洩矢神社
どなた様かは分かりませんが、文章及びストーリーの評価を入れて下さった方ありがとうございます!!
これを励みにますます頑張りますので今後ともよろしくお願いします。
それでは、どぞー
諏訪子の案内で神社を目指して30分、道中が暇だと言うことで質問攻めにあっていた。
転校した子ってこういう感じなのだろうか?
諏訪子の口からまるでマシンガンのように次々と言葉が出てくる。
やれ、
諏「あそこで何をしていたの?」
だの、
諏「あの桜はなに? どうやって消したの?」
だの、
諏「神力持っているから神なのかと思ったけど、人間の気配しかしないのはなんで?」
とか、
諏「っていうかホントに人間? 妖怪とかじゃないよね?」
ピクッ
今のは怒ってもいいよね?
こんなどっからどう見ても、ただの人間にしか見えない俺をつかまえて妖怪?なんて聞くなんて
いやいや、落ち着け俺。 Coolに行こう。
相手は神とはいえ幼女だ(普通逆か?)。 そんなことで怒っていちゃ、この先ストレスで寿命が縮む。
不老だけど・・・
晴「あぁ~、少し落ち着け。 そんなに一辺に言われても答えきれない。 とにかくその話は神社に着いてからいくらでも答えてやるから」
いくら暇だからってもう少し神である自覚とか威厳って奴がないもんかね?
諏「仕事とプライベートは割り切るものだよ」
心読まれた!? 流石神(見た目幼女だけど)
諏「ふふん、見直した? 崇め奉ってもいいんだよ?」
ドヤ顔で胸を張る目の前の幼女、諏訪子。
美桜と比べるなんて考えもしない。
とか考えていると、目の前を弾幕が通過した。 若干鼻を掠めた気がする。
晴「危ないな、何するんだよ!」
諏「今、失礼なこと考えたでしょ?」
晴「失敬な! 失礼か失礼でないかは俺の独断で決める事だ。」
諏「と言う事は、何か失礼な事を考えたな! まてーーーー!!」
弾幕をばら撒きながら追いかけてくる諏訪子。
冗談じゃない、いくら力で勝っているからって疲れることは御免被る。
そんなこんなで神社に着いたのはそれからさらに1時間後だった。
ちなみに、全て弾幕を避けられた諏訪子はかなり悔しがっていた。
最後の方とか、かなり本気になっていたし。
そんなこんなで着きました。
名前は洩矢神社。
かなり立派だけど、なんていうか普通にたたみあるし、テーブルだってあるし・・・
あれ? ここかなり昔の時代じゃ無かったっけ?
途中で稲作とか見えたけど、着ているものが確か弥生時代かその辺のものだった。
まぁ、いいや。 気にしても仕方が無い。
使えるものは使わないとね。
とりあえず、自分の事を説明するか。 約束だったしね。
諏訪子は、お茶とお菓子を準備して聞く態勢はバッチシだ。
諏「さぁ、早く話を聞かせてよ」
諏訪子は目をキラキラさせながら、急かしてくる。
これから大好きなアニメが始まる前の子供みたいだ。
その様子に和みながらまずはあの場所で何をやっていたかの説明を始めた。
少年説明中・・・
幼女騒聴中・・・
諏「へぇ~、なるほどね。 合点がいったよ」
諏訪子は腕を組んでうんうんと頷いている。
何を説明したかと言うと、あの山で眠っていた事とか、どうしてそういう経緯に至ったのかとかね。
転生云々の話は、はしょった。 どうせ信じてもらえないし。
諏「じゃあさ、なんで神力持ってるの? 見たところ信仰されているわけでもないのに異常すぎるよ、あの神力は。 というか、人間が神力を持っている時点でおかしいし」
晴「ああ、それは「それは、妾が説明しよう」美桜、珍しいな」
いきなり、自分の隣に美少女が現れた事でかなり驚いている諏訪子。
あ、なんかすげぇ動揺してる。
諏「なっ、なっ、誰だ、お前は?」
美桜「じゃから、それを今から説明するのじゃ。 とりあえず、妾は神咲美桜。 晴夜の護り神じゃ」
諏「護り神? そんな神は聞いた事ないぞ」
おお~、威厳たっぷりの口調だけど見た目にそぐわないのでむしろ可愛らしい。
美桜「それはそうじゃ、妾が初めてじゃからのう」
諏「それで? その護り神とやらはどのような神なのだ?」
晴「諏訪子、威厳たっぷりに話しているのは構わないんだけど、美桜は俺と感覚を共有できるからさっきのやり取りとか全部見られているぞ」
諏「えっ、そうなの? んじゃ、素を出しても平気だね」
変わり身早いな。
美桜「話を続けるぞ? 護り神は家や個人などを災厄などから護ってくれる神のことじゃ。 普通は家などに 神棚を設けるのじゃが妾の場合は少し特殊での、契りを結んだ結果、妾は晴夜の魂に寄り添う形で護り神になれたのじゃ。 妾の力はそのまま晴夜が行使する事もできる。 そして、晴夜との絆の深さで神力が増えるのじゃ。 ここが信仰とはいささか違う点かの」
美桜がこちらに擦り寄ってくる。 その顔はとてもうれしそうだ。
俺はさも当たり前のように気にすることもなくお茶を啜る。
諏「契りって、何をしたの?」
啜っていたお茶を盛大に吹いた。
やべぇ、気管に入った。
激しく咳き込みながら何とか呼吸を整える。
まさか、そこに食いついてくるなんて予想外だった。
美桜は顔を真っ赤にして俯いているし、
諏訪子は二人の反応に目を白黒させていた。
諏「えぇ~っと、触れちゃいけなかったかな?」
別にそんな事は無いんだけどいきなりだったので驚いた。
だけど、今はそれどころじゃないので呼吸の正常化に勤める。
す~は~、す~は~。 うん、大分落ち着いた。
晴「言ってもいいのか、美桜?」
未だに真っ赤な顔をしている美桜はコクンと頷く。
晴「いいか? 一度しか言わないからな、接吻だよ」
諏「はい?」
もう言わない、こっちだって恥ずかしいんだよ。
美桜は両手で顔を覆ってしまった。
熱でもあるんじゃないか?ってくらい真っ赤だ。
閑話休題
美桜は大分落ち着いたようだ。
諏訪子も少し頬を赤らめているが概ね意味を理解したのだろう。
晴「さて、だいたいこんなもんか?」
諏「えと、そうだ!二人の能力を教えて」
能力か、そういえば説明してなかったな。
晴「さっきも言ったけど俺の能力は【癒しと浄化を操る程度の能力】、大体想像つくだろ? 美桜は【桜花を司る程度の能力】と【火と水を操る程度の能力】って言って、桜花ってのは桜の事だな。 後は分かるだろ?」
諏「は~、なんだか規格外の能力だね。 あっ、私の能力は【坤を創造する程度の能力】だよ」
晴「坤ってなに?」
美桜「八卦の一つで地を意味するのじゃ。 つまり、大地を想像するということじゃな」
・・・十分規格外じゃん。
晴「さて、大体こんなもんか?」
諏「そうだね、聞きたいことは訊けたし。 ねぇ、この後旅に出ちゃうの?」
晴「ん? 別に何か目的があって旅してる訳じゃないからな。 急いでいる訳でもないし」
諏「それじゃあさ、しばらくここに住まない? 部屋も余ってるし、何より私は晴夜と美桜が気に入った!」
晴「俺は別に構わないけど、美桜はいいか?」
美桜「妾は晴夜がいればそれで良い」
なら、決まったも同然だな。
晴「それじゃ、迷惑じゃなければしばらく厄介になってもいいかな?」
諏「うん!洩矢神社は二人を歓迎するよ」
こうして、しばらく洩矢神社に厄介になることにした。
その日は宴会で何でも俺達の歓迎会をする事になった。
初めて酒を飲むがなかなかいけるな。
美桜もちびちびと杯を傾けている。
うん、実に絵になるね。
そうやって静かに終わってくれれば良かったんだけど諏訪子が、
諏「私のお神酒が飲めないっていうのか~?」
とか言って盛大に絡み酒をしてきて大変だった。
結局、酔いつぶれるまで呑まされて朝起きたときには酷い二日酔いだった。
晴「うぁ~~頭いてぇ~」
美桜「大分飲まされたようじゃの~」
現在、美桜に膝枕してもらってます。
状況的には最高だけど気分的には最悪です。
諏訪子あとで覚えていろよ。
美桜「能力でどうにかできんのか?」
・・・ああ!その手があったな。 早速やってみよう。
浄化を使って、体を正常に戻す。
あれだけ酷かった頭痛があっという間に引き、気分も大分よくなった。
晴「おお!治った!! ありがと、美桜」
美桜「!・・・どういたしましてじゃ」
思いっきり抱きしめる。
驚きながらもその顔はうれしそうだ。
と、そこへ諏訪子が危なっかしい足取りで歩いてきた。
諏「あ~う~、頭痛いぃ~。 なんで、晴夜は平気そうなの~? 今朝まで苦しそうにしてたのに~」
晴「えっ?能力で治したけど? ほら、癒しと浄化を操れるから」
諏「それじゃ~私のも治してよ~」
涙目でお願いしてくる諏訪子。
可愛いけど、ここで治したら同じ事を繰り返す恐れがある。
ここは心を鬼にして断固拒否しなければ。
晴「ダメ、諏訪子が後先考えないからこうなったんだろ? それに俺は巻き添えを食らったんだから少しは反省しなさい。」
諏訪子はまるで余命宣告されたかのような表情で膝から崩れ落ち、そして今度は足にしがみつく。
諏「あ~う~、もうしないから~お願いだからたすけてよ~」
遂に涙がぽろぽろと零れ落ちる。
少しやりすぎたかな?
そろそろ、飴を投入しますか。
優しく、足に絡まっている腕を解き、帽子を取って頭に手を乗せる。
晴「ごめんね、少し意地悪が過ぎたね。 大丈夫、俺は怒ってないからさ。 今治してあげるからね」
能力を使って諏訪子の体を正常に戻す。
すると、諏訪子が抱きついてきた。
諏「あ~う~、ごめんなさい~」
諏訪子の背中をポンポン叩きながらあやす。
子供の教育には飴と鞭の匙加減が重要なんだよ。
そんな二人を穏やかに見守る美桜の姿があった。
諏訪子は、幼女だけど神なのか、神だけど幼女なのか、いったいどっちなんだ!?
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