒れてるものに指を差し、教えるスキンヘッドの巨大なおっさん「だーれが!巨大なおっさんかぁぁー!」・・・教える漢女。
卑弥呼「いきなり叫んで、今度はどうしたのだ?」
聞いてきたのは、髭の両端を逆立てた巨大なおっさ「ギロ!」・・・漢女。
貂蝉「何でもないわよ、それより見に行きましょう」
卑弥呼「そうじゃな」
二人のおっさ、漢女は倒れてるものに近づいて行った。
貂蝉「あらぁん、この子身体がボロボロじゃなぁい」
倒れてるものは、光に飲み込まれた、日向であった。
卑弥呼「うむ、なんとか生きてるようじゃが、死にかけておるな」
二人は日向の容体を調べる。
貂蝉「それに、この子まったく氣を感じないわ・・・・もしかしたらこの子、氣を使えるんじゃないかしら?」
卑弥呼「確かに考えられるな。それならば少し氣を送れば、何とか生きられるじゃろう」
貂蝉「そうね、それじゃあさっそく・・あら?」
貂蝉は氣を送ろうとしたが日向の折れた左腕を見ると深刻な顔をした。
貂蝉「卑弥呼、この子の左腕から少しだけど左慈の氣を感じるわ」
卑弥呼「!・・・・確かに、この禍々しい氣は左慈のものじゃな」
貂蝉「この子、あの左慈から生き延びたみたいね」
卑弥呼「うむ、それなら大したオノコじゃな」
すると貂蝉はいきなりビキニパンツに手を突っ込み、ある物を出した。
貂蝉「これは、左慈から生き延びた私からのご褒美よぉん」
貂蝉はビキニパンツから取り出した物を日向の右腰のベルトに取り付ける。
卑弥呼「うむ、ならば儂からの褒美はこれだ」
卑弥呼は掌に氣の塊を作り日向に注ぐと、身体が光だし次第に顔色も良くなりはじめた。
卑弥呼「どうやら、うまくいったみたいじゃな」
貂蝉「何をしたの卑弥呼?」
卑弥呼「氣を多めに送ったのじゃよ、ついでに鍛えれば氣の量も増やせるようにしておいた」
貂蝉「あら、随分サービスが良いじゃない」
卑弥呼「いいオノコじゃからな」
卑弥呼は笑顔でそお言った。
貂蝉「うふふ、気持ちは分かるわ・・それじゃあこのまま見送ってあげましょう」
卑弥呼「うむ、そうじゃな」
すると、日向の身体に光が包み込み、光は日向ごとどこかへ飛んでいった。
貂蝉「・・行ったわねぇん」
卑弥呼「そうじゃな・・そろそろ儂らも行くぞ」
貂蝉「そうねぇん、ぶるあああぁぁぁぁーーッ!!!」
卑弥呼「ぬっふうううぅぅぅぅんッ!!!」
二人は、雄叫びを上げながら跳んで行って消えた。
しばらくすると日向を包み込んでる光は時空を突き抜け、ある外史にたどり着いた。
場所は変わり。
辺りには桃の木が生い茂り桃の花びらが風で舞う光景はまさに桃園。
その桃園の中から衣を身にまといフードを被り、手には青龍偃月刀を持った一人の女性が出てきた。
???「桃か・・・そろそろ出てきたらどうだ?」
そう言うと、木の陰から笑みを浮かべた5人の賊が出てくると。
御頭「ここは俺達の縄張りでなあ、通してほしかったら金目の物を置いていきな?」
賊の御頭はそお言って、剣をちらつかせながら女性を脅した。
???「まったく、世も末だな」
女性は被ってるフードを取ると、長い黒髪を靡かせる。
御頭「ほっほ~」
女性の素顔を見た御頭は面妖な笑みをすると。
チビ「お!アニキ、こいつもしかして黒髪の山賊狩りじゃあ?」
小さい男が黒髪を見て、そう言ってきた。
御頭「あん、なんだそりゃあ?」
チビ「知らねぇんですか!あっちこっちの山で襲いかかった山賊を返り討ちにしている黒髪の美しい武芸者が居るって、最近ちまたじゃちょいと話題になってやすぜ」
御頭「ハンッ!だからってびびるこたぁねぇ!」
御頭は剣を突き出した。
御頭「ご自慢の黒髪!首ごとたたっ斬って兜の飾りにしてやるぜ!」
???「・・やれやれ」
女性は衣を脱ぎ捨て、賊共を睨み付ける。
関羽「我が名は関羽!乱世に乗じて婿の民草を苦しめる悪党共め!これまでの悪行を地獄で詫びたくば!掛かってこい!」
その頃、少し離れた所には日向が倒れていた。
日向「・・・・・・うっ!」
しばらくして、日向は目覚めはじめる。
日向「・・・・なんだここ、桜?」
辺りを見渡しながら立ち上がり、日向の目に桃の木が映ると、上を向き空を見る。
日向「なんで朝になってるんだ?」
訳がわからなくなり、頭を抱えだす。
日向「一体何がどうなってるんだ・・・ん?」
すると、日向は左腕に違和感を感じ、見てみると。
日向「な!・・腕が、治ってる」
折れた腕が治ってる事に驚き、すぐに身体中を調べると所々に出来た、アザや傷も治っていた。
日向は身体を調べてる時にベルトに付いてる物に気付いく。
日向「なんだこれ?」
ベルトに付いてるのは、赤色のポーチだった、大きさは大体20㎝位である。
日向「こんな物付けた覚えないぞ・・・それに妙に生暖かいような」
そう言って少し迷いながら、おもむろにポーチに手を入れ中を調べてると何かを掴んで出してみる。
日向「双牙!!・・ なんなんだこのポーチ!」
出てきたのは双牙であった。
日向は有り得ないと思った、双牙の大きさでは明らかにポーチに入りきらない程小さいのだが、実際に双牙はポーチから出てきたのを見ていた為、認めざるおえなかった。
日向「・・・ダメだ、一度整理しよう」
色々ありすぎて自分の現状を一度整理しようとしたが、後方から騒ぎ声が聞こえ日向は後ろを振り向く。
日向「人が居るのか?・・・ここがどこか聞いてみるか」
情報を得るため騒ぎのする方へ進もうとしたが、声は段々大きくなり日向に近づいてくると、先程の5人の賊が桃の木の間から走って来ていた。
日向「すいません、ちょっと聞きた・・・」
チビ「ア、アニキ前に誰かいやすぜ」
御頭「あん!そんなの知るか!早くずらかねぇと、追いつかれるぞ!」
チビ「けどアニキ!アイツ人質にすればあの女手出し出来ないかもしれませんぜ?」
御頭「確かにな・・それによく見ると、珍しい服着てるじゃねぇか」
御頭は日向の格好を見て言うと。
御頭「よし、お前ら二人で!そいつの身ぐるみはがして、人質にしろ!」
手下『へいっ!』
関羽「待てっ!!」
すると賊達の後ろから関羽が現れた。
関羽「貴様ら!懲りもせず、まだ悪事を働くか!先程は手加減したが、もう容赦はしないぞ!」
御頭「げっ!もう来やがった!おい、お前ら早くそいつを捕まえろ!」
手下『へ、へいっ!』
関羽「させるかっ!ハアアァァァァッ!!」
関羽は手下二人が動く前に偃月刀で二人まとめて吹き飛ばす。
手下『グアァッ!』
関羽「残るは貴様らだけだ、覚悟しろ!」
御頭「ちょ、ちょっと待ってくれ!俺達の負けだ。降参するから命だけは助けてくれ、このとおりだ!」
手下二人がやられた事で自分達が不利だと悟り、武器を捨てて土下座をして命乞いをはじめた。
関羽「・・・・・本当だろうな?」
御頭「本当だ!助けてくれたら山賊もやめるしまっとうに生きるから、頼む!」
関羽「・・・・いいだろう、今回は見逃す。だが次に同じことをすれば、その首もらう」
賊の言葉を信じて関羽は背を向け日向の方に向かおうとしたとき。
日向「シッ!」
目の前に日向が居て、いきなり関羽に殴り掛かって来ていた。
関羽「なッ!」
突然の事に関羽は避けることが出来ずに目を閉じる。
関羽「・・・・・・・・?」
いつまで経っても殴られる衝撃が来なかったので。目を開けて見ると、拳は関羽の顔の横を通過していた。
関羽「・・・お主、これはどういうつもりだ。事と次第によっ「ドサッ」ては・・え?」
関羽は後ろから物音が聞こえたので振り向いて見ると。
御頭「・・・・・・・」
剣を持った御頭が気絶して倒れていた。
御頭は関羽が背を向けた瞬間に剣を拾い背後から襲い掛かった所を日向に殴られて気絶させられたのである。
日向「アンタ人を信用しすぎだ、こいつの言葉は全部うそだよ」
日向はいつの間にか、赤眼を発動させていた。
日向「おい、そこのお前ら。そいつ連れてさっさと消えろ」
静かにそう言って殺気を放つと周りの木や草がざわめきだした。
チビ、デク「「は、はいぃぃー!!」」
二人は気絶した御頭を引きずりながらそそくさと逃げて行った。
日向「フゥ」
小さく息を吐き、殺気を消した。
関羽(なんて殺気だ、これ程の殺気を持つ者がいるとわ)
関羽は日向の放つ殺気で背筋に寒気を感じていた。
すると日向は今度は氣にも違和感を感じて、身体を見ると。
日向(うそだろ、氣も増えてるのか)
日向は驚くよりも興奮していた。
今まで何をやっても氣の量が増えなかったのだが、ここにきて氣が増えていたのである。
日向(赤眼を使っても、ほとんど氣も残ってる・・・切っ掛けは分からんが、うれしい出来事だ)
関羽「あの、大丈夫ですか?急に黙られて、どこか怪我でも?」
関羽は日向が喋らないから、どこか怪我をしたと思い心配そうに聞いてくる。
日向「ん?ああ、大丈夫だ、少し考えてただけだから」
関羽「よかった。あの、先程は助かりました、ありがとうございます」
日向「気にすんな、こっちは聞きたい事があったからな」
日向は情報を得るために関羽を助けて。これ以上話がややこしくならないために賊達を見逃したのである。
関羽「聞きたい事とは、なんでしょうか?」
日向「ここってどこかわかるか?」
関羽「ここは幽州。五台山の麓ですが」
日向「幽州に五台山ってことは・・・・中国か」
そう小声でつぶやいて、自分がなんで中国に居るかはあとで考えて他にも聞こうとしたら。
関羽「あの、よろしければ名を教えてくれませんか?お互いまだ名も知らないことですし」
日向「そうだな、焔 日向だ」
関羽「えっと姓が焔、名が日、字が向でよろしいですか?」
日向「ん?いや姓が焔で名が日向だ、字って言うのは無いな」
関羽「字が無い!珍しい名ですね」
日向「そこまで驚かなくても・・・ところで貴女は?」
関羽「はい。姓は関、名は羽、字を雲長と申します」
日向「関羽?どっかで聞いたことあるな」
関羽の名を聞いて、どうにか思い出そうとする日向。
日向(・・・・・・・そうだ、確か三国志にそんな奴が居たな)
ようやく思い出す日向だが。
日向「あれ?(中国、関羽、三国志・・・・まさか!)なぁ、変なこと聞くけど。今って後漢の時代か?」
関羽「いかにも、それがなにか?」
当然とばかりに関羽は答える。
日向(・・・うそをついてるようには見えない、じゃあ本当に俺は三国志の世界に居るのか。けど一体どうやって来たんだ)
関羽「どうかなされましたか?」
日向「いや、なんでもない」
そう言って答えると、日向は次第に思い出しはじめた。
日向(そうだ!確か鏡を割った時、光に飲み込まれたんだ。そのあと気付いたらここに居たんだ、だとしたら原因はあの鏡か)
自分が違う時代に来た原因を考えると、左慈の事を思い出す。
日向(そういえば左慈も一緒に飲み込まれたな、だったらあいつもこの世界に居るはずだ、色々聞きたいことがあるし。よし、まずはあいつの情報を集めよう)最後に聞きたいけど、近くに街とかあるか?」
関羽「街ではないですが、ここを西へ行くと村があります」
日向「ありがとう、色々助かった・・それじゃ」
村に行く方角を教えてもらい、そこで情報を聞くために日向は関羽と別れようとしたが。
関羽「あの、私もその村に行く途中だったのですが、同行しても構いませんか?」
日向「・・・構わないけど」
関羽「では、参りましょう」
こうして日向は関羽と名乗る女性と共に近くの村に行くことになった。
関羽(そういえば、この御仁、見たことのない服を着てるし、あれは槍なのか?一体何者なんだ?)