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極悪人間ヒーローになる  作者: 溝野魅苑


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ヒーロー降臨

何てこった。


今は後楽園遊園地でって言わねーのな。何たらロッソで僕と握手!っていうのな。でもよ、ガキと握手するのは今も昔も変わんねーのな。一度だけ行ったよ、俺の時代はまだ後楽園遊園地で僕と握手だったヒーローショー。どっかの政治家が俺らの施設を招待したんだ。名前を売る為にね。その後、何だか言う高級な寿司屋に連れて行かれた。俺ら全員、それまで一度も大トロや海栗やいくらの入った寿司なんて見た事なかった。俺は小便をぶっかけてやったよ。まあ12歳の頃だしな、思春期真っ盛りだもんな。なんかやらかすわな。皆、「こんなに美味しいものもう食べられないかもしれない。」とか、「本当の海栗を初めて見た。」とかっつって、がつがつ食らっていたけど、俺の心も頭も腹も胸も、その時は憎しみでいっぱいいっぱいになっちゃってて、とても食えたもんじゃなかった。可哀想なガキどもに高級な飯を振舞う事で名を売り、それだけならまだしも、その政治家の顔には、俺達を憐れむ事で自分の優越感を満たしてるって感がありありと浮かび上がっていた。オナニーだ。ふざけんな。悔しくて憎くてどうしようもなかった。だから俺は、皆と一緒に「わあ!美味しそう!こんなすごいお寿司初めて見た!」と歓声を上げ、まあ、それは嘘じゃないけどね、目をキラキラと喜びに輝かせ、いざ食わん、と身を乗り出すと見せかけて、ズボンとパンツをずり下げて、取り出した逸物からとうとうと黄色い臭い液体をぶちまけてやった。可哀想だったのは、隣に座ってた雄太と陸で、最後に大事に取っといた、大トロも海栗も俺の小便の洗礼を受けちまって、真っ青な顔で下唇を噛み締めてた。施設に戻ってから、勿論俺は職員どもに散々怒鳴られ殴られ、最近だったら虐待だとか言われるんだけどコンプラ緩い時代だったしな、それに、まあ、自業自得だ、これは虐待とは言えまい。俺はそれだけの事をされて当然の屑だからな。挙句、その日の夜には、施設から逃げ出した。


そんな記憶が途切れることなく頭の中を走り抜けたのは、俺が今現在、後楽園遊園地の、いや、何たらロッソか、のヒーローショーさながらの鈍いガンメタグリーンの金属とも布ともつかないものを身に付けていて、いや、身に付けていてってよりは、身になっちゃってるのかもしれん。つまりこれが今現在の俺の皮。まさにヒーロー降臨って感じ。とにかくそんな体になっちゃってて、咄嗟にくり出した拳で、これまたヒーローショー、違うな、ヒーローショーでこんな大掛かりなのはないな。ヒーロー番組の方に、だな。出て来そうな、5mはあろうかと言う蜥蜴じみた化け物をぶっ飛ばしたせい。

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