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第1話 日向、光に飲み込まれるのこと

今回戦闘があります。

日向はスティーブンの頼みを受け依頼主である館長に会うため博物館に来ていた。

館に着いた頃には外はすでに暗くなっており閉館の時間なのか客が一人もいなかった。

日向は館長を捜そうとしたがロビーに一人の男性がいるのに気づきその人に声をかける事にした。



日向「すいません、ここの関係者さんですか?」


館長「・・ええ、私はこの博物館の館長ですが」


さっそく目的の人物に会えたため日向は説明をした。


日向「はじめまして、ティ・・・スティーブンからの紹介で来ました、なんでも屋の焔 日向です」


館長「そうかキミがなんでも屋か話は彼から聞いてるよ、すごく優秀だと」


日向「いえ、そんなことないですよ」


館長「謙遜しなくていいよ、所でその背中にあるのはなんだい?随分大きいけど」


館長は気になったのか背中にある物を聞いてきた。

日向が背負っているのは布で巻き付けた彼の得物である。

名を《豪閃双牙(ごうせんそうが)

この得物には残り二つの名があり一つ目は先端に4枚の斧が取り付けてあるのが《豪牙》。

二つ目は石突きに取り付けてある槍が《閃牙》である。

日向は双牙を見たあと館長に「ただの護身用ですよ」と誤魔化し館長は普通に納得した。



館長「それじゃあ、さっそくで悪いのだけど警備の説明をするよ、まぁ説明と言ってもキミの仕事は主に見回りだけどね、あとは・・・」


それから館長の説明をある程度まで聞いたあと話は終わった。



館長「・・・ということで説明は以上だが、何か質問はあるかい?」


日向「いえ、大丈夫です」


館長「では、はいこれ館の地図とカギ」


日向はそれを受け取ったあと館長はこれから用事があるらしく帰ろうとしたが。



館長「あ!言い忘れてたけど、ここは夜間でも照明がついてるから消すことはないから、それじゃがんばって」


そお言って今度こそ帰っていった。

日向はもらった地図を見て建物の構造を覚えながら見回りを始めた。


────────────────




日向「にしても広すぎだなここ」


そお言うのも無理はない、館の中は二階もありかなり広くまだ全てを見回っていないがすでに一時間もかかり、途中窓が閉まってるかをも確認しある物を取り付けながら見回りを続けた。


何もないまま全てを終わらせる頃には、深夜の二時を過ぎており一旦見回りをやめ、少し休憩をしにロビーに来ていた。



日向「・・・・・」


日向はあぐらをかいて床に座り目を閉じ精神を集中させ氣を練り調節(コントロール)していた。


なぜ日向が氣を扱えるかと言うと8年前、当時は10歳の頃強くなろうと無茶な修行中胸に大ケガをし生死をさ迷いながらも奇跡的に助かり、その時に氣が目覚めたのである。

そもそも氣とは、森羅万象 万物に宿るエネルギーのこと、氣は人に宿る生命のエネルギーを体内で燃焼させているようなものだ。



日向「ふぅ~(やはりダメか、どうしても氣の量が増えないな、何が足りないんだ?)」


実は日向の氣は扱える量が少なく戦闘には不向きなのである、ゆえに氣の量を増やそうと色々と試したがどれもうまくいかなかったのである。



日向(考えてもしょうがないか、今は仕事に集中だ)


考えるのをやめ見回りに戻ろうと立ち上がった時、突然と照明が全て消え館の中は暗闇えと変わった。


日向「!!」


日向は少し驚いたが冷静になり赤眼を発動させ辺りを見渡そうとしたが。




ガシャアァァン



次の瞬間には館の奥からガラスの割れる音が聞こえ、すぐさま音のした方を見渡すと館の中に何者かがすでに侵入してるのを赤眼の能力で発見し、すぐに侵入者を捕縛しに向かった。



日向(一体どうやって侵入したんだ、裏口も窓も何かあればブザーが鳴ったはずだが)


日向は見回りの際に裏口や窓にブザーを仕掛けておいたのだ。



日向(まぁいい、どうやって入ったか知らんが熱さえ感知すればあとはこっちのもんだ)


そお考えてるうちに侵入者との距離は10メートルまで近づいており、すぐに物陰に隠れて相手の様子を見てみると左腕には館に展示してあった銅鏡を抱え、頭にはフードを被り顔は見えず体格からして男と判明した。

フード男(侵入者)は用がすんだのかその場を去ろうと日向に背を向けた瞬間。

日向は音をたてずに物陰から飛び出し一気に距離を詰め捕縛しようとした時。

フード男は振り向き裏拳を放ち日向を襲う。


日向「くぅ!!」


日向はギリギリ避け、すぐに距離を離した。




□日向side□



日向(危なかった、避けるのがもう少し遅かったら食らってたな)


俺はフード男を警戒しながら話そとしたが。



日向(そろそろ5分経つな、赤眼の持続時間が終る頃だな)


考え終わると同時に赤眼は消え元の目に戻る。

この赤眼には厄介な所が三つある。

一つは赤眼を発動させるには氣を使うことである。

二つめは持続時間があり氣の量によっては短くもなり長くもなる。

三つめは氣の量が少ないため全て使って発動するにも最低5回が限界なんだ。


赤眼が消えたのを確認してから、気を取り直してフード男に話しかけた。



日向「なぁアンタ大人しく捕まってくれるとこっちは助かるんだが?」


フード男「・・・・・」


フード男は無言のまま銅鏡を守るように右半身を前に構え、殺気を放ってきた。



日向「投降する気なしか」


こっちも少し殺気を放ちながら双牙を取り、巻かれてる布をほどき、右手で持ち柄を肩に掛け戦闘体制にはいると。



フード男「・・・シッ!」


フード男が先に仕掛けてきた、右足で鋭い蹴りを放つが俺は床を滑りながら左回転して避け、回転を利用し豪牙で薙ぎ払う。



日向「オラッ!」


フード男「ちっ!」


豪牙の放つ一撃を身体を退いて避けられ。

標的を失った豪牙は勢いを止められず展示物の壺に当たり粉々にしてしまった。



日向「あ!!!やっちまった」


その隙にフード男は一歩退き、跳び上がり空中で一回転し、足を降り下ろしてきた。



日向(ギリギリか!)


すぐに双牙を左手で引き戻し上に構えて防ぐ。

フード男はもう一方の足で顔に目掛けて蹴り上げてくる。



日向「“耐心(たいしん)”!!」


俺は額に氣を少し纏わせ頭突きをして蹴りの威力を殺した。

フード男は双牙の柄に足を掛け後方に跳んで下がった。



日向「逃がすか」


双牙を回転させ豪牙から閃牙に切り替え右手に持ち突く構えをとり、距離を詰める。



日向「シッ!!」


俺は突きを繰り出すがフード男は右に避ける・・・が。



日向「甘い!!」


すかさず閃牙を右に薙ぎ払い胸を斬る。



フード男「グゥッ!!」


胸を斬られたフード男を追撃し左手で腹を殴りつける。



フード男「ガハッ!!」


衝撃で後ろに数メートル吹き飛びながら体制を立て直し着地する。



フード男「ハァ・・・ハァ・・・」


俺はフード男の状態を見て、これ以上は無理だと判断して気を緩めた。



フード男「フゥーー」


フード男は乱れた呼吸を落ち着かせ、斬傷を見たあとこっちに視線を向けてきた。



フード男「・・・驚いた、まさか俺に傷をつける人間がいるとはな」


この時初めてフード男は喋ったが気になる発言をした。



日向(人間?)


まるで自分は人間じゃないみたいな言い方だったが、頭を切り替える。



フード男「貴様、名は?」


日向「・・・・焔 日向」


フード男に名を聞かれ、少し迷ったが名乗ることにした。



フード男「焔 日向・・・・少し興味がわいた」


フード男はフードを取り素顔を見せてきた。

容姿は、髪は茶髪で目は紫色をして年は俺に近い位だ。



左慈「俺の名は左慈(さじ)、覚えておけ貴様を殺す者の名だ!」


そお言うと同時にフード男あらため左慈は一気に距離を詰め右足で蹴りを放つ。



日向(芸がない奴だ、さっきと同じじゃねえか)


呆れながら左腕で防ぐ。



日向「なっ!!!(重い!!何だ、この蹴りの威力!!)」


防いで分かった。さっきまでの蹴りより格段に威力が数倍増している事に。




メキ・・・メキ・・メキ・・



次第に左腕からきしむ音が聞こえると。




ボキッ!!



腕は耐えきれず骨が折れる。



日向「うっ!!」


俺はすぐに反撃しようとしたが、左慈は素早い蹴りを繰り出し、反撃する隙がなく防ぐのでやっとだ。



左慈「うらぁーーー!」


雄叫びを上げると蹴りは更に加速し、心臓、首、こめかみ、額、えと急所を狙ってきた。

だが左慈は急に攻撃をやめ、その隙に俺は後ろに跳んで距離を取る。



日向「ハァ・・ハァ・・」



俺は完全に油断した。


左慈に傷を負わせた時、気を緩めてしまった油断。


相手は手傷を負い俺は無傷の状況だった油断。


勝負が決まったと思い込んでしまった油断。


全ての油断が、今の状況を生んでしまった。



日向(まずいな、状況は最悪だ)


身体はボロボロだが何とかこの場を打開するため、左慈を観察する。



日向「・・・・・ん?」


ここで俺は左慈の状態に気付いた。



日向「・・・傷が治ってる」


左慈の傷はいつの間にか塞がっていた。



日向(有り得ねぇ、一体どうなってるんだ)


こんな短時間で傷が治る筈がない。

そお思ったが、一つだけ思い当たるものがあった。



日向「まさか・・・(赤眼!)」


俺はすぐに赤眼を発動させ左慈を見ると。



日向「・・やっぱりか」


左慈の身体の周りには黒い炎のようなものを纏ってた。



左慈「フン・・ようやく気付いたか?」


日向「ああ・・・お前も氣を使えるとはな」


左慈の氣は禍々しい色だ、量も俺と比べると俺の10倍はある。



左慈「しかし、面白い目をしてるな。その目で見た途端俺の氣に気付いたからな、何かを見破る能力か・・・」


左慈は余裕そうに赤眼の能力が何なのか考え始めやがった。



左慈「・・・氣を見破り、この暗闇の中俺を短時間で見つけたのもその能力か・・・・なるほど、熱探知に近い能力、つまりピット器官か」


日向「・・・・・」


この時俺は初めて敗北を味わった。

一度見ただけで赤眼の能力を見抜く洞察力、強大な氣、負傷した自分の身体に残り少ない氣、どれをとっても今俺が勝てる見込みは・・・・0だ。



左慈「なかなか楽しめたが、そろそろ死んでもらう」


左慈は氣を全開にして右半身を前に構えた。



日向(そうか、ここが俺の死に場所か・・・・・だったら!)


俺は痛む身体を無理矢理動かし、閃牙から豪牙に構え直し、残りの氣を全て豪牙に纏わせ圧縮させる。



左慈「まだ抵抗する気か?」


日向「最後の悪あがきだ、付き合えよ」


左慈「フッ・・いいだろう、貴様の最後付き合ってやる!」


俺と左慈は同時に動いた。



日向「オラッ」


俺は豪牙で突くが、左慈は身体を低くして避け、そのまま懐に入り込まれた。



左慈「ハァッ!!」


左慈は右足で上段蹴りを頭に放ってきた。



日向「くぅっ!!」


ギリギリで折れた左腕で防ぎ、激痛が走るがなんとか耐え。



日向「おおぉぉ!!」


すかさず右足で左慈の腹を蹴り、壁まで蹴り飛ばす。



日向(ここだ!!)


俺は豪牙を構え、もう一度突く。



左慈「フッ!!」


豪牙が当たる直前、左慈は左半身を後ろに反らし避け、豪牙は壁に当たる。



左慈「同じ攻撃を二度もするとは勝負を焦ったな・・・終わりだ!!」


日向「ああ・・・お互いな!」

左慈はとどめの蹴りを放つが。



日向「豪牙“紅蓮”!!」




ドッゴオォォォン!!!



俺は豪牙に纏わせてる、圧縮した氣を一気に解放させ、爆発させる。

圧縮すれば氣の量が少ない俺でも相手に大ダメージを与える、俺の唯一の方法だ。



左慈「なっ!!!!」


日向「ぐぅっ!!」


爆発が生んだ爆風により俺と左慈は吹き飛び、反対側の壁に激突した。

左慈はそのまま床に倒れ、俺は片膝をつき座る。



日向「ハァ・・ハァ・・」


俺は爆風がおこる寸前、左慈を盾にして爆風の直撃を間逃れたが、すでに身体は限界に近い。



日向「なんとかうまくいった「何がうまくいった」・・・・」


俺は声のする方を見ると、いつの間にか横に左慈が立っていた。



左慈「フッ・・あの程度で俺を殺ったと思ったか?」


日向「・・・・・」


左慈「いい戦法だが、残念だったな」




ピキッ



日向「・・・お前、何か勘違いしてねえか?」


左慈「勘違い?」


日向「あれはお前を狙ったんじゃねえ」




ピキキッ!



日向「俺が、狙ったのは・・・」




ガシャアァァン!



日向「・・・そいつだよ」


左慈「な!!・・鏡が!!」


俺の狙いは、左慈が持ってる銅鏡だ。

銅鏡はさっきの爆風で鏡部分が割れ、銅の方も所々にひびができはじめた。



日向「あの状況でお前に勝つのは無理だったからな、狙いをそいつに変えた」



俺の戦法はこうだ。


左慈から銅鏡に狙いを変えたが、左慈は常に右半身を前にして銅鏡を守る構えをとり。

正面からの破壊は無理だと考えた俺は、紅蓮の爆発で破壊する方法を選んだが、紅蓮は衝撃を与えないと爆発させることができない。

その為、左慈を壁にまで移動させ最後は豪牙をわざと避けさせ、壁に当てた衝撃で紅蓮を爆発させ銅鏡を破壊する、と言う流れだ。



日向「そいつを何に使うか知らないが、目的の物を壊せば、お前の目的も潰れたも同然だ」


左慈「貴様、自分が何をしたかわかってないようだな」


日向「何言って・・・!?」


何の事か聞こうとしたが、突然と割れた鏡が光出した。



日向「な、なんだ!?・・・鏡が!」


左慈「始まりやがった」


溢れ出た光は左慈を飲み込み。

光は徐々に広がり、俺は逃れよとしたが身体は動こうとせず、光は俺の目の前まで伸びてきた。



日向「何がどうなってるんだ!?」


ついに光は俺をも飲み込み始めた。



左慈「もう戻れん・・・」


日向「左慈!」


辺りを見渡すが左慈の姿はなかった。



左慈「・・・幕は開いた」


日向「幕?・・・何を・・いっ・・て・・るんだ」


俺は薄れいく意識を保つので精一杯だった。



左慈「飲み込まれろ、それが貴様に降る罰だ」



その言葉を聞き終わると、俺は光に飲み込まれ限界が来たのか、意識を失った。

戦いを書くのがこんなに難しいとは思わなかったです。

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