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お客様、ご提案で御座いますね?

———食堂———


「遠回しな告白? 嘘だろ?」

この前のアイリーンの一件をガヤルドに聞いている。彼曰く「気になる男にウザ絡みしてアピールする女子」だそうだ。しかも変な勘違いフェミニストじゃ無くてこの1年間で本気で自分より強い男が居なかった、本当に自分の方が頭が良いから合理的に使ってあげる、もし私に勝てるなら証明して♡


と言うのがガヤルドの解釈らしい、何とも漢らしい考え方だが一歩間違えば…とは言うものの、そもそも司法が地球とはかなり異なるし人権の概念が無いから大した問題にはならないのか。


【勝者と強者にのみ権利が有る】これがこの世界での正しい解釈だ。しかし先日アイリーンが言ってた様に【男】の価値は本当に低い。勿論強い男には価値が有るが、女は子を産める上に魔力は基本的に女の方が多いなど戦闘面に置いても【魔法】で戦うなら男と互角かそれ以上な事が多い。故に男は【ポーン()】としての価値が有り、強い男は【騎士(ナイト)】とか【(キング)】の様な価値が出る。

そして女は【財宝】として扱われ宝石と同じ価値とされる。



「ご主人様おはようございます。 ショウ、ランボおはよう」

そこへ渦中の人アイリーンがやって来た。ここは一つ気になる答え合わせをしてみようと思う。勿論ガヤルドの考えでは無く「俺が思うに〜」で話を切り出す。



「その通りよ。貴方バカな様で意外と分かってるのね?少し見直したわ」

驚いた、つまりはガヤルドがオール百点満点って事になる。これで見直したと褒められてもカンニングで100点を取った様な気分で全く喜べない。


マジで分からん、女心は。



——遺跡付近の森——

別に支部には行かないがこの辺りはよく魔獣が出るのでお気に入りの場所だ。後、万が一怪我をしてもすぐに逃げ込めるので何と無く安心感が有る。しかしこの1年間でようやく自分のスタイルが確立するかなと思った矢先にスランプと言うか壁にぶち当たっている。


と、言うのも近接戦闘、白兵戦が苦手と言うか弱い。翼が有るのだからわざわざ降りて戦う必要は無いが屋外ばかりとは限らない。室内、洞窟、ダンジョン、もしかしたら翼を封じられるなど数え上げればシチュエーションは数限りない。短い手槍も使い勝手はいいが結局1メートル以内に近づかなければ仕留めれない。色々試したが実は弓矢の方が戦略的に幅が広く、翼を使う戦闘には1番向いていた。制空権を取ると圧倒的有利に立ち一方的に戦局をコントロール出来る。


問題は弓矢が下手、かさばる、矢に限りが有る、これらは致命的だ。


しかしそれでも翼と弓矢はそれらの弱点を補って有り余る程に圧倒的だ。悩ましい…


重いのはNG、大きいのも長いのもNG、出来れば片手で扱えてかつ中距離か遠距離で攻撃出来て最悪白兵戦にも対応出来る武器…んなモン有るかいな!


まぁ1番要望を満たしているのは多分ボーガンなんだけど、アレは白兵戦は無理だから大きめのナイフ常備か、それは良いんだけどそもそもこの世界にはボーガンが無いw

飛び道具は魔法の方が遥かに優れているから飛び道具は槍か弓矢のみで石を投げるスリングすら無い。何故ならバレットストーンと言う魔法があるからだ。


俺の炎魔法も飛び道具だがお恥ずかしい話そこまで飛距離が無い。 さて、どうしたもんか…




——ガヤルドチーム——

普通より少し背丈の低い小男のランボは軽めの両手斧で素早く飛び回り【削る】様な攻撃を繰り出していた。

セクシーブランドのアイリーンはデバフと戦局把握が担当、状況や相手の特性を見極め的確なデバフや投げナイフで敵の足を引っ張りそこへランボが突っ込んで行って場を引っ掻き回す。少しでも疲れや隙を見せたりランボに気を取られるとガヤルドの強烈な一撃が敵の脳天をかち割りガヤルドの武器もろとも頭部を吹き飛ばした。 もはや完璧と言えるフォーメーションが出来上がりつつあった。勿論改善の余地がまだまだある事はチームの頭脳であるアイリーンがよく理解している。改善の余地、つまりそれは伸び代と言う事も彼女はよく理解している。この3人はチーム戦に置いてはダントツトップの成績を走っていた。



「それじゃあこれお願いね」


仕留めたフォレストエイプを3人の男が荷車に積み込む。この3人はアイリーンが勧誘し新たに従属契約を交わした僕達(しもべたち)だ。 ガヤルドの直径として隷属契約をしているアイリーンの働きはガヤルドの実績となり、彼等はガヤルドの僕達となる。 僕達はガヤルドに新たな武器を手渡す。オーガ族が使う様な大きな武器。それを2〜3回軽く振って具合を確かめ背中に収める。ガヤルドは武器に拘らない。どうせ直ぐに壊れるからだ。彼の剛力に耐えられる武器はそうそう無いだろう。





———イーヨの部屋———

「水臭いなぁ〜、もっと早く相談してくれたら良かったのに」


どうにも煮詰まってイーヨに相談しに来た。アレからイーヨは空間魔法の研究に取り組みオリジナル魔法の開発に成功している。古文書や古い文献からアイテムボックスは割と知られていて、やはり王宮や高官に囲われる傾向に有るので詳しい情報は隠蔽されていた。断片的な情報と俺のオタクとしての知識を総動員し何とか開発に漕ぎ着けた。


右のポケットで使う【ポケットミミック】(真空の空間)

左のポケットで使う【トレジャーボックス】(ただの空間)


ポケットに入るなら長い物でもOKで、食べ物なら真空の方に入れておけばかなり長持ちする。トレジャーボックスと名付けたが普通のアイテムボックスだ。 まぁネーミングが気にいると言うのは大事な要素でもある。



「で、ショウ君が言ってたボーガンってどんな武器?」


一縷の望みを託す様に俺はペンを走らせた。

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