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おばあちゃんは冒険者  作者: ファタル
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ギルド長からの依頼

 このままでは同じ失敗を重ねそうだったので、オーレンに見合いにおいて男性がよく着る服装を絵を描いて説明し、それに近い恰好をすれば勘違いは防げるのではないかと提案してみた。

 男性用の暗い色調の恰好をオーレンは気に入らなかったようだが、形さえ同じなら布地は好きなのを使えばいいだろうと言うと、早速作ってみるとはしゃいでいた。



 これで、愚痴の方は解決した。

 だが、ジェーンはオーレンとの長い付き合いの間で、用件がそれだけはないことがわかっていた。



「それで?これだけが用ってわけでもないだろ?」



「ん?…ああ。うん。ここからはギルド長としての話なんだけどね。」



 そう言うとオーレンの持つ雰囲気が変わる。

 感情が顔から読めなくなり、顔の造形も相まって人形のように冷たくなる。



 これを知ってるから、普段のオーレンがどんなに情けなくとも付き合っていられるのだ。

 最初はこのギャップについて行けなかったが、今では慣れたものである。



「最近、近くの街道で商会の馬車が行方不明になっててね。」

「盗賊かい?」

「それがどうも違うみたいなんだ。馬車ごと行方不明なんだよ。どこにも痕跡がなくて。」



 オーレンの説明にジェーンは眉を寄せる。

 盗賊なら馬や馬車は普段は狙わない。商会の馬車は危険察知のために比較的臆病な馬を使うので、鳴き声で自分たちの居場所がばれてしまうからだ。



 盗賊のメンバーには、大抵魔法使い崩れが仲間にいて、そいつが荷物持ちや移動を引き受ける。

 ジェーンも使えるが、アイテムボックスという亜空間収納の魔法を持っているのだ。

 アイテムボックスは、魔力量によって容量が大、中、小と分けられる。適性も必要で、魔法を習えば誰でも使えるものではない。



 だが、使えればこれ以上便利なものはなく、ジェーンの使えるアイテムボックス(小)は普通の馬車1台分くらいまでの量は収納出来た。

 馬車ごとしまえばいいと思われそうだが、この魔法には制限があり、一度に本人が抱えられる量以上のものは収納出来なかった。

 そんな理由で、盗賊が馬車ごと狙うというのはイマイチ考えられないことなのだ。



 それに、オーレンが訝しんでるように、不信な点はまだある。

 もしも、馬車ごとが狙いだったとしても、移動の後が残るはずだ。

 なのに、オーレンは「どこにも痕跡がない。」と言った。すなわち。



「『移動』が使える魔法使いが関わってるってのかい?」

「たぶん。…それが続いて、今、あちこちの商会が街を出るのを嫌がってるんだ。今はまだいいけど、これが続くと困るって商会ギルドに言われて。」

「で、あたしかい?」



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