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人質人材派遣派遣株式会社  作者: なかじまこはな
人質人材派遣
24/35

まじめな仕事2

「いえ、あの…東区って」


「また、言った」


ツッチーさんがまた笑う。


「東区は同じ会社だけどリーダーが違うんだ…ウチはキム兄さん」


「えっ?キム兄が社長じゃないの?」


トミーさんの言葉に僕は驚く。


てっきりキム兄があの変な会社の社長だと思ってたから。


「違うよ、キム兄さんは博多区のリーダー」


「区で別れてるんですか?」


「う~ん、そう言う訳ではないんだけど、ただ営業所が博多区と東区にあって、キム兄さんだけでは手が回らないから、別のリーダーが居るんだ」


へぇ~と思った。


「ただね、リーダー同士あまり仲良くないからさ、僕たちまでなんか向こうには負けたくないってなってるんだ…それに半年にこなした仕事内容でバイト料も変わるし」


「えっ?更に貰えるんですか?」


「貰える、かなりね」


ツッチーさんがニヤリと笑う。


確かにツッチーさんはブランド品を沢山身につけてるもんなぁ。


「東区のリーダーってどんな人?」


「デカイし、迫力あるよ…でもリーダーよりも腰ぎんちゃくみたいな奴らが嫌な奴」


デカイ…迫力…キム兄以外にデカイ人が!



◆◆◆


色んな話をして皆と別れた。久しぶりに長く友人と話した感じがする。


僕は大人しい方で、つるむという事はしない。別に友人が居ないとかじゃなく、ただ…しないだけ。


久しぶりに話して夜の道を一人歩く。田舎に居る時もよく自転車で夜中の散歩していた…。


まあ…その度にお巡りさんに補導されたり…自転車泥棒と間違われたりしたけどさ。


都会に来てからは夜中出る暇がない…星が見えないせいもあるけど…本音は、都会は物騒だから。


ふと…目にパトカーが映った。


なんか…嫌な予感…足を早めた。


「ねぇ、君…」


案の定…声をかけられる。


最悪…。





◆◆◆◆



ピピピッ



アラームの音?


携帯を手にするとメール。


名前を見て跳び起きた。フラれた彼女の名前。


彼女からのメール…わあぁ…!!ドキドキした。


なんでメール?ドキドキした指で彼女の名前をクリックした。


メールには…今日食堂に来て…相談があるの…と書いてあった。


未練がましい?


それが何か?


◆◆◆



約束の時間…食堂に僕は居た。


未練がましいとか言われてもいい。


相談に乗ってって言われたら乗るしかないじゃん?…って、誰に言い訳してるんだよ…僕。





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