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逃げましょう
スマートフォンが鳴っている。五回。十回。そして切れる。しばらくののち、またスマートフォンが鳴る。五回。十回。そして切れる。そんなのが、彼此十五分続いてる。俺は頭から布団を被り、そんなスマートフォンをじっと見ている。バイブレータにもしているんで、繰り返させるうちにスマートフォンはジリジリジリジリと俺の方に這って来る。早く出ろよと言わんばかりに。
出りゃあいい。出りゃあいいのはわかっているし、相手が京也なのもわかってる。何故なら仕事があるからだ。それ程までにわかっているのに俺は電話をただ見ている。
最後にスマートフォンが鳴ってから十分間、スマートフォンは鳴りもしない。這いもしない。
どん!どん!どん!
やっぱり。強い調子でドアがノックされ、聞き慣れた声が俺の名を呼ぶ。
「相楽さん!相楽さぁん!?…」
京也がドアを開けた。
「相楽さんっ!逃げましょう!」
「何…今日は取り立てだろ?」
「逃げるんです!この世界から!」




