60話 騎士の裏切り
「うふふふふ」
洞窟内の魔獣は全て殲滅して大量の戦利品をゲットした私はニヤニヤしながら出口に向かっていた。
そして、出口が見えた~、って思ったら**『危険感知』**が反応した。
え? 何? 私は慌てて確認をした。
出入口から少し離れた所に十数名いるね?
私はこっそり近づいて覗いてみた。
そこには**「王都の騎士」**らしき集団が数人いた。
紋様からして間違いないと思うけど、一人は位が高そうな装備をしているね。
そして話している相手を見て驚いた。
あれは……盗賊? 何で王都の騎士と盗賊が親しげに話をしているの?
やばい、何か凄くヤバイものを見てしまった気がする。
私は見つからないように頭を引っ込めた。
しばらくすると騎士たちは森の中へ消えて行ったけど、盗賊達は動く気配が無い。
今ならいけるかな?
私は静かに洞窟から外に出た。
そして急いで馬を回収しようとしたら、枯れ枝を踏んでしまった。
パキッ。
大きな音が森に響いた。
「誰だ!」
「誰かいるぞ!」
「逃がすな~!」
ああ、やっぱり気づかれた~! 焦っていた私は逃げようとしていたけど、冷静に考えたらもう盗賊しかいないのだから……殲滅しちゃえばいいだけだね?
口封じには口封じを!
私は方針を転換して戦闘態勢にはいった。
そこへ迫ってくる盗賊達を、私は魔法で次々と返り討ちにしていく。
「ぎゃあ!」
「なんだこいつ!?」
残りは一人って思ったけど……見失った。
その瞬間、ゾクっとして飛びのきながらシールドを張った。
バチッ!
シールドとぶつかる音がして、両手にナイフを持った盗賊が目の前に現れた。
「魔法使いのクセに今のを防ぐか?」
「無詠唱魔術……お前がスカをやったやつだな?」
「またヴァントス盗賊団?」
こいつ……もヤバイ感じがするよ。
魔獣殲滅と最後の大技で結構MPを消費しちゃったから、回復まであと5分は欲しい。
でも今は接近をされ過ぎているから、もう少し距離が無いと怖い。
私はダークアローの弾幕を放った。
少し押し返したけど、避けたり弾いたり、隠れたりして、一発も当たらなかった。
これは本当に人の動きなの? 勘や経験を考慮しても早すぎるね。
それにここは森だから遮蔽物が多すぎる。
どうしょう、
広範囲の魔法なら仕留められるけど、今やるとMPが切れるかもしれないし、その直後に増援部隊がでてきたら何も出来なくなってしまう。
「あなた本当に盗賊なの?」
「見ればわかるだろ?」
「じゃあ何で王都の騎士と一緒にいたのよ?」
私は喋って時間稼ぎをしながら、**『極トゥルースマジック』**でこの男のステータスを確認した。
「ちっ、見てやがったのか」
「やっぱり死んでもらうしかねえな」
職業はやっぱり盗賊で間違いないね。
それにスキル……『移動加速』? 無駄に素早かったのはこれかな? でも内容がわからないね。
「じゃあ、あなたが王都の騎士で密偵として盗賊に潜りこんでいるわけじゃないのね?」
お、何か考えてるね。私が勘違いしてると思って演技をしようとしてる?
「答えたくないならもういいよ」
「これで引かないなら倒すだけだから」
「はっ、お前の魔法は俺には届かないってまだわからないのか?」
「確かにさっきのは見事だったよ?」
「私も当たらないと思って途中で止めたからね」
「でも、あなたの移動加速スキルも使用制限があるでしょう?」
「だから私は、あなたのスキルが切れるまで弾幕を止めずに打ち続ければいいだけでしょ?」
男は驚愕の顔をしている。
「俺のスキルに制限がかかる前に、お前のMPが先に切れるって断言してやろう」
「残念ね、私のスキルはMPの自動回復だから、それは無いわ」
「なんだと? ハッタリだな、有り得ねえよ」
「じゃあ、身をもって知れば?」
それを合図に再び死闘が始まった。
読んでいただきありがとうございます。
基本は一週間ごとに更新するつもりです。
ただ状況によってはきりのいい所まで連発で投げるかもです。
また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。
最後に投稿へのモチベーションを維持する為にも、コメントや評価、ブックマークをして頂けると執筆を続ける励みになりますので、どうぞよろしくお願いします。




