せこいヒーローとめんどくさい怪人
開いてくださり、ありがとうございます。これは演劇用脚本です。それを踏まえた上でお楽しみください。
せこいヒーローとうざい怪人。
はじまり。
爆発音や建物が倒壊する効果音。
怪人が現れる
怪人 はっはは、逃げても無駄だ。この町は俺様のものだ。
ヒーロー息を切らして現れる
ヒーロー やめろ!
怪人 遅かったなヒーロー。待ちくたびれたぞ。
ヒーロー お前の好きにはさせないぞ。変身!
ポーズをとったりアイテムを操作したりする。長い。
怪人待ちくたびれる。
怪人 遅い!
怪人がヒーローを殴る。ヒーロー吹っ飛ぶ。
ヒーロー 痛ああい!何すんだよ!
怪人 遅い!いつまで待たせるんだ!
ヒーロー ヒーローの変身くらい大人しく待てよ!
怪人 なんで俺様がお前に合わせないといけないんだ!
ヒーロー 毎回毎回急いで来てんだよこっちは!ちょっとはこっちにもあわせろ!暗黙の了解!
怪人 知らねぇよ!敵の前で悠長なことしてんじゃねえ。
ヒーロー 小さいわー。流石怪人、器が小さい。
怪人 うるせえよ。てかなんでわざわざ怪人の前で変身するんだよ。変身してから来いよ。
ヒーロー いや、それはあれだよ、大人の事情だよ。
怪人 は?いやなんだよ言えよ。いいのか?町壊すぞ?
ヒーロー 分かった!言うから!やめて!
怪人 おうさっと言え。
ヒーロー 誰もいないな……。怪人に暴れられて困ってる人の前で変身した方がかっこいいだろ。
怪人 うわ!せっこ!正義の味方とは思えないほどのせこさだ!
ヒーロー 別にいいだろ!こっちは命かけてるんだから、これくらい見栄張っても許されるだろ。
怪人 いやないわー。正義の味方が?カッコつけたくて?ないわー
ヒーロー うるさいな!いいよな怪人は、常時変身状態みたいなもんだし。
怪人 いやいや、俺様普段は人に化けてるから。こっちもお前と条件は同じだから。
ヒーロー でも、お前は暴れるタイミング決められるじゃん。こっちはお前らが暴れたって情報入ったら急いで来てるんだからな。
怪人 それがヒーローだろ。てかこっちだって色々考えながら暴れてるからな。
ヒーロー お前らが何考えるんっていうんだよ。
怪人 そりゃお前、この時間帯なら人間たくさんいるなとか、この地形なら有利に戦えるなとか、計算した上で戦ってるんだよ。
ヒーロー え、なんか意外。お前らもっと何も考えずに馬鹿みたいに暴れてるもんだと思ってた。
怪人 なめんな。ていうかこんなに計算して戦ってるのに、お前らは毎回のようにパワーアップしやがって。こっちも対策が追いつかないんだよ。
ヒーロー いやそれがヒーローだから。
怪人 やれハリケーンだの、ドラゴンだの、ハイパームテキだの、多すぎるんだよ。ヒーローならヒーローらしくこれって決めた1本で戦えよ。
ヒーロー 怪人がヒーローらしさ語るな。
怪人 てか聞いたぞ、お前、暴走フォームっていうのがあるらしいな。
ヒーロー (ギクッ)
怪人 なんていったけな?デットヒート?ハザードフォーム?よくしらんけど、確かそれになるとお前自分を制御できなくなるらしいな?
ヒーロー いや、、まぁ制御できないって言うか自分を見失うって言うか。
怪人 そうなると、味方と敵の見分けつかなくなって、見境なく攻撃する。それってどうなんだ?お前のほうがよっぽど何も考えずに暴れてるじゃねぇか。聞いたぞ、この前市民を攻撃しかけたらしいな?その時は味方が止めてくれたから良かったけど、もし攻撃してたら、お前俺様たちの仲間入りだぜ?
ヒーロー ……
怪人 俺様はな、「正義のヒーロー」を倒したいんだ。
ヒーロー は?
怪人 力に飲まれた化け物倒しても意味ねぇだろ。
正義を名乗るなら、最後までヒーローでいろ。
ヒーロー なんだと、なんでそんなことお前に言われな(きゃいけない)
怪人 恐ろしいもんだよな。正義の味方のヒーロー様が市民を襲うだなんて。ありえんわー。
ヒーロー うるさいな!仕方ないだろ!ヒーローには数の限りがあるってのに、お前らバカスカバカスカ出てきやがって。しかも、新しいのが出る度に強くなるし、それを倒すためにはこっちだって、そういう力使わざるを得ないんだよ!
怪人 だからって市民襲っていい理由にはならないだろ!暴走フォームなんか使わずに、その身1つで戦えよ!
ヒーロー 守るものがないやつには分からねぇよ!
間
怪人 分かったよ、じゃあ決めようぜ、守るものがないやつと、守るものがあるやつ、どっちが強いか。さっさと変身しろ。
ヒーロー 上等だよ。変身。
やっぱり長い。しかし怪人は今回は待つ。
ヒーロー変身が完了する。
ヒーロー いいぞ。
怪人 ふん。待ちくたびれたぜ。
怪人・ヒーロー いくぞ!
怪人とヒーロー、戦う。
ヒーロー くっ!強い!
怪人 ほらほらどうした!
ヒーロー追い詰められる。
ヒーロー やっぱり、あれを使うしか……
怪人 (ヒーローを見つめる。)
ヒーロー ……うおおおお!
ヒーロー暴走フォームを使わず、怪人にがむしゃらに突撃する。
怪人 なんだよ、やればできんじゃんか。
ヒーローさっきとは変わり、怪人を追い詰める。
ヒーロー これでトドメだ!
怪人 うおおおお!
怪人やられる。ヒーロー倒れた怪人におもむろに寄る。
怪人 くそ……この俺様が敗れるとはな。
ヒーロー 大丈夫か、?
怪人 バカが。怪人の心配をするヒーローがいるか。心配せずとも、俺は数分後には爆発して死ぬ。
ヒーロー っ!
怪人 でも、そうか。市民に見えを貼り、怪人と口喧嘩するようなやつでも、その優しさってやつがお前をヒーローにしているのかもな。
ヒーロー そんな、、俺なんか、、勝てないからって市民を傷つける力に逃げた臆病者だ。
怪人 お前は戦いの最中、自分の判断であの力を使わなかった。気に入らねえ、そんな甘さで戦ってるのに、最後まで折れやしねぇ。まぁでも、少なくとも力に飲まれる化け物よりかはマシになったんじゃねーか。
ヒーロー ……
怪人 さぁ、離れろ。俺の自爆に巻き込まれるぞ。
ヒーロー 怪人、俺の中の、弱いヒーローを倒してくれて、、、ありがとう。
怪人 だから怪人に感謝をするヒーローがいるか。
暗転。明かりがつく、ヒーロー立っている。市民が駆け寄る。
市民 ヒーロー!今回も助けてくれてありがとうございます!
ヒーロー なに、それがヒーローの仕事さ。
市民 でもヒーローは僕たちに変身を見せてくれませんよね?いつも変身してから来るから。
ヒーロー はっはは。そりゃそうだろ!怪人の前で悠長に変身なんかしてたら、その間に倒されてしまうからな!
市民 確かに!あっ!あっちにも別のヒーローが、失礼します!
ヒーロー おう。気をつけろよ。
市民去る。ヒーロー空を見つめる。
BGM 暗転。
終わり。
こんなの書いてる時点で分かると思いますが、作者は演劇部です。部活で試しに脚本を書くことになり、その時に書いたのを今回投稿してみました。書いてみて分かったのが、いつも書いてるのと勝手が違いすぎる。いつもは心情描写とか、語句説明とかで物語のテンポを崩さずに説明できるけど、演劇だと説明も含めて全部セリフにしないといけないから、物語のテンポをとるのがめちゃくちゃ難しい。改めて脚本家はすごいと感じました。




