生徒会
開いて下さる方々に感謝を!
一人、地味に喜んでいます!
朝、いきなりエリナ先生に呼び出された〈レジェンド〉の一同。
そのまま職員室の反対側の、とても大きな扉の前に連れてこられた。
「ここは?」
「生徒会室です☆」
訝しげにエリナ先生を見詰める一同。
「勘違いしないでね☆呼び出したのは、生徒会なんだから♪」
「…帰る~」
バタンッ
「待ってたよ!」
明るく飛び出して来た、ブラウンの短い髪、金の瞳の男子生徒。胸に学園のエンブレム(一角獣)のデザインのバッジが有るので、生徒会役員だ。学年は二年生。
「入って入って!」
子犬のように人懐っこいので、断れない一同は渋々入っていく。エリナ先生は小さく手を振って、去ってしまった。
「ようこそ、生徒会へ。えっと、会長?起きて下さい!」
「な、何を言うのだ!寝てなどおらぬ!」
金の肩で切りそろえた髪に、金と青のオッドアイで、眼鏡が似合う女生徒が、隣りで座っていた生徒をたたき起こした。
(((((会長そっち!?)))))
本人曰わく、寝てないらしいが、ぼんやりとした表情は、寝ぼけて見える。
一房だけ銀色の金髪と言う、不思議な髪色、紫色の瞳で、容姿は良い。
窓際でこちらを見ている、黒い髪、青い瞳の男子。
いかにも気の弱そうな、ブラウンの髪、緑の瞳の女子。肩まである髪を、バレッタで纏めてある。
以上がこの広い部屋に居た、生徒会の皆様。
「はじめまして。副会長のスーウェン・レイシア・ネーヴァンです。此処にいる皆は二年生です」
「氷のレイシア家…ですよね?」
「ご存知でしたか」
〈ニーファ〉の貴族で、氷魔法に優れた名家の〈レイシア〉家。
〈ニーファ〉で最も長い歴史のある貴族で、知らない者などいない。
「有名ですので」
「気にしないで下さいね。私は四女ですから、ほとんど関係ありません」
そう言う問題ではないが…
「ちょっと良いかな?俺達の自己紹介もしたいのだが?」
「どうぞ」
会長が話しを遮って自己紹介を始める。副会長は後ろに下がった。
「会長のヴァルカン・トルメン。よろしくな」
何故だかアヤメとツバサにだけ、“よろしくな”と言う会長。しかも満面笑顔。
「会長はほっといて下さって結構です」
「スーウェン酷いな!」
「次、ルクス」
さっき一同を招き入れた、子犬のような先輩が前に出る。
「はいよ!ルクス・ハウンズ。よろしく!次、ゼファ!」
コロコロと変わる表情は、やはり子犬みたいだ。
窓際の人物に話をふった。
「ゼファ・ワールウィン」
素っ気ない自己紹介をして、黙り込んでしまった。
気難しい性格らしい。
「え、えっと…私かな?シディア・モノリスです。よ、よろしく」
見た目を裏切らない、気弱な性格らしく、直ぐに赤くなって俯いてしまった。
完璧にスルーされた会長。
「おほんっ!ああ、実は風紀委員長も呼んだのだが…まだ来ていないな…」
バタンッ
「すまん!遅れたっす!」
「…お前、本当に風紀委員長か?」
赤茶の髪、金の瞳の男子生徒が入って来た。
「まあ良い。自己紹介しろ」
「皆終わったんか!?」
「終わった。早くしろ」
「チャカ・メトラっす!30人居る、風紀委員の頭っす!」
そうは見えません!
「これでも風紀委員長だから。やる時はやるのよ…」
副会長が呆れながらフォローする。顔に出てしまったようだ。
「えっと、風紀委員ですか?」
「そそ。生徒会とは別物っす。やる事は喧嘩の仲裁とか、見回りっす」
「本題に入っても?」
副会長が遠慮がちに声をかける。時間に余裕がないらしい。
「いいっすよ!」
「まず、生徒会は学園の代表です。実力重視の組織です。風紀委員も実力重視ですが、生徒会より自由な組織です。なりたい時に申請、テストさえ合格すれば、風紀委員にはなれます。しかし、生徒会は完全に勧誘制です」
「選ばれないと駄目なんだ。此処にいる皆は、今の三年生に声かけられた者達だ。既に三年生は引退しているが」
副会長の説明に、会長が付け足した。
説明の間、ずっとゼファの視線が〈レジェンド〉に向けられる。
アヤメとツバサは気にしていないが、ジン、ラング、ムウは居心地が悪く、視線を足元に落とす。穴が空きそうだ。
「で、用なんだけど…君達生徒会入って」
「いきなりね…」
「スーウェン、だって待ってたんだよ?部活にも入ってないし、今がチャンス!」
待たれても困るが、どうやらずっと機会を窺っていたようで、一段落ついた〈レジェンド〉を呼んだらしい。
「まあ、余裕無かったしな」
「そうね」
ジンの言葉に頷いた一同。
とにかく忙しい一学期と二学期だったので、部活なんて忘れていたのだ。
問題だらけだったなぁ…としみじみ感じる一同。
「大変だった」
「ええ…」
「………そうだね」
「確かに…」
「で?入るとなんか有る~?面倒事はもう嫌だよ~?」
マイペースなツバサが質問すると、スッゴく嬉しそうに会長が立ち上がった。
「もちろん!生徒会は実力主義だからね。入った時点で実力は認められる。つまり、テスト、学年対抗戦は免除される!」
「ほう…仕事は~?」
「簡単な行事の会議、学年対抗戦などのイベントの時の見回り、学園外の交流、事務作業だね」
ツバサの質問に、少し困った顔で説明する会長。
「待った!風紀委員も募集中っす!流石に免除はないっすが…軽くなるっす!」
「却下~面倒事しかない~」
「ぐはっ!」
切り捨てるツバサ。全く容赦ない言葉にダメージを受けて、よろめいたチャカ。
「どうすんの?」
「……任せる」
「師匠?」
とりあえず聞いてみたジン。
判断を放棄したラングとムウ。
「えっと、ツバサ?」
「…そこで私~?」
アヤメはツバサに押し付けた。
「もう分かったと思うけれど、毎年テストは地獄です。教師の暴走です」
「入る!」
副会長の一言に、素早く反応したツバサ。ジン、ラング、ムウも即座に頷いた。アヤメも苦笑いで頷く。
(((((あれは嫌!)))))
あのテストだけは嫌な一同。
会長、副会長、ルクス、ゼファ、シディアは、少し遠い目になった。皆覚えがあるらしい。
「嫌よねあれは…」
「嫌です…」
「おほんっ!歓迎するよ!」
会長が出したのは、生徒会役員のバッジ。一人一人が手に取り、胸の学年バッジの横につける。
未だにゼファの視線が刺さる。
「ワールウィン先輩、どうしました?」
ジン、ラング、ムウにせっつかれ、アヤメが声をかける。
「…ゼファで良い。品定めだ」
「品定め…」
思わず呟くジン。
「ゼファ先輩、私達物じゃないよ~」
「…ふむ」
物怖じしないツバサに、好感を覚えたらしいゼファ。
「ゼファに気後れしないっすか!凄いっす!皆怖じ気づくっす!」
「ん~…初めの頃のムウも同じだった~」
「言わないで下さい…」
「そういえば、そうだった!」
「そうね」
「………うん」
「忘れて下さい!」
和やかな〈レジェンド〉の一同。あたふたしたムウが珍しい。
「はは!仲良いな!えっと、会議始めて良い?」
「学園祭かな~?」
「正解!今回の学園祭の警備は風紀委員に任せて、俺達生徒会は、定期連絡を取り合って、問題が発生したら駆けつける。なければ自由に遊んで良いよ」
「案外楽だな」
「ところが、毎回色々あるのよ…」
「お祭り騒ぎで大変なんっす!」
副会長とチャカが頷き合う。
「学園祭の前に準備から大変っす!」
「場所は事前に決めてあるけど、少しでも良くしようと、皆走り回るからね」
3日間行われる学園祭。明後日から2日間が準備期間で、既に準備を行っている部活もある。だが、いくら魔法が有るとは言っても、限度がある。
「私達の魔法学科だけでは無いからね」
学園の学科は、エリート集団と名高い魔法学科が目立ってほとんど知られてないが、魔法の使えない生徒も沢山いる。
騎士、政治、医学、鍛冶、農業の学科があり、案外生徒が多い。
普段、少し離れた校舎と寮を使っているので接点がないが、学園祭だけは合同で行われる。
特に鍛冶と農業の学科は、今までの成果を見せる為に全力で参加する。
その際、必然的に魔法学科の力が必要になってしまう。荷物の持ち運び、巡回、客の対応など…
「これが今回の見取り図よ」
学園の地図に沢山書き込まれた情報に、ざっと目を通した一同。
「鍛冶、農業が多いな」
「………意外」
「こんなに店が…」
「って!何で教師が!?」
ジンの指差した場所に、大きなお店の予定地がある。
【食事屋 旅日記】
「絶対、変な料理だろ!」
「行きたくないわ…」
「………料理出来るの?」
「あり得ん!」
「うわ~」
青ざめる〈レジェンド〉一同。
「凄いっすよ!天才的っす!」
「有る意味凄いわね」
「ははは!そうだね!」
「僕、あんなの初めて!」
「…まあな」
「た、確かに」
上から、チャカ、副会長、会長、ルクス、ゼファ、シディア。
「食べたんですか!?てか、毎年?」
「毎年っす!匂いで無理っす!」
「無理よ…」
「ルクスは食べたんだろ?」
「かなりまずかった!」
「…だろうな」
「そ、そうだよね…」
ジンの質問に、遠い目で教えてくれる先輩達。
ルクスは思い出したらしく、へなへなと机に突っ伏した…
◇◇◇◇◇
校長室に集まった教師達。
書類を片手に、様々な意見を言い合いながら、細かくメモを取っていく。
これだけ見れば、物凄く緊迫した空気なのだが…
「違います!そこは塩です!」
「いやいや!こしょうだろ!」
「だから、砂糖だよ!」
学園祭のメニューについての話し合いの最中である。
「じゃから!パスタの味付けは味噌じゃろう!」
パスタの味付けで揉めていた…
因みに、言ってる量も普通ではない…
「塩カップ一杯!」
「こしょう二瓶!」
「砂糖一袋!」
「味噌!とにかく沢山じゃ!」
カオスだ…
「じゃあ全部で☆」
「「「「賛成!」」」」
いや!待てーーー!
「スープの中身は?」
「その辺の魔物の肉じゃろう?」
「適当な草で良くない?」
「冒険者時代、どんなの食ってた?俺適当にとった魔物」
「その辺の草」
「木の実」
「きのこ」
「苔?」
「木の皮?」
何食ってんだーーーーー!?
「てか、食事はメンバーの担当が作ってたしなー」
「「「「「「ああ、そっか」」」」」」
「その辺の草と野菜の区別がつかんわい」
「「「「「だよねー」」」」」
駄目だこいつら…
「…干し肉のスープじゃないのか?これ駄目だよね…調味料多い…いやそれ毒草…」
訂正、副校長だけは、常識人でした…
◇◇◇◇◇
学園祭の準備期間初日。
大量の素材、道具が運び込まれて、風紀委員総出で対応しても間に合わず、生徒会役員も駆り出された。
荷馬車の中を一つ一つ確認していく。
「ジン!これD倉庫よ!」
「了解!」
「これも~」
「ラング手伝ってくれ!」
「……無理!」
「ラング、B倉庫だ」
「………はわわ!」
「これ違うわね…山の麓の村です」
「おや!すまないね!何がだい?」
「ええと…」
間違って運ばれる荷物も多く、そのたびに場所を教えたり、説明したり、たまに怒鳴られたり、と忙しい。
「この荷物は、反対側の村だな」
「あん?難癖つけんのか!確かにここだぜ!いきなりキャンセルか!」
「いや、この地名は…」
「さっさと金払え!このガキ!」
「っ!…ぐっ!」
「商人のおじさん~首放してあげて~!ほら、ここ間違ってる~!」
「あん?…確かに。すまん」
「けほっ!」
ツバサが急いで地図を見せて、なんとか納得して去っていく商人。山中にある学園には、近くの街や村と間違えて来る者も多い。時々、わざと間違えた振りして来る商人もいる。
「助かりました」
「大丈夫~?」
「はい。確認に戻ります」
商人を粗末に扱う事は出来ないので、耐えるしかない。
機嫌を損ねて来なくなれば、山中の学園は孤立してしまう。
付近一帯の街や村にも、迷惑がかかるので騒ぎは起こせない。
「はいはいこれ!ああ魔法は駄目よ!」
「魔法具でしようか?」
「そうよ。かなり繊細な物だから」
でっかい木箱に入った魔法具に、思わず顔が引きつったアヤメ。
時々、こういった魔力に反応してしまう物まであり、魔法で運べないので、どうしても人数が足らない。
すぐさま風紀委員に連絡をいれる。こうした時の為、通信用魔法具が学園から貸し出されている。
「魔法具が来たわ。ええと…かなり重いと思う…3人?無理よ。…6人以上欲しいわね…分かった」
どう考えても、3人は無理であろう木箱に、内心焦るアヤメ。6人でも怪しい。なにせ、馬四頭で来たのだ。数回に分けても辛い。
「今人を呼びました。少々お待ち下さい。こちらにどうぞ」
「ありがとう」
椅子を進めて、とりあえず中身を確認していく。
(多い!全部あってる…)
助っ人の風紀委員が8人来て、ようやく運べた木箱。三箱有るので、かなり時間をかけて運ぶ。
代金は纏めて渡されているので、仮設の事務所で払う。
「何故こんなに有るんだ」
「ジン、鍛冶、農業の荷物が多いのよ。全部重い物だし。あと、舞台をやる演劇部も凄い量。…教師陣も」
「次~E倉庫!ジン~」
「うわー!」
今度は大量の塩が運ばれた。教師陣の倉庫に。
「あってんの!?これ!」
「残念~ぴったりあってる~」
「まじかよ…」
次々やってくる商人。中には護衛までいるので、学園は人であふれそうだ。
◇◇◇◇◇
夜、なんとか商人達とのやりとりを終えた一同は、生徒会室に集まった。
ジンは足を引きずって、ラングはふらふらしながら、ムウは震える膝を無視しながら歩く。
アヤメ、ツバサは少し疲れた位で、五分も休んだら元気になった。何故だ…。
「常日頃、準備している部活は荷物も少ないけど、流石に飲食店はね…」
「スーウェン、今年は魔法具が多いな」
副会長の報告に、会長が質問している。今年は特に魔法具が多いらしい。
ルクスとシディアは書類を纏めている。机から雪崩のように崩れ落ちた紙束に、悪戦苦闘している。
ゼファは、あっちこっちの風紀委員に指示を出したり、書類の受け渡しを行っている。
生徒会室の片隅に、何故だか死にかけたチャカが横たわっている。
「チャカ先輩大丈夫~?」
「む、無理っす!なぜあんなに魔法具があるんすか!?」
委員長なだけあって、委員の中では力のある方なので、あっちこっちに応援に駆けつけ、休む間もない状況にバテたらしい。実は、風紀委員の大半が、保健室に運ばれた。
「委員長!二年Bクラスと研究部が!」
「揉め事っすか!?内容は?」
「Bクラスが、研究部からの正体不明の煙りに抗議したようです!魔法戦に半数が加わってます!」
「今行くっす!数人よこしてっす!」
「了解です!D班が現場で抑えています!場所は理科室です!F班を呼びます!」
「分かったっす!ここよろしくっす!」
委員長代理が敬礼して送り出した。
風紀委員は、委員長も含めて5人一組の六班に分かれている。臨機応変に班の中でもバランスを整え、必要ならば更に分かれる事で対応している。
ほとんど5人でいる事はない位、人手不足に悩まされている。
「何でこんなに少ないのですか?」
「実力がね…あと、強い生徒は大概部活に入っているし、風紀委員になりたい生徒も少ないのよ…」
アヤメの質問に、苦笑しながら副会長が答える。
生徒会役員を希望する生徒は多いが、風紀委員は不人気らしい。
将来、騎士になりたい者は積極的に風紀委員に立候補するが、魔法師の希望者が少ない。魔法師には、良くも悪くも、自由が好きな者が多いのだ。
「大変だ!」
珍しく慌てて駆け寄るゼファ。手に数通の手紙を握りしめている。
「なんだ!?」
「来客のリストだ」
「貴族か?いつもの事だろう?」
「王族だ!しかも全国!」
ポカーンとした一同。
学園祭には各国から沢山の来客があり、毎年貴族から平民まで、それぞれの部屋を用意している。
数年に一度位は、一つの国から王族が来る事もある。
「全ての国!?」
「ああ…あと…」
「まだあるのか!?」
「魔王が来る」
今度は会議室のみならず、待機していた廊下の風紀委員もポカーンとしている。
「な、何で?」
「各国との交流らしい」
「ここで?」
会長とゼファのやりとりに、混乱し始める一同。
「ここで」
「よそでやれ!」
「俺に言うな」
「校長呼んできます!」
アヤメの一言に、一同が一斉に頷いた。アヤメとツバサが飛び出していく。
「…と言う事です」
「聞いとるよ。わしにも連絡があった」
「早く言いなさい!」
会議室に連れてきた校長に説明したところ、どうやら知っていたらしい。
「別に良いじゃろ!真ん中にある学園が都合良いんじゃ!」
「客室は?」
「もちろん用意してあるわい!」
「何をするの?」
「たんなるお茶会じゃ!」
(んな訳あるか!)×10
「なんじゃ?皆して」
「何故学園祭なんですか?」
「良い機会じゃ!」
意味が分からない。
既に、準備は済ませてあると、得意げに言う校長。
何を聞いても教えてくれない。
もう、各国の代表が国を出てしまっているので、引き返せない。
「もう良いです。学園祭初日の朝、皆様来られるのですね?」
「そうじゃよスーウェン君。着いたら教師を呼んでくれ」
「分かりました」
ご機嫌で出て行った校長。
疲れ果てた生徒会一同。
「ただいまっす…」
のっそりと現れたチャカ。ボロボロになった体を引きずっている。
「なんか、あったっすか?」
「こっちのセリフです」
副会長の言葉にキョトンとしたチャカ。一度自分の姿を確認する。
「…ああ!予想以上にすごかったっす!皆取っ組み合いになったっす!」
「ご苦労様」
「とりあえず、今起きた事を説明しよう。準備は良いかチャカ?」
「なんのっすか?良いっすよ!」
一同が細かく説明していくと、どんどん青くなっていくチャカ。
終わった頃には、天井を見上げて動かなくなった。
「…と言う事だ…チャカ?」
「…なんっすか?それ?」
「ええと…お茶会?」
「いやいや!おかしいっす!」
「俺に言うな」
どうにも受け入れ難い事実に、言葉を失う一同。…と言うより、受け入れたくない。
皆疲れ切った表情で、椅子に座り込んで、少しずつ確認していく。
生徒に言うべきか、言わぬべきかと、悩んだ結果、隠しても意味なしと判断した。どうしても隠せない。
急遽、各クラスに詳細の書かれた紙を回す事になった。
「お疲れ様。もう良いわよ」
「お疲れ様です。お先に失礼します」
「お疲れ~」
今日出来る事を全て片付けた頃には、夜中になってしまった。
副会長に促され、仮眠を取るべく寮に戻っていく〈レジェンド〉一同。
会長、ルクス、ゼファ、チャカは、生徒会室に泊まるらしい。
副会長、シディアは書類を職員室に届けて、報告をしてから帰るようだ。
ふらふらの一同は黙って寮に向かった…
ご感想お待ちしております




