裏と表
つばきが教室に帰ってしまい、その場にはかなたとゆうがが残った。
「あのさぁ、細井。お前はいつから力を持った?」
ゆうがは気になっていた。結界なんて、どうやって分かるんだ?そんなに、目立たない力だし。
「中2だ。体育の時間に俺の方にボールが飛んできたんだ。俺はそれに気づいてなかったから、クラスメートが注意してくれたんだけど、反応できるわけがない。そして、ボールが当たりそうなとき、俺の近くでなぜかしらそのボールが跳ね返ったんだよ。それで気づいたってわけ。見てたやつは、5,6人程度だったから、助かったけどね。ゆうがはいつ気づいたんだ?」
「俺は、中1だ。パソコンの授業の時にな、使ってたらいきなりパソコン壊れちまって(笑)あれはびっくりしたなぁ~。それから、電気機器に触るとなんでも壊れちまうんだぜ?それで気づいたんだ。」
二人は笑いながら話続ける。いつの間にか仲が良くなっていた。つばき抜きで(笑)
「そういや細井、藤乃つばきってやつ見て何か思わなかったか?」
「あぁ。なんか変な感じだね。お前と似てるじゃん。」
「そういうことじゃねぇよ。(怒)」
違う。俺が言いたいのはそういう事じゃない。もっと違う・・・こう、なんていうんだ?
「やっぱいい!細井に聞いた俺がバカだった。」
「じゃあ、誰に聞けばお前はバカじゃなくなるんだよ(笑)」
「うるせぇっ!」
このことは、俺の中だけの秘密にしておこう。考えすぎかもしれない。それに、俺だって、よくわからないんだ。俺たちは、教室に戻った。
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「つばきっ!どこに行ってたんですか?探したんですよ!おかげで、私は一人で昼食を・・・」
「ああぁ。ごめんね、かぐや!私のお弁当のおかず一個あげるからっ!」
かぐやはそれで許してくれた。かぐやに、卵焼きをあげると、かぐやは美味しそうに食べてくれた。そういえば、かなたくんがまだ戻ってきてない。(まだ体育館裏にいるのかな)私はお弁当を食べ終わり、かぐやと話していた。
「担任の先生、いい人そうでよかったですよね!」
「えぇ~?そうかなぁ~、めんどくさいタイプの先生じゃん」
やっぱり、かぐやは気に入っていたのか・・・。
「絶対にあの先生に、目つけられたくないね。絶対、こき使われるし。」
「そんなっ!つばき!先生に失礼ですよ!」
怒られました(怒)あぁ、かぐやはなんていい子なんだ。話していると、かなたくんがかえってきた。かなたくんは、クラスメートに大丈夫か?と何回も声を掛けられていた。かなたくんの周りにはすぐに人だまりができ、見ていると・・・
「大丈夫ですよ(ニコッ 」
げっ・・・。きたよ、かなたくんスマイル・・・。体育館裏で話した時とは大違いだ。(うまく使い分けてんなぁ~)私が、ジト目でかなたくんを見ているとかなたくんが私に気づいた。
「ニコッ」
笑いかけてくるなぁぁぁ!かなたくんの本性知ってるんだからね!私は、アッカンベーをして返した。ムカつく~~~~。窓の外を見ると、桜が満開に咲いている。入学そうそう、同じ力の人を2人も見つけてしまい、かなたくんの裏と表も知ってしまった・・・。これから、どうすればいいのやら・・・。