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憑いていきます  作者: 麻本
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第五・五話

ここ数週間、茉莉奈さんは現れない。

俺はこの機会に、今までを振り返る事にした。

先ずは茉莉奈と出会ったのが、永北町の保養施設からだった。

特に調べもしなかった俺が悪いんだが、保養施設は休館していて、でも、何かを残そうと

展望台に登って写真を撮った。

その中で、思いがけない事が起きちまった。

持ち帰ったカメラから、その時に撮った写真を閲覧していた時に、そのカメラから、霊である茉莉奈に、憑りつかれてしまったのだ。

実際、写真を撮るとか、何気ない事のハズなのにだ。

俺は茉莉奈の成仏の為に、他の幽霊を成仏させるという手伝いをなんやかんやですることになった。

俺もどんだけ人がいいんだか。

そして最初に除霊の手伝いをしたのは白兎神社の霊。

俺にとっては「除霊」が初めてで、それこそ右も左も分からないまま、手伝ったんだよな。

霊の種類?が、俺の集めた情報とは違くって。

その結果、失敗だったけれど。

そして次は金砂山ダムの霊だった。

あるSNSで有名になった景勝地の程近くにあって、ずっと前から最凶とも恐れられたあの場所の霊には正直ビビった。

何よりも、恋人と心中したと言う女の霊よりも昔の人の。特に武者の霊の怨念ときたら。しつこいし、その数が多すぎるくらいでさ。

茉莉奈さんだって、対処出来なかったんだしよ?

でも、あの時はよく、逃げれたよな。

後日、体に異常をきたすなんてのも無かったし。

噂では、一度憑かれると、霊が離れても二日もしない内に病気で寝込んだり、事故にあったりとかだったもんな。

あっ、でも、俺も憑かれた直後にめちゃくちゃ気分悪くなったんだっけ。

それと、この時に、茉莉奈さんに「清めの塩」は効果がないの知って、不思議に思ったんだった。

それから、仁美櫓神社での事だ。

ちゃんとした神社であり、しっかりと供養とか法要とかしているみたいで、霊らしい霊は居なかった訳だけれど、何故、心霊スポットと言われる様になってしまったかの真相が聞けたんだったな。

それと、あそこの神主さんが俺に「黒い瘴気が憑りついている」と言ったんだよな。

それでその時、茉莉奈さんが近くにいたもんだから、茉莉奈さんという霊がただの霊ではないという疑問が生じたんだ。

地縛霊では無いだろうし、浮遊霊・・・なんだろうけれど、それとも何か違う様な気がして成らない。

最も、良い霊、悪い霊の定義なんて物が例えあったとしても俺は知らないし、分からない。

だからなのか、余計に、茉莉奈さんから発していたらしい黒い瘴気が見えて、怯えていた神主さんの行動から、茉莉奈さんの正体が気になって仕方がない。

普通に考えて黒い瘴気と言うのは不吉を意味するのだけれど、今までの茉莉奈さんの行動を考えるに、悪い霊には見えないんだよな。

しかし、何人かの幽霊?を成仏させた所でやっと俺にも疑問が湧いた。

それは、人数に関係なく、茉莉奈の本当の、成仏への願いを聞いて、それを叶えれば茉莉奈だって早々に成仏出来るんじゃないかって事だ。

でも、出来ないんだよ。何でだろ-?


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