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対抗戦当日

戦闘シーンは難しい

 チーム対抗戦

 第一グランドに、〈レジェンド〉と〈ミラージュ〉が戦闘準備を終わらせ開戦を待つ。

 第一グランドはコロシアムの様に、周りをぐるりと石造りの観客席が並ぶ。

 〈レジェンド〉に対して、クラスの皆が掛けた言葉は、応援では無い。


『〈ニーファ〉の貴族に喧嘩を売るな』

『うまく負けておけ』

『いやいや、〈レジェンド〉が勝てる要素は無いだろ』

『確かに、天才のシラギはまだしも、馬鹿正直なジン、何時も寝ているシラハネ、出来損ないのラング、根暗なムウ、無理だよなぁ!』

『大層な名前付けちゃって(笑)』

『あれじゃね?当て馬!引き立て役!』

『あ!エリナ先生困ってたからかっこつけたのかも!』

 

 などなど、言いたい放題…。

 エリナ先生は爆発寸前。


(戦いもしないで!馬鹿者が!)


 〈レジェンド〉はアヤメ、ツバサは平然と相手を見据え、ジン、ラングはムウを抑えていた。


「良かったわ!皆様私達に遠慮して、辞退したゃうものだから、困って居たのよ。ねえ、クリス?」

「エレミア、油断は禁物ですよ。」


 エレミアが勝ち誇った顔をしている横でクリスティア・ウォル・ガーデンは、嫌な予感がしていた。

 リーゼ・スコット、ラザック・ガーディナは、暴走癖が有る。

 普通ならあまり気にしない。

 でも、〈レジェンド〉からは戦場に居るかのように、隙が全く無い。

 暴走癖は隙を作る。

 

「どうなさったのです?クリス壌?」

「リーゼ、ただ緊張したのです。」

「ご心配無く!俺様が粉砕しますから!」

「拳で語るのみ!」


 緊張感の無い〈ミラージュ〉にアヤメが珍しく叫ぶ。


「エレミア様こちらは本気で行きますから、ご油断なさらぬ様にして下さい。」


 只、本当に油断されると、困るだけなのだが。一瞬で終わるから。

 だが、挑発と受け取ったらしい、エレミアが前に出る。


「調子に乗らないで下さる?貴方はまだしも、他の方は…」

「エレミア、お止めになって!」


 対照的だと、アヤメは思う。

 ブラウンの髪をリボンで二つに高く結い、つり目で高圧的な銀の瞳のエレミアは、プライド高いお嬢様。 同じ、ブラウンの髪を長い三つ編みにしている、理知的な青い瞳のクリスティアはおしとやかで聡明な貴族令嬢。


 2人共杖を構えている事から、魔法専門なんだろう。

 だが、構えすら違う。

 エレミアは杖を突き出す様に、今にも飛びかからんと構える。

 クリスティアは静かに、いつまでも魔力を注げるよう、慎重に構える。


(本物の歴史をもつ貴族は違うな。)


 リーゼ・スコットは活発的、ラザック・ガーディナは短髪の金髪に猛獣の様なブラウンの瞳、ガナン・バラードは多分気にしてないんだろうが、ざっくばらんなブラウンの髪に黒い瞳。


(いやはや、共通点が見当たらない。)


 突然、ツバサがエレミア達に声を掛ける。


「エミー、クリス、リーちゃん、戦闘狂、暑いおっさん、って呼ぶね~」


 ………おい!


「んな!馴れ馴れしく呼ばないで頂戴!」

「良いですわよ。」

「クリス壌?駄目じゃないですか?」

「皆さんそう呼びますから。」

「そうですか。ってリーちゃんは無いよ!恥ずかしい!」

「戦闘狂?光栄至極!気に入った!」

「おっさんじゃない!同年齢だ!」


 完璧にツバサの掌の上で遊ばれてる。

 クラス皆唖然。エリナ先生は吹き出してる。

 ジンは大笑い、ラングは青ざめている、ムウは笑いを堪えるのに必死。 

 アヤメは想定内だったらしくため息を吐くと、エリナ先生に視線を投げる。


「ぷっ!こ、これより!ち、チーム対抗戦を始めます!み、皆さん準備良いですね?では始め!ぷっ!もう駄目…」


 エリナ先生頑張った!笑い堪えるのに必死になりながら言い切った!

 現在、腹抱えて笑い転げ中!

 そっとしといてあげて皆!


「行くぜ!俺の斧の味思い知らせてやらぁ!」

「おせーよ!」

「あん?」


 開始直後、動いたラザックに、ジン。

 だが、ジンはアヤメの加速魔法を受けている。

 ジンの大剣がラザックに迫る。

 ガナンがグローブを装備した拳で殴りつけ逸らす。

 しかし、ムウがエレミアの横に突然現れる。 

 ジンと同時に動き出し、ジンの大剣の影に隠れ、大剣が振り上げられたと同時に跳躍したのだ。

 ムウにもツバサの加速魔法が掛けられている為、ラザックもガナンも追い付けない。

 リーゼが滑り込んだ。

 ムウ居合い切りで斬りかかる。

 リーゼダガーで止めるが、力負けして飛ばされる。


「我が友を包み込んで!」


 クリスティアの水魔法で受け止められる。

 即座にリーゼ立ち上がる。


「不可視の刃」


 そこにラングの風魔法が飛ぶ。


「跳ね返しなさい」


 しかしエレミアの特殊魔法が発動。

 そのまま跳ね返り、ラングに迫るがツバサの鉄扇が弾く。

 ラザック斧を振り回し、ジン、ムウを引き離す。 

 リーゼのダガーがムウに迫る。

 ムウ刀で軌道をずらし、カウンターを放つ。

 リーゼ後ろに飛び、威力を殺す。


「風よ貫け」


 ラングの放った風の矢が追撃し、リーゼの反応が間に合わず直撃する。

 何とか体制を立て直したリーゼの前にガナンが滑り込んだ。

 ムウ、ガナンに斬りかかる。

 ガナン拳で弾く。

 そこにいきなり落雷が落ちる。

 察知していたムウは無傷。

 ガナン何とか踏ん張った。

 ツバサの援護射撃に気を取られるラザックに、ジンが大剣を凪ぐ。

 間一髪、クリスティアの水魔法が受け止める。

 しかし、詠唱破棄した為不完全になりラザックに浅い傷が付く。 ラザックの後ろからムウが突きを放つ。

 ラザック間一髪よける。


「水の檻敵の動きを封じよ」

 クリスティアの水魔法が、ジンとムウを捉える。

 しかし突然水が凍り不発に終わる。

 そこに風玉が当たり粉砕する。

 アヤメとツバサの援護射撃。

 ジンとムウは信頼から成り立つ連携によって、敵の不意を討つ。

 不発に終わった魔法に目を取られるクリスティアに迫る。

 ガナン、ラザックが間に滑り込み防ぐ。


「光の雨よ降り注げ」


 エレミアの聖魔法、光矢が降り注ぐ。


「不可視の盾」


 ラングの盾が時間を稼ぎ、ジンとムウはその場から下がる。

 ラザックの斧がジンに迫る。

 斧に風魔法が纏わりついている。

 ジン大剣を盾にしたが、風魔法により飛ばされる。

 ツバサの風魔法が受け止める。

 ガナン拳に雷を纏わせムウに迫る。

 ムウ咄嗟に魔力を解放。

 闇が雷を食らう。

 ガナン目を見開く。

 上からジン大剣をガナンに叩きつける。

 いつか見たツバサの技の真似。

 ガナン咄嗟に避けるが間に合わず、左肩が裂ける。

 ラザックがジンに迫る。

 リーゼがムウに迫る。

 ガナン魔法薬を飲み込む。


「風の刃」


 ラングの風魔法がガナンに迫り、ガナン反射的に身を引く。

 隙が出来る。

 ムウ、リーゼを蹴り飛ばし、ガナンに切りかかる。

 ガナンよけられず腕をクロスする。

 しかしラザックがいきなり斧を振り回した。

 ジン、ムウ間一髪よける。


「光の槍」

「水の槍」


 エレミアとクリスティアの魔法が追撃するが、ジン、ムウは体制を崩している為よけられ無い。

 しかし焦らない2人。

 魔法により爆風が吹き荒れる。

 エレミアとクリスティアはホッと一息付いた。

 が、いきなりジンがラザックに大剣を叩きつけ、ムウがガナンを斬りつけた。

 アヤメとツバサの鉄壁の盾。

 ジンもムウも元から魔法が当たらないと分かって居た為力を貯めた。

 貯めた一撃は重く、ラザックが倒れる。

 ガナンは膝を付く。


「吹き荒れる刃」


 ラングの風魔法、不可視の刃が降り注ぐ。

 ガナンに直撃。倒れる。

 リーゼ突撃。

 ジン大剣で弾く。


「気を抜くな!」


 アヤメが叫ぶ。

 ジンの後ろからボロボロのラザックが渾身の一撃を放つ。

 ジン咄嗟に大剣で受けるが飛ばされる。

 ムウが受け止めた。


「水の刃」


 クリスティアの水魔法が迫る。

 ムウの魔力が水魔法を飲み込む。

 しかし飲み込みきれず直撃する。

 ジンがムウを支えた。


「光の槍全てを貫き敵を滅す敵は」


 エレミアの今までと違う長い詠唱が響く。

 エレミアの魔力が集まる。

 ジン、ムウ危険と判断全力で下がる。

 止めるには距離があり過ぎる。


「風の刃」

 

 ラングの魔法が飛ぶ。


「水の盾」


 クリスティアの水魔法が止めた。


「見ること適わず防ぐこと適わず」


 ジン、ムウは足を止めた。

 理解した。

 下がらなくて良い、意味がない。


「浄化される駆け抜けよ」


 エレミアの魔法が放たれた。

 戦場が光で溢れ、収束し一直線に駆け抜ける。

 〈ミラージュ〉のメンバーと観客席の皆は目を開けて居られなくなって目を閉じる。


 直後轟音が鳴り響いた。


 視界は土煙で塞がり、何も見えない。

 エリナ先生は後悔した。


(あんな対魔物魔法しかも、上級魔法をかなり長いとは言え詠唱して発動までするなんて、甘く見ていた。詠唱の時点で慣れてないと分かって失敗すると思って気を抜いていた…)


 長い詠唱はイメージが固定されていない証拠とされ殆ど失敗する。

 出来てもかなり弱い中途半端な物になり、只の魔力の暴走が起きるだけなのが普通なのだ。

 だから、ジン、ムウが離れた時、魔力の暴風ならなんとかなると思った。


 だけど、成功してしまった。


 〈ミラージュ〉の皆も唖然としていた。興奮が冷め、事態を把握したからだ。


「………う…そ」


 エレミアだってヤケクソだった。

 信じられずにそう呟いた…。


 未だに土煙は収まらず、魔法の余波も駆け抜けている…。

 それだけの威力の魔法だった…

ご感想お待ちしております。

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