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下でもない前でもない上を見ろ、希望はその先に

「一ついいですか?」

ん?とティアラは短く返事をした

「一つ目のヒントである、紅のティアラとの接点についてなんですが」

俺の声が小さくなってしまったのはティアラが目を伏せたからである

「そうだな・・・話しておこう。紅とは赤色、つまり血だ。私は今朝見せた能力によって人を殺めてしまっている。そういう接点だよ。この紅色の服も返り血で赤く、染まったんだ」

なんだよ・・・そんな悲しそうな顔するなよ

「俺がその服を」

俺は昔から悲しむ人を放っておけないタチなんだよな

「純白に戻してやる」

だから此処にいる、か弱く見えている彼女に手を差し伸べる

「文句は、言わせねえ」

いや、手を引っ張ってやるんだ

「しかし、どうやるんだ?犯した過ちなんかもう・・・」

顔を上げてくれよティアラ

「短所を長所にしようかティアラ、犯した過ちを歴史ごと塗り替えてやるんだ。俺にこの言葉をかけて貰いたかったから俺と出会って今朝能力を見せてくれたんだろう?それに純白のティアラもいいんじゃないか?」

「ああ、ありがとう」

下を向いたままじゃねえかよ・・・

まだだ、あと一言こいつの背中を後押しする言葉を言わなきゃ

「下を向いたままじゃ歴史は塗り替えられないだろ、顔を上げろティアラ」

そして顔を上げてティアラは言った。声こそは小さかったが、とても力強く、笑顔で涙を流しながら


「ありがとう」


紅色に染まった夕方の、町中のある学校の、あるクラスにその笑顔はあった。俺のティアラの笑顔に対する歴史という名の印象は塗り替えられた。それほどまでに美しい笑顔だった



昇の言う通り純白も最高いいんじゃないかと、この時だけは思った


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