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第一章 大倭の栄光

三輪山の麓、初瀬川の水面に映る光は、まるで神々の物語を囁くかのようだ。奈良県桜井市、その聖なる地に広がる山々は、古来より人々の祈りと歴史を静かに見守ってきた。この「三輪の湖光」は、日本神話の息吹を背景に、紀元前300年頃の大倭と耶靡堆国の時代から始まる壮大な物語である。愛と犠牲、争いと和解を通じて、耶馬臺国という新たな国の誕生を描いた。三輪山は、大神神社が鎮座する神々の座であり、約1200年前に三輪そうめんの起源を生んだとされる聖地だ。また、日本最古の市場「海柘榴市」の伝説が、この地の交易と活気を物語る。この物語は、そんな三輪の歴史と風景に根ざし、素戔嗚の慟哭、饒速日の志、櫛玉姫や活玉依姫の気高さを織り交ぜた。登場人物たちは、湖の畔で自らの運命と向き合い、神々の意志に導かれながら新たな未来を切り開く。私は、三輪山平等寺の次男として生まれ、幼い頃からこの地の神話と歴史に魅せられてきた。初瀬川のせせらぎや、夕陽に染まる湖の美しさは、物語の情景を形作る原点となった。読者の皆様には、この物語を通じて、三輪の湖光に映る人間の心の揺れと、神々の試練を乗り越える希望を感じていただければ幸いである。さあ、湖の畔で繰り広げられる神話の旅へ、共に歩みを進めよう。千田寛仁

2025年7月12日

桜井市にて




  水乞山の祝詞


 岩手県北上川流域、臥牛の水乞山。紀元前300年頃、大倭日高見国は豊かな米の収穫に恵まれていた。国民配当として全ての民に米が支給され、人寿は長く、国は安泰だった。


 神山の頂で、祭司が詞を高らかに唱える。


 「神々の加護を! 大倭は永遠に栄える!」


 祭司の声が山に響く。


 「米が我々を結ぶ! 子々孫々、繁栄を!」民が一斉に応えた。


 王は岩座に立ち、微笑む。

 「この平和は神々の賜物。民よ、感謝せよ。」


 側近の老臣が囁く。「王よ、飛騨の耶靡堆国が力を増している。交易は増えたが…警戒を。」


 王は静かに答える。「争いは無用だ。民の幸せこそ我が志。耶靡堆とも語り合おう。」


 山麓の民の一人がつぶやく。「耶靡堆は米を真似してるらしい。負けられぬな!」


  耶靡堆の誓い


 石川県金沢市、耶靡堆国。初代王、耶靡堆日子やまとひこは、神山を三輪山と命名し、民を集めた。山頂の岩に立ち、力強く宣言する。

「この三輪山は神の座! 耶靡堆は大倭を超え、新たな時代を築く!」

 臣下の一人が問う。

「王よ、米の配当は大倭の真似か?」

耶靡堆日子は目を細める。「否!我らは独自の道を行く。中国の蔑称、邪馬台など認めぬ!」


 若者が民の中で囁く。「大倭との交易、増やせば我が国も安泰なのに…。」


 耶靡堆日子は続ける。


「民よ、力を合わせよ! 三輪山の神が我々を見守る!」


 女官が微笑む。「王の志、素晴らしい! 耶靡堆の名は後世に響くわ。」

 民は歓声を上げた。「耶靡堆万年! 三輪山に栄光を!」


  飛騨の出会い


 飛騨高山、耶靡堆国の都。大倭の皇子、伊弉諾尊いざなぎのみことが使者として訪れ、耶靡堆の皇女、伊弉冉尊いざなみのみことと対面する。川辺の神籬ひもろぎで二人は語らう。


「伊弉冉、そなたの瞳は星のようだ。一つになれば、両国は強くなる」と伊弉諾が手を差し出す。


 伊弉冉は頬を染め、答える。「伊弉諾殿、大倭と耶靡堆が結ばれれば、民は幸せに。」


 老女官がそっと言う。


 「この縁は神々の意志。子が生まれたら、国はさらに栄えるよ。」


 伊弉諾は笑う。

「我々の子は神々の子だ。共に未来を築こう、伊弉冉!」

 二人の婚儀は盛大に行われ、飛騨の民が祝福した。


 「神々の子が生まれるぞ!」

 

 若者が酒を酌み交わし叫ぶ。


「大倭と耶靡堆、永遠の盟友に!」


  神々の子


 婚儀から数年、二人の間に長女大日孁貴おおひるめむち長男月読つくよみ次男素戔嗚すさのおが誕生。宮殿の庭で、伊弉冉が子らを抱く。

 「大日孁貴、月読、素戔嗚、そなたらは神々の子。この国を導くのよ」と伊弉冉が優しく語る。

 大日孁貴は幼い声で答える。

 「母上、私、強くなる!」


 月読が笑う。

 「僕もだ! 父上みたいに!」


 素戔嗚は母の膝でつぶやく。「僕、みんなを守るよ…。」


 伊弉諾が笑顔で言う。「我が子らは国の希望だ。飛騨の地に栄光を!」


 女官が囁く。「この子ら、きっと大倭と耶靡堆を一つにするわ。」


  災厄の兆し


 紀元前250年、飛騨の都に異変が。夜

、宮殿が揺れ、地震が民を恐怖に陥れる。伊弉諾は高木神を呼び、問う。

 「これは神々の怒りか? 高木神、助言を!」

 高木神は静かに答える。

 「この地は呪われたかもしれぬ。民を守るため、遷都を考えるべきだ。」


 伊弉冉が不安げに問う。


「どこへ行けば良い? 民をどう導く?」


 高木神は遠くを見据え、


 「大和盆地だ。湖の地だが、三嶋湟咋が水を導いている。あそこに未来がある。」

臣下が疑問を呈す。


 「湖の地に都を? 本当に住めるのか?」

 高木神は力強く答えた。

「神々の意志だ。民を信じ、進め!」

 民の一人がつぶやく。

 「飛騨を捨てるなんて…でも、王に従うしかないか。」


  高天原の会議


 飛騨の神殿、高天原。諸王が集まり、遷都を議論する。伊弉諾が声を上げる。

「8万4000人を動かすのだ! 準備を急げ!」

 一人の王が反対する。「大和は湖だ。住めるのか? 飛騨を捨てるのは無謀だ!」


 高木神が諭す。「三嶋湟咋が湖の水を海へ導いている。彼を頼れば、都は築ける。」

 伊弉冉が民に訴える。

 「神々が我々を見守る! 共に新天地へ歩もう!」

 若者が叫ぶ。「王の命なら、どこへでも行くぜ!」

会議は夜更けまで続き、ついに大和への遷都が決まった。「大和で新たな国を!」民の声が響いた。



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