詩 彼女が太ったって
「太っちゃった」
「え」
彼女が恥ずかしそうに、俺に言ってきたので、びっくりして全身を眺める。
「見ないでよ!! 恥ずかしい!!」
彼女が隠すように、後ろを向く。
俺としては、太っているように見えないのだが。
ウエストもマネキンみたいに細いし、脚だって鍛えた犬みたいにちゃんと長くて美しいままなのに。
どこが太ったんだ?
「おい。何kg、太ったんだ?」
「内緒」
彼女はスカートを見られていると思ったのか、手を払ってくる。
内緒と言われればそれまでだが、俺はしつこく聞く。
「言え。ちゃんと。俺には太ったように見えないんだよ」
「え!! お腹とか出ているのに!!」
「はあ!?」
腹に注目してみるが、細い道みたいに真っ平らである。
彼女は髪を指に巻きつけながら、話す。
「ダイエット、成功させないと!!」
「決意はいいけど、無理するなよ」
俺は一言告げておく。
彼女は自分のためであり、俺のためでもあるようで、ダイエットを覚悟しているようだった。
「よし、じゃあ、俺も付き合うか」
「え? 何を?」
「俺も痩せる。それなら、心強いだろう?」
俺の提案に、彼女は髪から手を放し、言ってくる。
「あなたはいいの、そのままで」
「良くない。お前が頑張るなら、俺も頑張る。何なら、一緒に運動するか?」
「え…。いいの?」
「おう。食事を抜かすよりは、運動したほうがいい」
俺がはっきり言うと、彼女は悩む仕草をする。
「迷惑じゃない…?」
「大丈夫。メニューは考えておくから」
「ありがとう」
はにかむ彼女を見て、可愛いなと改めて思う。
一緒に頑張ろうな、ダイエット。




