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8月の合宿、君と乗り越える試練の日


8月中旬、3泊4日のサッカー部の合宿は3日目に突入した。練習は日を追うごとに激しさを増し、新チームとしての団結力が試される時期を迎えていた。1日目と2日目の夜に深い絆を築いた蒼人と空は、部屋での親密な時間を心に秘めながらも、チームの一員として責任を果たそうとしていた。しかし、この日、役割分担や2年生との衝突が二人の関係に新たな試練をもたらした。3年生は中体連後に引退し、2年生が新チームのリーダーシップを担っていた。



3日目の朝、早朝練習が始まった。顧問の田中先生が「今日から本格的な紅白戦だ。役割を決めて、チームを引っ張れ!」と宣言し、部員たちは緊張感を持ってグラウンドに集まった。蒼人と空は1年生ながら中盤での活躍が期待され、スタメン候補に挙がっていた。


しかし、2年生のリーダーである山田が不満を漏らした。

「山田:1年がスタメン? 俺たちが新チームを引っ張るって決めたのに、星野(空)とか山崎(蒼人)じゃまだ頼りないだろ」


空が反論しようとしたが、蒼人は「ソラ、黙ってて」と止めた。

「ア:…ソラ、俺たち、まだ実力不足かもしれない。頑張らないと…」


「ソ:アオ、でも…俺ら、練習してきただろ? あいつらに負ける気はないよ」


空の言葉に、蒼人は頷いたが、2年生たちの視線が重く感じられた。紅白戦が始まると、蒼人はパスミスを連発し、空も焦ってシュートを外した。山田が「ほら、やっぱり1年じゃ無理だ」と嘲笑う声が響き、チームの空気がピリピリした。



昼食後、自由時間に二人は部屋に戻った。蒼人はベッドに座り、俯いてしまった。

「ア:…ソラ、俺、今日はダメだった。ミスばっかりで…ソラまで迷惑かけて」


「ソ:アオ、そんなことないよ! 俺だってミスしたし…でも、アオが落ち込むの、見てられないよ」

空が蒼人の隣に座り、肩に手を置いた。


蒼人は空の温もりに少し安心したが、心の重さが消えなかった。

「ア:…ソラ、俺、合宿に来て…ソラと近づけたのは嬉しいけど、チームのこと、ちゃんとできない自分が嫌だ…」


「ソ:アオ、俺もだよ。でも、俺ら一緒なら…乗り越えられるだろ? 昨夜のこと、覚えてるだろ?」

空が微笑むと、蒼人の顔が赤くなった。


昨夜、互いの体を触れ合い、初めての感覚を共有した記憶が蘇った。

「ア:…ソラ、うん…覚えてる。ソラと一緒なら…頑張れるかも」


「ソ:だろ? アオ、俺がそばにいるから、自信持てよ」

空が蒼人の手を握り、そっと引き寄せた。


二人の唇が軽く触れ、蒼人は目を閉じてその感触に浸った。

「ア:…ソラ、気持ちいい…でも、チームのこと…」


「ソ:アオ、練習頑張ろう。今日の夜、また…話そうよ」

蒼人は頷き、二人は再びグラウンドへ向かった。



午後の紅白戦では、蒼人と空は意を決してプレーした。空がボールを奪い、蒼人にパスを送ると、蒼人は初めてシュートを決めた。


「ア:ソラ、ナイスパス! やった…!」


「ソ:アオ、すごい! 俺ら、できるじゃん!」


チームメイトが拍手し、山田も渋々「ま、悪くないな」と認めた。

しかし、試合後、山田が蒼人に近づき、苛立ちをぶつけた。

「山田:お前、運が良かっただけだ。1年が調子に乗るなよ。俺たちがチームを引っ張るんだ」


蒼人は言葉に詰まり、空が前に出た。

「ソ:山田先輩、アオに失礼だろ! 俺ら、チームのためにやってるんだから!」


「山田:何? 1年が生意気だな…」


空と山田の間で緊張が高まり、田中先生が仲裁に入った。「全員、冷静になれ! チームワークが大事だ」と叱責され、練習は中止に。蒼人は空の手を握り、グラウンドを後にした。


「ア:…ソラ、ごめん。俺のせいで…」


「ソ:アオ、謝るな。俺、アオを守りたいからさ。…部屋で落ち着こう」



夜、二人は再び部屋に戻った。シャワーを浴び、Tシャツと短パン姿でベッドに座った。空が蒼人の肩に寄りかかり、静かに話しかけた。

「ソ:アオ、今日大変だったな…でも、俺、アオと一緒なら何でも乗り越えられるよ」


「ア:…ソラ、ありがとう。ソラがそばにいてくれるから、頑張れた。…ソラ、また触ってもいい?」


「ソ:うん、アオ…俺も」

蒼人が空のTシャツを脱がせ、胸に手を置いた。


空も蒼人の服を脱ぎ、二人は裸で向き合った。

「ア:…ソラの体、あったかい…」


「ソ:アオも…俺、アオのこと、もっと感じたい…」

空が蒼人の首筋に唇を寄せ、蒼人は小さく喘いだ。


空の手が蒼人の腰に下り、短パンの中に入った。

「ア:…ソラ、そこ…また…硬くなってる…」


「ソ:アオ、俺も…アオに触られて…我慢できない…」

二人は互いの股間を優しく触り、喘ぎ声が部屋に響いた。性的な高ぶりが高まり、蒼人は空の肩に顔を埋めた。


「ア:…ソラ、気持ちいい…愛してる…」


「ソ:アオ…俺も、愛してるよ…」


二人は抱き合い、互いの体を震わせながら静かになった。しかし、合宿最終日にチームの結論が出るプレッシャーが、二人の心に影を落としていた。



翌朝、4日目の練習が始まる前、蒼人は空とグラウンドの端で話した。

「ア:…ソラ、今日で合宿終わりだね。チームのこと、ちゃんと決めないと…2年生がどう思うか、怖いよ」


「ソ:うん、アオ。俺ら、頑張って認められよう。山田先輩のこともあるけど…アオと一緒なら、絶対大丈夫だよ」


「ア:うん、ソラ。俺、ソラと一緒なら…」


二人の視線が合い、互いに力を与え合った。合宿最終日、チームの役割分担と絆が試される中、二人の未来はまだ不透明だった。



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