敵を騙すには味方から※
長々と打った文字が消えた瞬間は、力が全て抜けます…真っ白になったよ~!
「何で寝てんの?」
『ジンの馬鹿!台座に魔法陣が有るの!そのせいなの!』
「ツバサ。そろそろやめて。偽人格でしょう?」
『ばれましたか。はい偽人格ですが、台座の魔法陣により、命令が送られます。テレパシーの維持で手一杯ですが切りますか?』
「テレパシーはそのまま。結局切っても起きれないって事でしょう?」
『はい。』
「偽人格ってなに?」
『ジン様今の私が偽人格です。脳内に精神魔法で干渉し空間魔法でコントロールルームが作って有ります。そこで様々な設定をし、偽人格を表面意識に定着させるのです。』
「違和感だらけ…」
「脳内が機械だと思ってジン。」
『その認識で構いません。』
「今は後回しじゃ!見たこと無い魔法陣じゃ!どうなっとる?」
『精神干渉魔法です。人形を見たと思いますがほぼ同じです。へたに壊すと精神が破壊されます。』
「あぶねー!やるとこだった!」
「ジン下がってろ。邪魔。」
「ムウの言うとおり邪魔☆」
ジンは灰になって飛んでった。
「この線とこの線とこの円が怪しいんじゃ!」
「違います!あの円とあの曲線とあの直線が怪しいです!」
『あの、よろしいでしょうか?』
「待つんじゃ!」
「あと少し!」
『それ、絵ですよね?何してるんですか?怪物?魔物?』
「違う!猫じゃ!」
「違います犬です!」
「犬にみえんぞぃ!」
「猫はもっと可愛いです!」
『もう少し、真剣にやって下さい。』
ザンッ
レイピアが校長とエリナ先生の間に突き刺さる。
「いい加減にしなさいよ。」
「般若がおる…」
「殺気が痛い…」
『あの、よろしいでしょうか?』
「何かしら?」
『外の人間を捕まえ、問い質せば良いのでは?』
「忘れとった!」
「人居ますよね!」
「ごめんなさいツバサ。この2人を頼ったのが間違いだったわ…ジン出番よ!」
「はい!」
「ちゃんとした人を呼んで来て。手段は死ななきゃ良いから。」
「はい!」
10分後…
「連れてきました!」
「離せよ!」
「白凰 連!ナイスよジン!」
『お久しぶりです。ご当主様。』
「「「「「当主!?」」」」」
「あ゛?無礼者!何するんじゃ!」
「さっき戦った、蓮華の息子よ。ご当主この魔法陣の解き方を教えて下さい。」
「断る。人形の言うこと何ぞ聞かん。」
『ご当主様。あなたの部屋の一番左端の畳の下に…「分かった教える!」…ありがとうございますご当主様。嘘ついた場合、この秘密は遺言書に書き学園に保管されてますから、正直にお教え下さい。』
「分かったから!教えるってか魔法陣消すから頼む!」
『では、よろしくお願いします。』
15分後無事に解除出来ました。
「ツバサ、偽人格解除して。」
(自衛システム、接続、現設定解除、システムロック確認、ログアウト)
「疲れた~弱みは大切だね~因みに遺言は嘘。ありがとうご当主様♪」
「さすがツバサね!」
「こうでなくっちゃ☆どうせエロ本でしょう~☆」
「そう!笑っちゃう~♪」
「馬鹿みたい。」
男4人は思った。
((((女は強い!そして怖い!))))
ご当主の堪忍袋の緒が切れた。
「てめーら!皆殺しじゃあ!」
ザシュッ
ツバサの風魔法が発動した。
「ねえ、私が何のためにこの家に来たと思ったの~…この家を徹底的に調べ社会的にも、人間的にも終わらせる為だよ。」
「なん…だと!」
「ただ眠ってたんじゃないよ~私の精神世界は万能なの。首輪の命令元まで辿り着いたわ~」
「何?」
「この家の貴方の大切な宝物~もといお人形さんに」
「!?」
ツバサは歩き出した。
関節をほぐしながら地面を確かめるように。
当主を連れて皆後を追う。
◇◇◇◇◇
「本当に辿り着いたんだな…」
「皆びっくりするよ~」
一つの何でもない扉を開け放つ。
「…嘘!?」
「ええ!?」
「はあ!?」
上からアヤメ、エリナ先生、校長。
そこに居た…もとい監禁され、沢山の配線に繋がれ、点滴をうけていたのは、この国の現国王の娘だった…。
「まさか国王の娘だと…」
校長の発言に驚くジン、ラング、ムウは硬直した。
「この国の建国当時、白凰家はサポーターとして支えてたの~だけど同時に弱みを知ることになって~王家の弱みにつけ込んで~王家の血筋に多い精神干渉魔法が特に秀でた者を奪い、この首輪の起源となる、洗脳装置を作ったの~」
「な!どうして王家は何もしない?」
「弱みが大きいのと、この装置が国を支えてる現状に~後戻りが不可能になったの~まあ自業自得ね~」
ツバサは王女に近づくと、そっと手を王女の額にのせる。
「ああ~無理か…もう精神が死んでる…可哀相に、死にたいと言う意志だけ残ってるね…」
「この事はどうするつもり?」
「もちろん、証拠と共に公表するよ~」
「無理じゃない?証拠って王女の事?」
「大丈夫。書記が残ってる。王女から来る命令を弱く抑えて乗っ取って、他の人形に私が命令しといたから~」
部屋に人形が入って来た。
人形は書記の入ったダンボールを持ってきていた。
「ムウ、持ってて~」
「承知」
連が突然口を開く。
傷は浅いがかなり痛いらしく、途切れ途切れに叫ぶ。
「だ、誰が、信じるものか!」
「知らないの?かなり白凰家に王家は怒ってるよ。この王女は5歳でこうなったんでしょ?王家も力付けたし、味方しないよ~むしろ敵対関係だね~」
「そんな事、有るわけ無い!あ、あれは絶対に王家は知られたくない事だ!」
「なら、確かめる?後国民も不信感募らせてるよ~。外に集まってるし」
「……なに?」
ツバサ達は外に出て来た。
確かめる為に。
「何で?」
目の前には王国騎士団が並んで居た。
「白凰家、既に事は国王様に届いている。今回の不祥事、責任をとってもらう!」
「なに?忘れたか?我が家は「黙れ!」っ!」
「王家の者に対する行為、民衆に対する実験、学園の生徒の拉致他にもあるが、既に厳罰は免れぬ!」
「厳罰?」
「作用、そこの者!」
「ムウ、ダンボール差し出して~」
ムウがダンボールを丁重に受け渡す。
「確かに。証拠は受け取った。」
「約束、守ってね」
「もちろん!協力して頂いた事に、国王様が礼をしたいと言われている。来て貰えぬか?気高きドラゴンの如き娘よ!」
「断れないね。王様がそこまで言うなら行くけど、あと6人良いかな~協力者なんだよね」
「もちろん!」
外で待機していた教師は、生き残り命令から解放された、まだ無事な者たちの今後の為の準備に学園に戻った。
学園で引き取り、心のケアと正しい知識を教える為だ。
流れで王の謁見の間に行く事になった6人は、とにかく緊張していた。
馬車内は終始無言だった。
◇◇◇◇◇
「ご苦労であったな。」
「敬語、要ります?」
「要らぬ。そちの方が人間が上だ。」
謁見の間に用意されていた椅子に座りながら、軽く話して居るツバサ。
あいては王様だが、関係無いらしい。
「良かった。慣れないしめんどうだから嫌なんだ~」
「あの、ツバサ。説明して欲しいんだけど…。」
「ごめんアヤメ。忘れてた」
~~~~~
予知夢を見て、ラングに精霊魔法を教えてから、直ぐに神獣に乗り、首都に飛んだ。
城は奥まった地に有り、とても人が少ないから楽に侵入出来た。
結界には穴を開け侵入し元に戻した。
王に謁見を求め、強引に押し切り、白凰家の厳罰を求めた。 しかし、王も其処まで事態を知らなかった。
白凰家が隠し続け、事ある毎に脅迫され、触れたら魔法師の攻撃も懸念され板挟み状態だった。
証拠さえ有ればと話になり、ツバサは協力するが、私達アヤメとツバサの戸籍の再発行(死者扱いだった為)と、2人に何か有れば手を貸すと言う条件を付けた。
さすがに戸籍が無いと働く先が無いし、学園の書類にも必要になった。
王家の後ろ盾は大きい。
裏の事情は建国当時の物で既に効力は薄く、王家の印象も良い。白凰家と違い、民衆を徹底的に保護した結果だ。
王は直ぐに了承した。
2人との繋がりは大きいからだ。 利害が一致した為に、ツバサには発信機と緊急連絡用の札が渡された。
ツバサはわざと捕まり情報を集め、皆が来た時点で緊急連絡用の札を使った。
あまりにも、功績が大きい為に王が呼び出す結果になったが…
~~~~~
「って事。敵を騙すには味方からでしょ?それに本当に助けも欲しかったしね~」
「わしはまんまと、策に踊らされたか!しかし、本当に高校生かね?」
「高校生だよ。それに、学園に良い事も有るよ。ねえ?」
普通に話しを王に振るツバサ。気にせず答える王。
「うむ!先ず、王として詫びと礼を言う!すまなかった、本当に助かった。我が個人としてしか出来ないが、学園に援助をしたい。勿論個人的にだ。中立的立場を忘れては居ない。」
「ほう!それは助かる。かなり学園は金が飛んでいくからのぅ。エリナ君?」
「!!!」
「こちらとしては、ありがたいのぅ。ツバサ君は策士じゃなぁ!」
「あはは…アヤメを信頼してたし、〈レジェンド〉も、皆強いからね~連携もアヤメならうまく纏めるしね!」
ツバサはアヤメがどう動き、どう影響を与えるか、分かって居た。
長年の信頼は伊達じゃない。
ツバサには無い、指揮力とそれをなせる性格があるから出来た。
アヤメは人を惹きつけ、信頼を得るのが早い。だからこそ、無茶をした。
ジンに協力を求めたのは、アヤメが狼狽して判断力が鈍り、なおかつ暴走した時の為の保険だったが、うまく行ったようだ。ジンは真っ直ぐだからこそ、言葉に重みが増す。そして、努力するからこそ皆が認め、話を聞いてくれるのだ。
ラングは精霊に好かれるほど気が優しく、弱いが、だからこそ慎重になってくれる。
ムウは沢山辛い事があっても、折れない強さと思いっ切りが良い。決意、決断力も良い。
学園を動かしたのは、国と戦う者と言う前書きで、目撃者として言い逃れを防ぐ為。中立の学園に喧嘩を売ったと言う事実は、どれだけ白凰に忠実を誓って居ても、学園と言う絶対の存在の前では、白凰を裏切るより他は無い。つまり、白凰に付く可能性の高い者への、牽制である。
同時に、王家が白凰を討つ為の明確で、国民にも分かる理由も兼ねている。
(上手くいったな…)
ツバサは良く見ている。そして、冷静に物事を見て、考える。
学園の存在、アヤメの周りを支え、共に歩む仲間、必要な物が全て揃った。
だからこそ、策がうまく行った。
やっぱり、皆はバラバラだけど、だからこそ輝くんだよ…
ご感想お待ちしております!




