そうだん
少し落ち着いたから、かなたくんに話そうとした。でも、もしあの黒い影が敵だったら私もその仲間ってことになるのかな・・・。そうしたら、話したところで自分が敵となってしまう。みんなを裏切ってしまう・・・?なんか、話すのが怖くなってきた。考えると考える分だけの不の感情がでてきているみたいだ。
「おい、もう話せるか?」
どうしよう。どうしよう。話したい、けど私はもしかしたら敵かもしれない。
「あぁ、えっとね(笑)帰ってたら、知らない人に声かけられて連れて行かれそうになったの。それが怖くて・・・」
嘘をついた。やっぱり自分は敵だなんて言えない。言えるはずがない。
「なんだよ。そんなんで泣きじゃくってくんなよ。うわぁ、制服汚れた」
「うん。。。ごめんね」
私は下を向いて手を握り締めていた。
「・・・。少し言い過ぎた。これから、一緒にかえるか?」
「え?」
「だって、怖かったんだろ?男が一人ついてれば問題ない。」
結局、一緒に帰ることになった。うれしい。かなたくんってやさしいのかも。
「かなたくんってやさしいんだね!」
「・・・っつかさ、呼び捨てで呼べよ。」
「は?」
「お前に呼ばれるなら、そっちの方がしっくりくる」
「なにそれどういう事!?」
「深い意味はねぇよ」
かなた・・・呼べるかな・・・。なんか、心を開いてくれてる気がする。これも進歩かな?