苦手克服※
今回は短いです。苦手な事は理由さえ分かれば何とかなるものかも知れません。
あれから数日経った。
なんかエリナ先生がやたら話しかけてくる様になる以外は、今まで通りに戻った。
ツバサは、翌日はまたいつも通り、寝てたり、何でも人に任せたり、明るく笑ってた。
ジン、ラング、ムウが戸惑った位いつも通りだった。
アヤメもちょっと静かだったけど、いつも通り世話をやいていた。
今もいつも通り、ツバサは寝て…
ガバッ!
「………!」
「びっくりした!ツバサいきなり起きないでよ。どうしたの?」
突然起き上がって、少し考えてから、満面の笑顔になるツバサに、驚きながらも聞いてみるアヤメ。
「ラング~良いこと思い付いた~♪」
「…え?僕に関して?」
「うん♪」
「何だ何だ!?俺は?」
「関係ない~」
「………」
ジンは灰になった。
「精霊魔法って知ってる?」
「「?」」
ラングとムウは首を傾げる。
「なる程。そう言う事ね!」
「…何の話?」
「説明求む」
~~~~~
精霊魔法は、本来自分一人でやる魔法を、精霊にお願いして、力を貸して貰う事で効率を良くする特別な魔法。
本来精霊が見えない為使えないが、訓練して見えるようになり、言葉も理解出来る様になったら可能になる。
ラングは生まれ付き条件を満たしているため、問題は無い。
魔力が少なかったり、苦手でも、精霊に手助けして貰う事でうまく魔法が使えるようになる。
ある程度の信頼関係が必要で、精霊に好かれてないと無理。
~~~~~
「仲介役って事よ。詠唱も短縮出来て、ものすごく強力なのよ」
「…精霊を使うのは……」
「違う違う!精霊にお願いするの~」
「…出来るかな?」
「「出来る!」」
いきなりの事に戸惑う男3人を引き連れ、エリナ先生の所に向かう女子2人。
着いたら即相談。
「って事です。」
「なる程。盲点だったわ!珍しい能力だから忘れてたわ☆」
「じゃあグラウンド貸して貰える~?」
「もちろん☆可愛い教え子の為だもん♪」
「じゃあ早速、行って来ま~す!」
「ラング君頑張って♪」
案外簡単に許可が出て驚く間もなく、第三グラウンドに着いたら即練習。
「ラング~此処にいる子に話しかけて~」
「……………………え?本当!?」
「良かったね~。」
「うふふ、仲良しね。」
「「説明求む!」」
「ああ、問題無く力貸して貰える事になったよ~。ここに居る~」
何も無い所を指差すツバサに、首を傾げるジンとムウ。
「…嬉しいな」
「普段から仲良しなのね。」
「…うん!」
「「ついて行けない」」
「今から使ってみよ~。まずは火を出してみて~。」
そう言われても、ラングは今までほとんど成功しなかったので、躊躇しながら、言葉を紡ぐ。
「…我が手の平に火を」
ボワッ
「わあ!」
「やり過ぎ!やり過ぎ!」
「はあ…今消すわ。」
いきなり燃え盛って広がる炎に、アヤメは手の平で払う仕草をすると、水が雨の様に降り注ぎ、火は消えた。
ジンが少し焦げた。
「…ご、ごめん…でも今まで成功しなかったのに、精霊が居るだけで全く違う!」
「ラングは特別精霊に好かれてるからよ。普通こんなにうまく行かないわ。」
「……へぇ」
「後は、調整をするだけね~精霊と相談するか、触れながらイメージを教えると伝わるよ~」
「…なる程……………じゃあ行くよ!」
「どうぞ~」
「我が手の平に暖かな灯火を」
ボウ
「おお!さっきと違う!すげーラング!」
「……嬉しいな!魔法使えたよ!」
「精霊魔法は自分の魔力の消費が抑えられるから、魔力が少なくても大丈夫よ」
「無駄が無いってだけなんだけどね~」
「……へぇ…どうやって消すの?」
「「「「え!?」」」」
「今まで成功しなかったから分からないんだよ…」
「普通に念じるだけだよ~」
フッ
「やった!消えた!」
「「「「………」」」」
何だかちょっと、複雑な気持ちになった4人は、とりあえず喜ぶ事にした。
「「「「おめでとう」」」」
「…ありがとう!」
◇◇◇◇◇
「盲点じゃったわ!精霊使いなんて、そうそうおらんからのぅ」
「完璧に忘れてました」
「良かったじゃないか!苦手克服じゃ!」「苦手の域越えてますが、本当に良かったです!」
この日、校長先生はご機嫌で、あまりに嬉しく小躍りして、エリナ先生にどん引きされた校長先生。
一日中校長室から笑いが聞こえたらしく、皆不思議そうにしていた。
◇◇◇◇◇
夜闇の中飛び立つ影が、学園を飛び出して行った。
驚くべきスピードで、直ぐに見えなくなった影。
数時間経って、また驚くべきスピードで影が学園に舞い戻った。
誰にも知られず、学園に消えていった…
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