これって・・・?
新入部員歓迎パーティーでは、特にすることがなかったので謎部のことについて小出くんに質問しまくっていた。どうやら、小出くん自体も勢いで作ってしまったため、何をするか決めていないらしい。これにはビックリした。なんで、こんな事しちゃったの・・・。なので、みんなで部の方針を決めることにした。何する・・・?これといってやりたい事もないし。でも、楽しい事・・・。教室がシーンとなり、みんなが煮え切ってるとき・・
「学校の手伝いとか、地域のボランティアとかする部はどうですか?」
かぐやが、こんな案をだした。面倒くさいかんじだなぁ。学校の手伝いって、先生の雑用とかだろうか?
「かぐや、学校の手伝いって?」
「学校の手伝いというよりは、生徒会などのお手伝いです。学園祭の準備や各活動のサポートなど、いろいろな体験ができて楽しいと思いますよ」
悪くないと思うが、実際やってみると面倒くさいんだろう。現に、かなたくんの顔が全力でかぐやの案を否定してる。かなたくんの気持ちは痛いほどわかるよ。でも、他に案がでない。
「いいんじゃないでしょうか?桜井さんの案で」
小出くんが賛成した。ちょっと、このままだとまずい・・・。かなたくん案だしてよっ!というような視線を送る。かなたくんの方も私に同じような視線を送っていた。
「お二人はどうですか?」
小出くんに聞かれた。嫌だといえない・・・。言いたい。けど言えない・・・。しょうがないので、私とかなたくんも賛成し部の方針は決定した。こういう時に弱いよなぁ。私。次は、部の名前だ。
「サポート部なんてどうかな??」
私はパッと思い浮かんだ名前を口に出した。ストレートすぎるかな(笑)でも、みんなの評価は好評だ。
「つばき、ナイスアイディアです!」
褒められると素直にうれしい。みんなも賛成してくれたので、部の名前は「サポート部」で決定!
そろそろ下校の時間にもなるので、解散した。帰り道、私は「力」についてやっぱり考えた。全然使わないし、何のためにあるんだろう。でも、やっぱり意味があるんだろうか?いや、ないから考えてるんだけど・・・(笑)考えながら歩いていると、遠くの方で叫び声が聞こえた。そっちを見ると、黒い影みたいなものが、あらゆる人の前をすごい速さで通っている。
「なに、あれ・・・」
私は、ただ見ていた。目も追いつかない速さだが、できる限り見失わないように。影は、どんどん自分の方にも近づいてきている。私はとっさに逃げた。何があるというわけでもないが、とにかく逃げた。嫌な予感が一瞬にして全身をはしったからだ。私は橋の下に逃げ込み、さっきの光景を思い浮かべる。黒い影・・・。あれは、なんだ?すると、橋のすぐ上で叫び声が聞こえた。私の体がビクッと反応する。私はできるだけ見つからないように息をひそめ、顔を体にうずめた。まだ、まだ上にいる。はやくどっか行ってよ・・。そう、願いながら目をつぶっていると
「みぃつけた」
え・・・?近くで声が聞こえる。私の前にいるの?顔をあげると、そこには黒いなにかがいた。それは、頭からつま先まで、長いコートのようなものを着ていて、顔はハッキリ確認することができない。
「お前が、我らの次期クイーンか。ようやく見つけたぞ。」
クイーン?王女のこと?なに、なにを言ってるかさっぱりわからない。
「クイーン?どういうこと・・・?」
「またいつか、お前を迎えにくる。」
黒い影は私の質問にも答えず、姿を消した。怖い。ものすごく怖い。私は、どうすればいいの?とにかく誰かに会いたい。学校・・、そうだ学校に行けば会える。私は、無我夢中で走った。思い出したくない。さっきのことを。はやく、はやく会いたい。もっと、はやく走れないのだろうか。学校につくと、靴も変えず、教室を目指した。教室につくと、思っていた通りそこにはかなたくんの姿。
「かなたくんっ」
息切れがすごい。そのせいか、か細い声を出していた。
「つばき・・?どうしてここに・・・?」
私は、かなたくんのもとへ走って飛び込む。
「お、おい!どうしたんだよ?」
「怖い、怖かったの。あえてよかった!!本当によかった!!もう、どうしようかと思った!!」
涙があふれる。一気に緊張がほどけたのだろうか。私は、かなたくんのシャツをあとがつくくらいつかんでいた。
「つばき・・・?落ち着け、つばき。何があったんだ?」
そうだ、言わなきゃ。伝えなきゃ。今さっきのことを。
未畑秋緒です。最後まで読んできただき、ありがとうございます。小説の名前の件なんですが、「日常あるいは非日常で使う力」から「力の使用率」に変更しました。途中で題名変えれるとか、このサイト様はありがたいです。物語の中では、進展が見えましたね。黒い影は敵なのか違うのか・・・。作者もまだきめてませんw
これからも、「力の使用率」をよろしくお願いします。