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ギルドの依頼に挑戦

初の依頼はドキドキ

 今日の授業はギルドで依頼を受けて、完遂する事。期限は一週間。

 失敗したら、エリナ先生と楽しい居残りだそうだ。


「何受けましょうか」

「討伐依頼!」

「何の~?」

「分からん!」

「考えてから物を言え!」

「………これは?」


~~~~~


 ハイスケルトンとスケルトンの討伐依頼


 〈ガイス〉国境付近にハイスケルトンとスケルトンを発見。

 町に近いため急ぎ討伐を求む。

 詳細は〈ガイス〉東部のサカラギルドで話す。


 ランクB 報酬10万


~~~~~


「ハイスケルトン?」

「スケルトンのボスね。サカラ行った事無いわね。」

「知ってますが、ギルドは…」

「流石ムウ!ギルドがどうした?」「かなりボロい。」

「………ボロい?」

「ああ。何故やっていけるか分からん。」

「行ってみましょう。」

「依頼に違いは無いし~」


 この依頼を受ける事にした〈レジェンド〉は受付に持って行く。


「この依頼受けます。」

「皆さんランクは大丈夫ですか?」

「大丈夫です。C3人とA2人ですから」

「分かりました。ではサカラギルドに行ったらこの用紙を提出して下さい。討伐完了したら、サカラギルドで報告して下さい。カードが自動的に記憶していますから、読み取るだけです。偽装は資格剥奪となります。カードに記録が有る事をお忘れなく。尚損害はギルドは負担しません。」

「分かりました。」

「ご武運を」


 一同は、装備を確認した後、サカラまで神獣に乗ることにした。


 〈風牙〉〈麗牙〉〈スピネル〉は既に準備は出来ている。

 〈風牙〉の傷は最近やっと治って、やる気十分だ。

 〈スピネル〉を先頭に飛び立つ。






☆☆☆☆☆


「ボロい!」

「そうね。」


 サカラギルドのボロい建物に、しばし唖然とした一同。周囲も寂れて居て、住民はやせ細って居る。

 町全体が暗い。

 とりあえず受付に行くことに。

 奥の部屋から、ギルドマスターが出て来た。


「依頼を受けて来ました。」

「書類は…了解。しかし学生か…」

「詳細を教えて~」

「分かった。」


~~~~~


 最近ハイスケルトンとスケルトンの住処を発見し、自衛団が討伐に行ったが、強すぎて手に負えないと戻って来た。 ハイスケルトンのランクはCの筈だが、群れで居るのと、ハイスケルトンが魔法が使えると言う、かなり稀な物だった。

 その為、冒険者に依頼を出したが、受ける者が居らず、金額を上げた。

 何やら、ハイスケルトンはいつも何かを探して毎晩スケルトンを率いてうろついて居るので町が危険。

 もちろん、町には魔物除けの結界が有るが、頼りない。

 この辺のギルドだけでなく、全ギルドに依頼を出した所、学生達が来た。


~~~~~


「だから、学園ギルドにいきなり貼り付けられたのね。」

「え?いきなりなの?」

「ちょくちょく見に行ってたの。前々日は無かったわ。」 

「受けてくれるよね!頼む!」

「もちろん~」

「場所は、ギルドを出て北に真っ直ぐの洞窟だよ。」

「了解。」


 一同はギルドを出て、北に進む。


「居ないわ。」


 洞窟はかなり狭く、直ぐに見回せたが、何も居ない。


「町かな~?」

「そりゃやばい!」


ガシャン


「………外!?」


 一同が外に出ると、スケルトンの大群が集まって居た。

 スケルトンの持つ武器には血がついている。


ゴロン


 何かが地面を転がった。


「サカラギルドの!」


 サカラギルドの受付に居たマスターの首が、地面に転がった。

 目が見開いたままで、何も写さない目が一同を捉えた。


「そんな!さっきまで!」

「落ち着いてジン、来るわ。」


 スケルトンの刃が迫る。

 ジンは衝撃で動けない。

 ツバサの双剣がスケルトンを斬り飛ばす。

 直ぐに起き上がって、迫るスケルトンにジン、ラング、ムウは動けない。

 アヤメの火弾がスケルトンを焼き尽くした。


「弱点は頭、火と聖に弱いから!」

「ちっ!アヤメ、皆動けないみたい。私がやる!」


 ツバサの的確な狙い撃ちの光の矢がスケルトンを一撃で打ち砕く。

 突如、スケルトンが道を空けた。

 

「ハイスケルトン!魔法耐性が高い、魔法も使う、どうするツバサ。」

「あの手の中!」


 ツバサがハイスケルトンの手の中に、光何かを見つけ出した。


「ギルドマスターが着けてたペンダント?あれを探してたの?」

「………あれって魔法補助具店に」

「思い出したわ。精霊の宝玉。」

「何それ?」


 ギルドマスターが大事そうにしていたのを思い出したアヤメ。

 見覚えが有ったラングの言葉にアヤメも気付いた。

 ジンは分からず問いかける。


「精霊がたまに作る、精霊の力が詰まった宝石で、守護の力が増すの。」

「ハイスケルトンが持ってても~意味ないけどなぁ~」


 ハイスケルトンは、大事そうに持って居る。

 突然喋り出した。


「ぎさまら…」

「しゃべった…」

「あいづのながまが?…ごれは、おれだちのすみがにあっだ、だがらものだ…うばう…にんげん…ようじゃじない!」

「ギルドマスターが拾ったか、冒険者が拾って、盗まれたとハイスケルトンが町に探しに行ったと言う事ね…」

「この場合どうすんの!?」

「やる~当たり前じゃない~町を襲った魔物は野放しに出来ない。」


 真実がどうであれ、討伐依頼は続行すると、構えるアヤメとツバサ。


「一瞬の判断ミスで死ぬわよ。」

「迷うなら~下がれ。」

 

 2人は慣れていると、言わんばかりに直ぐに魔法を展開する。

 火柱が焼き払い、光線が貫く。

 迷いの無い行動は、無駄も無い。

 生きるか、死ぬかの戦いに慣れている2人は、戸惑ったりしない。

 冒険者には当たり前の知識だが、一介の学生には、無理があった。

 魔物は只さまよって居た訳でなく、意味が有った事に、人間に非が有った事に戸惑い思考が混乱して隙が出来る。

 隙を見つけ出したハイスケルトンから、闇の弾丸が放たれた。


「聖なる盾」


 ラングの盾が間に合ったが、判断が遅れた事で、強度が足りない。

 亀裂が走り、割れる。

 ツバサの聖魔法が、相殺する。

 ジン、ムウようやく武器を手に、スケルトンに迫る。

 ジンの大剣には炎が、ムウの刀には光が纏う。

 スケルトンは数をどんどん減らして行くが、かなり多い。

 ハイスケルトンの闇の波動が迫る。

 アヤメ光の槍を作り出し、ハイスケルトンに迫る。

 ツバサは闇の波動を、光の盾で止めた。

 ハイスケルトンは光の槍を受けて、砕け散った。

 スケルトン達をジンとムウが確実に討伐して行く。


「ジン、ムウ下がって~」

「おう!」

「はい!」


 2人が下がって、直ぐにツバサが放った火球がスケルトンにぶつかって、爆発しスケルトンを一掃した。


「終わった~」

「意味無いけど、サカラギルドに行きましょう。」 


 一同はギルドに向かった。

 ジン、ラング、ムウが押し付け合って、マスターの首を持って帰った。






☆☆☆☆☆


「と言うわけです。」

「なるほど…分かりました。ご苦労様でした。マスターのご遺体はご家族にお渡しします。」

「よろしくお願いします。」


 学園ギルド(学園の近くに在るだけで、学園の中では無い)に、報告をして遺体を渡した(首だけだが)。

 サカラギルドはマスターだけしか、働いてなかった為、報告をするのに困って、ひとまず戻って来た。

 その際、何やらツバサがギルドを睨みつけて居たが、理由は教えて貰えなかった。遺体も放置しとけと、言っていたが、流石に駄目だと、アヤメが説得した。

 町の人々は無事だった。


「どうやってマスターを殺したんだろ?結界は無事だったし。」

「あと、マスターの身体はギルドに無かったわよね…」

「………分からないね」

「ふむ。」

「帰ろ~眠い~」


 ギルドマスターの身体は町の何処にも無かった。

 町の人々も何も無かった顔をしていた。覇気が無いため良く分からないが…。

 ツバサは気にして居ないらしく、帰る準備をしていた。

 報酬は山分けして、学園に戻った。






☆☆☆☆☆


 寮の自室で、電気も付けずに、ツバサは窓の外を見ていた。

 三日月と星が綺麗に輝いている。


‐主よ…‐

「何〈麗牙〉?」

‐如何した?機嫌が悪いな‐

「過去を見た。」

‐ギルドか?‐

「うん。理由が分かった。」

‐理由?‐

「精霊の宝玉の値段知ってるよね?」

‐…一億はすると聞いた。‐

「自分で見つけ出したら、タダだけど、買うなら安くてもその位だね。あんな廃れた町に有るの不思議でしょ?」

‐そうだな…‐

「ギルドマスターが、町の人々の依頼の報酬金を、全て手にしたら、買える。」

‐まさか…‐

「あのマスターは、依頼を受けても各地のギルドに報告しなかった。自分のギルドには置いて有ったけど、受ける冒険者が限られる。寄り道した冒険者か、駆け出しの冒険者位だね。」 

‐放置された依頼の報酬を?‐

「そう。それだけじゃ無いよ。町が廃れたのも、ギルドの補強や、結界の維持の為とか言って、かき集めたの。」

‐なんと!‐

「当然、自分たちの為だから払うし、払わなかったら、町の人々に追い払われる。払うしか無い。」

‐だから怒ってたのか‐

「そう。知ったのは、ハイスケルトンの持って居た宝玉に疑問を持って、ギルドに戻ってから、見たの。最初マスターはペンダントをあまり見せないようにしてたから、気付かなかった。家宝かな位にしか、感じなかった。」

‐よく見たら宝玉だったと‐

「そう。私達が依頼を受けて失敗すると思ったらしく、私達が出て行って直ぐに逃げる準備をしてた。今までも逃げたかったけと、機会が無かったんじゃない?」

‐学生の失敗で、町が襲われたら…‐

「それなら、逃げても可笑しくないよね。だけど、ハイスケルトンは待ち伏せしていた。」

‐ギルドに渡した宝玉から見たのか?‐

「うん。こそっと触ったの最後に。」


 マスターの物は、一度学園ギルドが預かって、遺族に渡すらしい。

 皆が見て居ないうちに、ほんの少し触って、宝玉の過去を見た。


「結界はハイスケルトンしか通れなかったみたいで、スケルトンは無理だった。ハイスケルトンも馬鹿じゃ無いから、単体で町には行かなかった。マスターが町から出るのを待つ為に、町の外をうろついて居たの。昼間に動くなんて、思わなかったマスターは、町では安全も生活も保証されないから、昼ならと町を出た。」

‐してやられたか‐

「アンデット系は普通、昼間活動しないからね。」

‐それだけ大切だったと…‐

「みたいだね。何でか分からなかったけどね~」

‐見えなかった?‐

「ハイスケルトンの表情なんか分からないし、普段喋らないから。」

‐ああ。そうか‐


 ツバサは明るい性格だが、ほとんど人と関わらないように、自由奔放な性格に“している”。

 ツバサは人間の醜い顔を知りすぎている為に、人を信用しない。

 嫌っても居る。

 だから、今回のギルドマスターには、嫌悪感しか無い。

 ハイスケルトンを見逃しても良かったと思った位に。


‐主よ。主の人格は何が真実なのだ?‐

「全てが真実であり、全てが偽りだよ。」

‐感情は?‐

「無いわけでは無い。多分薄い。でも、親族に対する恨みは本物だよ。」

‐分かっている‐

「この恨みは晴れないね。アヤメやお前達が居るから、抑えられるけど、居なければ…」


 ツバサの雰囲気が変わる。

 アヤメが居たら、驚くだろう。

 ジンが居たら、怖がるだろう。

 ラングが居たら、倒れただろう。

 ムウが居たら、膝を付くだろう。

 〈麗牙〉が、思わず本能的に防御体制になる程の、憎悪の感情。

 魔力の色はムウの闇より、遥かに濃い漆黒。

 直ぐにツバサは理性で抑えた。

 多分一、二秒の事に、〈麗牙〉の背筋は凍った。

 何よりも、長生きし、強く、気高い神獣が恐怖を抱く程の激情。


「悪い。たかが外れかけた。」

‐いや…‐




 普通の人間ならば、抑えて居られないだろう。

 こんなに一瞬で、魔力の色まで戻らないだろう。

 誰よりも、己自身を知り、誰よりも感情に敏感だからこそ出来る芸等だ…

ご感想お待ちしております。

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