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禁断の知識で御座いますね?

「・・・凄い発想力だね、極力魔力消費を抑える為の…いや、もはや魔法に頼らず勝つ為の武器に見て取れるけど」


「流石商人の跡取り!目の付け所と推測が鋭いな」


俺の拙い説明で機能、用途、目的を的確に理解している。そう言えば空間の理解から応用までが早かったよな。


「でも構造上連射が課題になるねコレ、1発の威力は高いけど飛びながらコレを装填するなら弓矢の方がまだマシかな?」


いや、おっしゃる通りなのよ。でもね連射は


「連射に出来なくも無さそうだけど著しく威力が落ちそうだね」


いやそうなのよ。何か無いかな〜・・・いやまぁ有るっちゃ有るんだけど…モノは試しだ、言うだけ言ってみるか。


俺は禁断の知識を紙に書き記した。地球上で最も多く人を殺した武器、最も多くの動物を絶滅に追いやった兵器、そう【銃】だ。


流石に近代的なオートマチックやレールガンは無理として、100〜150年程前の銃なら作れそうな気がする、ウィンチェスターとかシンプルなリボルバーとか…


「あっ!!!」

大声を出したのは俺だ、突然思い付いてしまったからだ。当然イーヨは驚いている。


「なに?どうしたの?」


「コレに剣を足したガンブレイバーが昔からの夢なんだよ! 夢!」

こっち(異世界)に来るまですっかり子供心を忘れていたがここは新たな世界!今こそ封印された俺の中の中2を解放する時だろう。俺は嬉々として夢を紙に書き記した。



「・・・この火薬ってヤツに代わるエネルギーが必要だね、後はこの衝撃に耐えうる金属か…課題は多いけど不可能では無いと思うよ!」



翌日からガンブレイバーの実験が始まった。先ずは代替エネルギーの確保から始まった。弾丸の威力を出すために試行錯誤繰り返し、その答えは意外なところにあった。


俺の【黒炎】だ。普通に火力エネルギーだしなんでパッと思い付かなかったんだろう?コレが灯台下暗しってヤツだな。しかもデバフ付きと来たもんだ。


次に耐久実験をスタート。銅に始まり青銅、鉄、鋼鉄、黒鉄、合金などいくつか候補は上がったが1番の問題はバレット部分と刃の兼用部分だ。どうしてもこの世界の技術的に刃とバレットの一体化は難しい。特にバレット部分は言わずもがな弾丸を発射するデリケートな部分なので少しの歪みも許されない。取り敢えず試作品を何個か作ってみてまた課題を見つけようと言うことになった。



イーヨから4〜5日程潜ると言われた。潜ると言うのは試作品開発の研究に没頭すると言う意味だ。その間手持ち無沙汰なので支部に行って何かヒントを探してみることにした。



——支部——

「なるほど、でしたら【魔剣】など良いかもしれませんね」


魔剣!なんだかステキな響き♡

俺の中の中2が騒ぎ出す


「魔剣って何処に有るんですか?」

「ダンジョンですね、軽くて丈夫な魔剣は…確か」


「支部長、此処ですね」

メリッサさんが地図を持ってきて示してくれた場所はドラゴニア帝国と西のカルデモ共和国の間に有る古代の遺跡群が眠る地、ドラゴニア寄りに有るミストニア大森林の端っこだった。



「ふむ、翔平様の翼ですと3時間ちょいと言った所でしょうか?」

普通なら恐らく7〜8日かかりそうな道程だ。障害物や魔獣とのエンカウントを全て無視、勿論地形効果も無視、文字通り最短で真っ直ぐ行けてしまう、ほんと空を飛べるって最強。


しかも教団のミストニア東支部らしく正社員用の出入り口を教えてもらい暗証番号も貰った。遺跡

ダンジョン攻略が初めてのおつかいまで難易度が下がった。


支部を出て近くの高い木に上がり方角を調べる。


「ふぅ!」


短く息を吐きそのまま前へ倒れ込む。


少し加速して勢いが付いた所で… バサッ!!


同時に魔法を使い翼に風を当ててやり一気に前方へ加速する。


そのまま上昇気流を探して風に乗り上へ上へと旋回しながら上がっていく。



「さっむ!!」 


夏前だと言うのに上空は結構寒い、しかも雲に触れた瞬間ちょっと濡れるのでなるべく雲は避けている、上空有る有るだよねw


目的の方角に流れる気流を見つけ流れに翼を預けると後は風が俺を運んでくれる。約3時間の空の旅を楽しんだ。




——ミストニア東部遺跡群——

本当に遺跡が多い。さらに奥はカルデモ共和国領で複数の国が集まり国家を形成している珍しい国だ。主要産業はこの遺跡ダンジョンに眠るお宝、つまりダンジョンそのものが資源として使われ成り立っているらしい。種族も信仰もかなり多種多様らしく王も3人いるらしい。此処に来る冒険者や傭兵を当てこんで成り立つ様々なサービスはラスベガスに近い。ちょっと寄り道もしたいが今は早く魔剣を手に入れたいのでガマンガマン…



「おっ、アレかな?」

大森林の中で一際目立つ尖った岩肌、その麓に遺跡(支部)がある。


と言うか結構人が多いな、いやかなり多いぞ?なんか喫煙所くらい人がワラワラと…良くみると屋台とか簡易的な宿まである、宿といっても仮説テントだが野宿の常連者の意見としては十分と言える。


空の長旅を終え地上に降り立つ。ゴール地点をちょっと散策、コレくらいなら寄り道に入らないと言う謎の俺ルールを起用し屋台の串肉やフルーツを堪能する。


「ほぉ〜いいなぁ〜」

観光気分でアチコチ見て回るがとにかく活気が凄い、様々なダンジョン産のアイテムがその場で売り買いされ見た事無いアイテムが並ぶ。これは思わず財布のヒモが…いかんいかん!


100円ショップより引力が強い屋台を後に遺跡の裏に回る。辺りを見まわし人が居ないのを確認して隠し扉の中へ、台座の暗証番号7777っと


ブゥン  


ドラゴニア支部とはまた違う派手な作りの事務所、そのソファに腰掛けると対面のソファの後ろから獅子の顔を持った紳士が現れた。

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