捜査 その4
「ご苦労だったわね、【猫】」
「いえいえこれくらいどってことにゃいよー。むしろ物足りない感じい?」
「そう。じゃあもう帰っていいわよ。貴方の仕事はこれでお終いだから。」
「はい?え、こんだけ?」
「報酬は貴方のご主人に振り込んでおいたから受け取ってね。じゃあね。」
「いやいやいや、待って下さいって沃実サン。俺っち、石投サン捕まえるだけに呼ばれたの?」
「だったら何だというの?」
「俺っち、一応殺し屋だけど。」
「それが何?言っておくけれど、私には情報屋だろうが殺し屋だろうが何でもいいの。あの子さえ捕まえておけばそれでいいの。何か問題ある?」
「・・・・あるっちゃあるけど、ないっちゃないかな。」
「ならさっさと出て行ってくれる?これから大仕事が待っているんだから。」
「へいへーい。んじゃ、またのご利用お待ちしておりますー。」
「二度と頼まないわ。」
「へ?」
「私、猫という物が大嫌いだから。」
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「僕は猫が好きだけど嫌いなの。」
「それ、矛盾してますよ所長。」
「千種犬派?」
「まあ、そうですかね。小さいころ飼ってたし。猫って自由気ままじゃないですか。犬は忠誠心が高いから、すごくなつきやすくて可愛いですよね。」
「あーわかる。猫ってさー言うことききやしないよね。あれだ、触るなら猫がいいけど飼うなら犬がいい。」
「しつけしやすいですしねー。」
「ちなみに何飼ってたの?」
「柴犬です。茶色の。」
「ほほー今流行りだよね柴犬!可愛いよね毛がふっさりしてて。」
「猫も毛があるじゃないですか。」
「中々撫でさせてくれないけどね。」
「ああ・・・確かに。でも所長にはよく猫寄ってきますよね。」
「僕動物占い猫だからね。だからじゃない?」
「それ理由になるんですか・・・?」
「そうなんだよね、猫に好かれやすいんだよね、僕。何かいろんな猫に。」
「・・・・さっきの【猫】さんもですよね。」
「やめてよ!あんなの猫じゃないよ!猫なら肉球がぷにぷにして、毛がふわふわで、なおかつにゃんにゃん可愛く鳴くんだよ!あれは猫じゃないよ!」
「(すげえ全力で否定している・・・・)所長、猫派なんすね。」
「ごく一部を除いてね。ああもう、思い出したらいらいらしてきた。今度会ったらコンタクトずらしてやる!」
「やること小さっ!って、あれコンタクトなんですか?」
「そうだよ?人間があんな赤い目してるわけないじゃない。」
「ああ、言われてみれば確かに・・・・。」
「千種はもーちょっと観察しなきゃだめだね。結構頭いいんだから、落ち着いて考えてごらんよ。」
「そうですね・・・。じゃあ、落ち着いて考えたので言います。」
「何だい?わくわく。」
「俺達捕まってますよね?」




