久しぶりのまともな休日
楽しい時間はあっと言う間
休日は〈レジェンド〉一同で、近くの町に行く事になった。
久しぶりの休日、いつもは学園の購買で(何でも揃うお店と言った方が良い)日用品は揃えていたが、やっぱり町でいろいろ見たいと言う事になり、ならチームで行こうと言うことになった。
途中の道で魔物も出るので、訓練にもなる。
「何で、森の中!」
「さっき、魔物に追いかけられて、逃げて行ったのは、誰かしら?」
「ジン~追いかけるの大変だった~」
「申し訳有りません!」
現在、森の中を疾走中。
いきなり現れた魔物に、ジンは驚き一人突っ走った為、皆で魔物を倒してジンを追いかけ、現在に至る。
「近道じゃん!」
「………森は危険」
「馬鹿が!」
「そろそろ、着くんじゃない?」
「多分ね~」
しばらく、走り続けて、魔物をアヤメとツバサが斬って進み、ようやく町にたどり着いた。
「活気が有るね~!」
「お!うまそう!」
「ジン、前見て歩いて!」
「………沢山のお店」
「む!武器屋か。」
町には、沢山のお店が並び、活気が溢れています。
さっそく、ジンは鳥の串焼きを買ってきました。
「うまー!」
「………ジン、自分のだけ?」
「師匠、要りますか?」
「今は要らないわ。ありがとう。」
「まだ、お腹すかない~」
ラングとムウが買いに行き、皆で適当にお店を見て回る事になった。
ジンは食べ物ばかり買いに行き、見ている皆が呆れて居る。
「………よく食べるね」
「武器屋に行きたいな。」
「ムウに賛成~」
「良いわよ。」
「置いてくな!」
一同武器屋に入ると店主が出て来た。
「ガキの来る所じゃねえ!」
「店主~これ見せて~」
店主の荒々しい口調など、気にせず入るアヤメとツバサ。
ジン、ラング、ムウはこそこそ入った。
「おい、嬢ちゃん。あぶねえから帰りな!遊びはよそでやれ!実力が無い奴に武器は売らん!」
「店主これ~駄目だね~」
「あらあら、使えないわね。」
「あん?…目は良いんだな。」
店先の武器は、低ランカー用の武器で、かなり脆い。
「力の無い奴に良い武器は要らんからな!分かったら…」
店主の言葉は続かなかった。
ツバサが後ろに、アヤメが前で店先に有った脆いナイフを突きつけたからだ。
「武器は~性能だけじゃ無いよ~」
「なんだ。反応出来ないの?」
「分かった!実力は認める!ナイフを下げてくれ。」
2人はナイフを元に戻す。
「学生の試作品じゃなくて~」
「職人の武器見せて?」
「分かった。良く分かったな。」
2人はナイフが学生の作った物だと、一目で見抜いたらしく、ジン、ラング、ムウは驚いた顔をしているから、分からなかったらしい。
店主は、一度カウンターの物をしまいカギを閉めて、外に出た。
一同もついて行き、行き着いたのは、何でも無い、少し大きめの小屋。
「ここに有るのは秘密な。認めた客しか連れてこねーからな。」
そう言うと、ドアのカギを開けて入って行った。
一同も入ると、沢山の武器が置いてあった。
「店主~用心深いね~」
「偽物も混ざっているのね。」
「お嬢さん何者だ?」
「「ただの学生」」
絶対違うだろ!と店主とジン、ラング、ムウは思った。
「ムウ~何見たいの~」
「おい待った!お嬢さん達は認めたが、こいつらは駄目だ!」
「意地悪いわね。」
「店先で泣くよ~」
「う!分かった見て行け!」
ムウは短刀を見始めた。
懐に入る大きさの、武器を中心に見て行く。
「暗器?」
「はい、刀が持ち込め無い時や、弾かれた時、狩った獲物を捌くのに良いかと思いまして。」
「なるほど~ならこれは~」
ツバサが見つけ出したのは、クナイ。
かなり奥に有ったのを、引っ張り出したみたいで、そこだけ空間が出来ている。
「ほう。お嬢さんお目が高い!」
「これ、結構良い鉄ね。投げる事も出来るし、忍び込ませるのは簡単だし。」
「でしょー」
また何本か取り出したツバサに、苦笑する店主。
隠しても無駄だと悟ったらしい。
「全部見つけ出したか。」
「見つけやすいよ~」
「投げ方はナイフと同じですか?」「同じよ。少しコツが要るけど。」
「少し先に的が有るぜ!使ってみろ!」
店主に言われて奥に進むと、ちゃんと的と空間が確保されていた。
ムウが投げるが、うまく刺さらない。
ジンもやってみたが、的から大きく外れてしまった。
「ジンへた~」
「ムウ力抜いて。」
ツバサとアヤメが同時に飛ばすが、早すぎて見えない。
的に2つきれいに中央を、争うように刺さっている。
「かなりの腕前だな!」
「教えて頂けますか?」
店主は2人が気に入ったらしく、上機嫌。
ムウはクナイが気に入ったらしく、アヤメとツバサに頭を下げた。
「良いよ~」
「もちろん。」
「お嬢さん達に免じて半額で良いぞ!」
「ありがとうございます。」
クナイをありったけ買いあさり、アヤメとツバサもダガーを買いあさって行った。
店主は笑顔で、半額にしてくれた。
ここまでの腕前の冒険者は、最近見ないらしい。
一同は表通りに出てから話し合う。
「俺食い物!」
「却下。」
「ひでーよムウ!」
「………魔法の補助具見たい」
「「「賛成」」」
「また無視!?」
魔法の補助具の置いてある、なんだか怪しい店に入る一同。
「どんなのが欲しいの~?」
「………指輪の形の魔力回復の道具」
「この辺ね。」
何も無い所で立ち止まったアヤメとツバサに、男3人は首を捻る。
「おやまぁ、良く分かったね。」
女性の店主が現れた。突然何も無い所から。
「「「!!!」」」
「気付いて無かった~?」
「ずっとそこに居たわよ。」
「お見通しかい。そこの阻害魔法を解くから、どいて。」
一同が一歩下がると、店主が杖を近づけた。
沢山の魔法補助具が、隠されていた。
「回復用ならこれかしら?」
アヤメが、青い石がはまった指輪を手に取る。
「一番良いのを一発かい…高いよ?」
「いくら?」
「20万さ。」
「高い!」
「………わあ」
「ほう…」
「回復能力がずば抜けているから当たり前じゃない。」
「だよね~」
アヤメとツバサに、隠し事が出来ないと分かった店主は正直に言った。
あまりの値段に驚いた男3人、アヤメとツバサは慣れているらしく、気にしていない。
「………そんなに無いよ」
「買ってあげるわ。」
「………え!?」
アヤメがいきなり言うので、ラングは固まった。
「これまでの貯金が有るから平気よ。錬金術は儲かるの。」
「………良いの?」
「もちろん。」
あっさりお金を払うアヤメに、店主も驚きで引きつっている。
「…ありがとう!」
「良かったね~」
満面笑顔のラングと、呆け顔のジンと尊敬の眼差しのムウと、気にしてないアヤメとツバサは店を出た。
「凄いな!」
「さっき言ったよね。錬金術は儲かるの。かなりね。」
「逃亡中~稼いだの~」
なるほど、だから国から逃げ出しても生き延びたのか。
あまり触れてはいけないと、ジンは話を変える。
「2人はどこか行きたいのか?」
「貴金属店かな。」
「私も~」
これまた、敷居の高い所に…
男3人は外で待つ事にした。
流石について行けない。だって、奢れないし、恥ずかしいし。
待つ事30分2人が出て来て、ジン、ラング、ムウに小包を渡す。
「たいした物じゃないわよ。」
「期待しないでね~」
アヤメはグリフォンのペンダント、ツバサはドラゴンのペンダントを身に付けている。両方今買ったらしい。
グリフォンとドラゴンは宝石を抱えているデザインだ。
グリフォンはイエローダイヤモンド、ドラゴンはダイヤモンドを抱えている。
高そうだ…
「開けて良い?」
「もちろん。」
ジンの小包には、獅子が宝石を抱えているデザインのペンダントが入っていた。ルビーのようだ。鑑定書に書いてある。
ラングは、金魚が宝石を抱えているデザインでサファイア。
ムウは、鳥が紫色の宝石を抱えているデザインだ。スピネルと鑑定書に書いてある。
「もしかして…」
「………世界にひとつしか無い?」
「完全にオーダーメイド?」
「当たり。良かったサプライズ成功。」
「嫌だった~?」
「嬉しい!」
「………ありがとう!」
「感謝します!」
前もって、頼んでおいたらしく、本当は学園で受け取るつもりだったが、休日出かける事になったので、ここで受け取る事にしたらしい。
男3人は、必ずお返しを用意しようと決意した。
実は3人は初めて、心からのプレゼントを貰ったのだ。
ジンは、押し付けられた物なら有るが、好意でのプレゼントは無い。
ラングは周りから蔑まれて居たから、プレゼント自体が初めて。
ムウは村が貧しかった為、プレゼントの概念が無かった。
「良かったわ。」
「ちょっとドキドキしたね~」
この日、皆はオーダーメイドのペンダントを身に付けて、ご機嫌で学園に帰った。
☆☆☆☆☆
「〈スピネル〉来て」
「主どうした?」
「安心出来る物、できた。」
「良かったな。」
「うん…」
ムウは寮の自室で、ペンダントを大事そうに胸元で揺らしながら、〈スピネル〉に言った。
「この宝石、スピネルだって。」
「これが…」
「師匠達に貰った。」
「粋なことをする。」
「初めてだ…」
「村に概念が無かったからな。」
「だから、最初びっくりしたよ。意味が分からなくて。」
「そうか。」
「見てると安心出来る。」
「良かったな。」
ムウと〈スピネル〉は笑い会った…
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