やっつけ仕事4
「そうだね、呼ぼうか~シラ切ってるし」
女子高生はニヤニヤと笑う。
僕の出方を見ているようだ。
調度、駅員が騒ぎを聞き付けてやって来た。
「どうしました?」
駅員が二人、こちらに来る。
「コイツが私のスカートの中見たんです」
女子高生は僕を指差してそう叫んだ。
もう、このバカ女!と叫べるものなら叫びたかった。
「見てないですよ、リュックを拾っただけです」
僕は駅員に必死で弁解する。
でも、4対1だし…
明らかに僕が不利だ。
駅員は僕の言い訳に怪訝そうな顔をしてるし。
駅員さん…貴方も僕が可愛くもない女子高生のパンツを見たと思ってるのですね…。
大人なんか嫌いだぁぁ。
女子高生はニヤニヤ笑っている。
それが余計に腹が立つ。
そして、上手く弁解出来ない自分と、見て見ぬ振りしてる通り過ぎる人達に腹が立つ。
「とりあえず、場所変えようか」
駅員さんの言葉で、その場の雰囲気は僕がパンツを見たと決定されたように思えた。
そんな~この世に正義なんてナイ…
泣きそうになった瞬間に。
女子高生のスカートがめくれる。
それは見事に行き交う人達の目に女子高生のピンクのパンツが映った。
もちろん駅員さんにも。
「きゃー」
女子高生は慌ててスカートを押さえた。
「パンツ見られたとか騒ぐけん、どがんパンツかと思ったら普通…って言うより寧ろお金払って貰いたいちゃが」
女子高生の後ろからそう聞こえ、その声の主を見ると、
マミさん!
マミさんが女子高生のスカートをめくったようだった。
「何すんだよ」
女子高生がマミさんに凄む。
あぁ…世間知らず。
違う、命知らずか…
「スカートめくったったい文句ある?」
マミさんは凄み返した。
「ふざけんな」
女子高生は友人が居るせいか、かなり強気だ。
「はぁ?ふざけてんのはアンタらやろ?こんな混み合う場所で騒いでからバカじゃなかと?パンツ見られたくなかったらスカート長くするかいっそノーパンで出歩けばよかやん、アホくさ」
マミさん…素敵です!
女子高生はマミさんの迫力に呑まれたようで言葉を失った。
「金払いよ、汚いパンツ見せたっちゃけん」
マミさんは女子高生に片手を出す。
掌に金を乗せろとアピール。