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はた迷惑な!

文才を下さい!←

 Sランカー2人、Bランカー3人と言う規格外なチーム〈レジェンド〉は、学園内で有名になった。良くも悪くも。


「〈レジェンド〉だな?」

「はい。何でしょう先輩?」

「〈ダークエンド〉のリーダーだ。決闘を申し込む。」


 有名になったからか、先輩方に目を付けられてしまって、絶えず決闘が申し込まれる。

 制服に付いてるバッチから二年だろう。なんかものすごく、上から目線だ。

 生意気だとか、金で上がったとか、体で云々とか、あの乱心騒ぎがとか、綺麗な女子から離れろリア充とか、訳分からない理由で来られても困るのだが…。最後のはファンクラブ(非公式)からの男子3人に向けての殺意だが。


「エリナ先生に相談します。」

「決闘は断れないぜ!」

「場所と~授業の問題~」

「分かった。逃げるなよ!」


 エリナ先生の所に向かった一同は、ものすごく気色悪い笑顔のエリナ先生に、思わず後ずさった。


「またかしら?何故信じないかな皆!ぶっ飛ばして来なさい!!」

「一応ですが、チーム〈ダークエンド〉からです。報告はしました。」

「潰しなさい!ぷちっと♪」


 怖い!笑顔が怖い!

 最近いつもこうなるのだが、報告無しは違反なので仕方無く、エリナ先生に許可と報告を行っている。


「場所は第三グランドね☆」

「はい。相手にも伝えて下さい。今からでも?」

「即潰しなさい☆」


『〈ダークエンド〉〈レジェンド〉のチームの皆さんは第三グランドに向かって下さいね☆』


 速攻放送アナウンスで呼び出したエリナ先生、声と表情が全く一致しない。顔笑って無いよ…


「これで何回目かしら?」

「数えてません!」

「21回目~」

「………数えてたの?」

「エリナ先生の机見て~」

「なるほど。」


 エリナ先生の机の上に、今まで来た決闘の申し込みの内容、チーム名がきっちり報告書にされている。同じ名前のチーム名が幾つか見られるが、それらはファンクラブ(非公式)からだ。


「正直気持ち悪いわ…」

「だね~」

「うむ。」


 ムウのファンクラブ(非公式)からの申し込みも、沢山有る。

 一同、イライラして来たので、第三グランドに向かった。







「逃げなかったか!」

「逃げません。」


 相手のリーダーの周りのメンバーが、可愛くないとか、生意気とか言って居る為、ファンクラブじゃない事に安堵する。主にアヤメ、ツバサ、ムウが。


「自己紹介は…」

「要りません。直ぐ忘れますから。」


 アヤメは相当、苛立っていらっしゃるらしく、殺気が漏れている。

 ご乱心一歩手前だ…


「ふん!まあ良い。始めるぜ!」

「御勝手に。」


 なにやらギャラリーが集まって来たが(授業どうした)、気にしない一同。

 ジン、ムウが前衛に、他3人は後衛に居るが、アヤメとツバサが大人しくして居る訳はない。


「行くぜ!」

「獄炎の大蛇」

「光散」


 詠唱を切り捨てたジン、ムウの成長は著しく、別に言わなくても出来るが、こっちの方が威力は増す。かなり短い詠唱もどきに苛立った相手は、嘲り笑う。


「詠唱でも無いじゃないか。なんだブハッ!」


 ジン、ムウは徹底的に、アヤメとツバサの魔法を目指して、訓練している為詠唱は概念に無い。

 侮った相手はもろに当たりそうになって、メンバーの障壁に助けられた。

 障壁にぶつかったが…


「お前ら!卑怯だ!」

「詠唱が必要な、未熟者に何を言われても、気になりませんよ。」


 アヤメがレイピアを、リーダーに突き放つ。

 リーダーなのは伊達ではないらしく、剣で受け止めた。


「敵を葬る獄炎の砲撃」

「昇華させるは風の祝福」

「寄り添い従うは雷撃」


 相手のチームの後衛から、風で膨らみ雷を纏った炎が放たれる。


「甘い。」


 ツバサの無詠唱、無動作の水の中に氷を入れて、更に風で速度を増した水撃が、相手の魔法を打ち消し、爆発して氷の礫が飛び散る。

 降り注ぐ氷を防ぐのに、手一杯になる相手の後衛を無視して、ジン、ムウが前衛に斬り掛かる。


「無詠唱!?くそ!」

「よそ見すんな!」

「むん!」

「軽い。」


 リーダーの剣と、ジンの大剣が火花を散らし、相手のメンバーの二本の短剣とムウの刀が踊る。

 短剣使いは、二刀流本来の動きで、リーチの不利を無くそうとする。

 だが、ツバサの二刀流は、普通の長さの刀を使った物で、力と力量が全く違う為、それに慣れてるムウには、遅すぎる。

 直ぐに短剣使いは、獲物を弾かれ開いた胴を蹴られ、飛ばされた。

 ジンの大剣は、炎を纏い、受けるだけで熱風が襲う。

 リーダーは顔をしかめるが、こんな事でしかめるなら来るなと言わんばかりに、大剣を叩きつける。


「極光の聖なる槍」

「水の大いなる加護」

「穿て稲光」


 後衛からの魔法は、稲光はラングが習得した無詠唱の聖属性の盾に弾かれ、槍はアヤメの水砲に打ち消され、治療の為の加護は放つ前に、ツバサの雷撃が術者に当たり不発に終わった。

 ジンの大剣がリーダーを捉え、吹き飛ばした。

 短剣を飛ばした者は、ムウの峰打ちで崩れ落ちた。

 後衛3人纏めて、アヤメの爆炎で吹き飛んだ。


「呆気ないわね。」

「弱い!」

「………うざい」

「遅い。」

「まず~詠唱が長い~」


 もう聞こえて無いけどね…


 〈レジェンド〉の圧勝で幕を閉じた。






「お疲れ様☆」

「もう嫌!」

「「「「同じく!」」」」


 終わって直ぐに、エリナ先生がやって来て労いを言うが、どうでも良いと言わんばかりに脱力した一同。

 全て同じように、勝ち越して居るから収穫が無い。


「何故先輩方も、詠唱するんですか?」

「中級威力の魔法のイメージは難しいから、だと思うわ☆」


 低威力の魔法なら、簡単に無詠唱で放てるし、威力をあげるなら、短い詠唱を行い、もっと威力をあげるなら、長い詠唱を行うのが一般的な学生のレベルだ。

 得意な属性なら、無詠唱でも威力は維持されるのだが。


「そりゃ、只矢を飛ばすなら、弓技のイメージで良いけど、正確に、魔力を練り込んで、更に混ぜるなら、詠唱位するわよ☆学生ならね♪」

「一度戦場に放り込めば~?」

「死ぬから無理!詠唱してたら間に合わないわね♪」


 実戦には、詠唱は向かない。

 前衛が必要になるし、相手にばれて対処されるし、詠唱に集中すれば、直ぐに周りが見えなくなるからやられるし。

 後衛に徹するなら、もっと強い魔法を放ち、短時間で複数を飛ばし、援護もスムーズに行わなければならない。もちろん、防御壁を何重にも強固に張らなければ意味がない。


「三年生の実力は~?」

「まだ見てないのね。流石に実戦に出てるから、本格的よ♪卒業試験にも組み込まれているしね☆」

「まだ二学期入ったばっかりでも、違いますか?」

「違うわよ。とにかく実戦を経験してるもの☆あなた達程じゃ無いけどね♪」


 学園の教師の間では、〈レジェンド〉が規格外だと認識されているが、本人達に全く自覚が無い。

 〈レジェンド〉の戦い方は、実戦向きに強化去れ尽くしている。それだけの依頼や、訓練を積んでいるからなのだが。

 三年生から決闘の申し込みが無いのは、それが分かって居るからだ。経験が自分たちより、遥かに上だと。


「そう…まあ良いわ。今日は授業は?」

「それ言いに来たの♪今日は免除よ☆」

「よし寝よう~」

「はや!」


 無しと聞いた瞬間に、全力で寮に向かって行ったツバサ。

 周りは苦笑しながら、寮に戻った。








☆☆☆☆☆


「ちょっと良い?」

「何アヤメ~?」


 あらかじめ、貰っておいた合い鍵(朝おこしに来るため)でドアを開けて中にはいると。

 寮の自室で寝込んで居たツバサが、気だるげに起き上がった。


「相談が有るの。」

「とりあえずベッドか、そこの椅子に座って~」

「隣り失礼。」


 普段なら、アヤメはベッドに腰掛ける事はしない。

 よっぽどの事だと、察したツバサは姿勢を正してベッドに座り直す。


「あの時以来ね…こうやって話すの」


 ふと、ツバサを見やるが、優しく微笑むだけで何も言わない。

 先を促して居る時のいつもの癖で、余計な口出しはしないと言う姿勢。聞き手に回ってくれる親友に、安心する。


「私には分からないの…皆が強さを求める理由が…強さって何だと思う?」

「色んな意味が有るね。」

「例えば?」

「只まっすぐ求める強さを知ってるね?」

「…ジンがそうね」

「只ひたすら逃げない強さも知ってるね?」

「ムウがそうね」

「只ひたすら耐え続ける強さも知ってるね?」

「ラングがそうね」

「強さはいろいろだよ。後ろを向いたら後ろが前だよ。」

「答えの無い問いだったわね。」

「少し、考え過ぎじゃない?考えじゃなくて、自分の意志で動きなよ。昔から、いろいろ考えて、結局人の為に行動するじゃない。優しさは大事だけど、厳しさも必要だよ。人は裏表の有る生き物だよ。」

「ふふ。そうね。」


 2人はひとしきり笑いあって、話し合った。


「良く考えたら、私も強さを欲してたのね。その…力では無くて。」

「そうだね。もう、悩み過ぎるなよ。あと人の顔見過ぎ。」

「厳しいな。昔から。」

「そうかな?」

「そうだよ。変わって無いわ。事実しか見ないもの。…あの約束覚えてる?」

「あれか?『受け入れる準備が出来るまで、預かって居て欲しい』って言う、無理難題。」

「そう。もう少し掛かるから、ごめん!負担になるのは分かって居るけど…」

「もう少しだけね。」

「本当にごめん。ツバサはもっと小さい頃から抱えてるのに…」 

「今更~準備までしといたから平気~」

「適わないな。でも、ツバサの感情が無いのは嫌だし、早くなんとかする。」

「あいよ~」


 もう少しだけ、準備をしたら自分の力を受け入れる事を決意したアヤメ。

 ならば、待つことを決意したツバサ。


「ありがとう。ちょっとスッキリした。」

「良かったね~」

「じゃあお休み」


 そう言って出て行ったアヤメを見送ったツバサは、少し嬉しそうに笑った。


(もう少しで精神世界も必要無くなる。なら、アバターを減らして行こうかな。)






 友の為、全て抱えて尚友を気にする彼女も、優しすぎると、神獣は思った…

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