表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/16

第15話:これからの行く末

「リリとヴェクサ……もう長く戻っていないわね」 

 

ルキウスの声が緊張を切り裂いた。 

 

「全員を揃えなければ。ミレイユ、セレスティーヌ、あなたたちは……ヴェクサとリリのもとへ急いで。連れ戻すのよ。早く」 

 

セレスティーヌとミレイユの背中から黒い翼が現れた。瞬く間に、二人はルダ――エリンドールの首都へ向けて飛び去った。 

 

ルシアンとルキウスは立ち尽くし、苛立ちを胸に、思考を巡らせる。 

 

――これは一体どういうことだ? こんな単純な話なはずがない……何かがある。 

 

その時―― 

 

「ルキウス……あの死体、動いたか?」 

 

ルキウスの視線が鋭くなる。「確かに動いた」 

 

死体が再び痙攣し、二人の体が硬直するほどの奇怪な動きを見せた。 

 

慌てても遅かった。二人が死体に飛びかかるより早く、不可解な事態が起こった。 

 

轟音と共に、玄関口が破裂した。足元の地面が揺れる。 

 

煙と炎が噴き上がり、木片や石の塊が宙に舞った。 

 

かつて威容を誇った屋敷は呻き、壁が崩れ落ち、まるで獣のように崩壊する。窓はガラスの嵐となって砕け散った。 

 

炎が屋根の残骸を舐め、煙は厚く、窒息しそうなほど空気を満たす。 

 

瓦礫が周囲に降り注ぎ――壁の破片、壊れた家具、ねじれた金属――いずれも下にあるものを砕く可能性を秘めていた。 

 

混乱の中、壁の一部だけが焼け焦げ、揺れながら残る。空気は粉塵で濁り、燃えた石と木の刺激臭が全身に染み渡る。 

 

ルシアンとルキウスは瓦礫の中に立ったまま。恐怖はなく、しかし失望で重く沈んでいた。 

 

「……俺は、何をしてしまったんだ?」ルキウスが呟く。声は砕け、粉塵の中でかすかに聞こえるだけ。 

 

「……主に、失敗した」ルシアンが言葉を震わせる。 

 

ルキウスは自分の手を見つめた。震えていた――望まぬ感覚。どうして……こんなことに、と思う。今までこんな気持ちを覚えたことはなかった。 

 

やがて膝をつき、破れた服の肩が震えながら沈む。ルシアンの横に座り、絶望を強いられた者のように静かにうなだれた。 

 

二人は沈黙の中に座った――戦いによってではなく、理解できない現実によって打ちのめされていた。 

 

「ルキウス……」ルシアンが口を開く。 

 

「分かっているな?」と低く続けた。「屋敷は消えた。だが、もしこれがただの陽動だとしたら……もし――」 

 

言葉を飲み込み、毒のような吐息を漏らす。 

 

ルキウスは指を上げる。「いや。絶対に違う。言うな、考えるな。言葉にした瞬間、宇宙が聞いて実現させる。呪いとはそういうものだ」 

 

「違う――」ルシアンが言う。 

 

「いや、そういうものだ」とルキウスが鋭く返す。「生存の基本理論だ」 

 

二人は半秒ほど黙り込む。 

 

「でもルキウス、考えてみろ――」ルシアンが言う。 

 

「考えているよ」とルキウス。「問題は、考えすぎていることだ。考えるのをやめようとしても、頭が止まらない」 

 

ルシアンが肩を掴む。「聞け。もし俺たちの考えが現実になると――」 

 

ルキウスは後ろに一歩下がる。「その文を終わらせるな」 

 

「――ハバート様は絶対に、俺たちを追い出す」とルシアンは続ける。 

 

ルキウスは顔に両手を下ろす。「そしてあの腐った地下屋敷に戻される……」と呟く。 

 

――怖い。 

 

四か月の不在の末、屋敷から遠く離れた森の奥を、私は静かな林冠の下に歩いた。木々は微動だにせず、風でさえこの場所を乱すことを恐れているかのようだった。前方から、長い黒いマントを羽織った男が近づいてくる。マントの下に何を隠しているかは見えない。 

 

顔は見える――色白の中年男性。しかし目は黒い布で覆われていた。それでも足取りは迷わず、森そのものに導かれるかのように完璧に進んでくる。 

 

力を感じた。微妙でも隠されてもいない。意図的に気づかせるように押し付けられる。オーラは濃く、魔力のレベルは完全に異次元だった。 

 

システムが反応した。 

 

《結論:高エネルギー、エネ――》 

 

声は途中で切れた。突然で、暴力的。まるでワイヤーが断たれたかのように、接続は切れた。 

 

通り過ぎると、私は反射的に剣に手を伸ばす――意図よりも本能に近い。しかし柄は感じられなかった。 

 

なぜ? 

 

目を落とすと、手はすでに地面にあった。きれいに切り落とされ、肉は裂けず、ためらいもない。 

 

拾い上げる。冷静に。切り落とされた手を元に戻す。肉は瞬時に結合し、骨は固定され、皮膚も封じられる――時間そのものが巻き戻されたかのようだ。しかし傷跡だけが、淡く、確かに残る。 

 

感情はなかった。抑えているわけではなく、これだけの痛みはもう何も生まさない。 

 

振り返ると――手を一瞬で切り落とした男は、すでにそこにはいなかった。 

 

遠くの木に寄りかかるように横たわり、何事もなかったかのように落ち着いている。 

 

マントがめくれ、隠していたものがすべて露わになった。手には刀が握られ、刃は一度も血に触れた形跡がない。白いシャツは汚れも傷もなく、巻かれた包帯が手から前腕にかけて伸びている。 

 

バッジも確認できた。刻印は判別できないが、形は捉えられた。色も――後で認識できるほどはっきりしている。 

 

「なぜ?」彼は刀を右手に掲げ、嘲笑した。「腕を斬ったのか?」 

 

歪んだ笑みが顔に広がる。「十分に範囲内だった」 

 

次に、袋を取り出し、左腕に掛ける。 

 

「信仰は戦いの前に人を強くする

立ち止まらず夜を抱け

魂を守ると誓う前に

己を強くし、全てを癒せ」 

 

声は落ち着き、重みがある。 

 

「名前はケイル・ソーン。詩も書いている」 

 

立ち上がる。袋は左腕に沿っている。目に敵意はなく、ただ信念だけ。 

 

「この世界に……信仰に……俺の生きるすべてに――お前は危険だ。悪意ではなく、存在そのものとして」 

 

袋を投げる。開ける前に、再び口を開く。 

 

「この道を捨てろ」と優しく告げる。「ゾルト、唯一の神の導く道に従え」 

 

声は低く、穏やかに、真摯に響く。 

 

私は一瞬見つめた。声は低く、平静。 

 

「理由もなく腕を斬ったのか。ゾルトの教えなのか?」 

 

「違う。全く違う」歩みを緩め、静かに近づく。「体が勝手に動いただけ」 

 

頭を少し傾けた。「この盲目用の布――長く使っている――」 

 

話す間に、私は袋を開いた。 

 

二つの首がこちらを見つめていた。表情は理解の途中で凍っている。血はすでに暗く、布に張り付き、消えない染みのようだった。 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ