55話 怪しい不審者?
出だしは完璧だったのに、一人、また一人と私をジロジロ見て来るやつが増えてきた。
何か全員が私を見ているような錯覚になったけど、気のせい、気のせい。
いつも通り、視線は無視をして受付を探した。
ん? 見間違いかな?
よく見えるように近づいてみた。
あ!
「ビオラさん!!」
まわりの人が皆、私を見た。
しまった~!
ビックリして大きな声を出してしまった。
注目を浴びてしまった私は回れ右をして逃げようとした。
「ユイちゃん!」
ビオラさんが私に向かって走ってきた。
「ビオラさん、お久しぶりです」
私は頭を下げた。
「やっと王都に来てくれたのね」
? ん? 何かビオラさんが首を傾げている?
「ユイちゃんよね?」
「はい、そうです」
「大きくなったね~」
ああ、確かに私の方が身長が高くなっちゃってるね。
でもビオラさんは私の胸を凝視していた。
「あの?」
「ああ、ごめんなさい」
「こんなに成長していたなんてビックリしたわ」
「これでまだ15歳なんて信じられないわね」
「なんだって……」
ザワザワ騒ぎ出す周りの冒険者たち。
ビオラさんが周りをジロっと睨んだら静かになった。
ここにはランクが高そうな人がいっぱいいるのに皆、下を向いたよ。
「ビオラさん、王都に戻っていたんですね」
「ええ、ユイちゃんが気になって戻ってきたのよ。でも全然王都に来ないから心配したわ」
え? わたし? 冗談ですよね?
「それにしても今日は怪しい恰好をしてるわね?」
「えええ? 怪しくないですよ? ね?」
「そう? 全身を隠す真っ黒なマントの様な服に、顔が見えないぐらい深く帽子をかぶってるから?」
「た、確かに怪しい……?」
不審者スタイルだったか。 私は帽子とコートを脱いでアイテム袋に戻した。
「そ、そうだ、ビオラさん。ネモナさんに聞いたのですが、ギルドの承認ありがとうございました」
「おかげで、図書館の本をじっくり読むことができました」
「え? あの子にビオラさんが承認を与えたのか?」
「マジか」
「本当ならあの子はやばいぞ?」
再びざわめきだしたけど、またひと睨みで静かになった。
「そう、よかったわ。もしかして今日ここに来た理由もそれかな?」
「はい、できればお願いしたいです」
「わかったわ、少し待っていてね」
10分ほどでビオラさんは小走りで戻って来た。
「ごめんね、待たせちゃって」
「いえ全然大丈夫です」
「はい、じゃあこれを図書館で渡してね」
ビオラさんは手紙を私に差し出した。
「これで全部の本が見れるから」
「ありがとうございます」
これで後は商業ギルドで許可をもらうだけ。
でもどうやってもらおう?
まあ冒険者ギルド側の本だけでもいいかな?
そう思っていたらビオラさんがビックリする事を言ってきた。
「その手紙で商業ギルド側の制限も解除されるからね?」
「え?」
「ユイちゃん、いいタイミングだったね、奥の会議室で商業ギルドマスターと、うちのギルマスがある案件で協議してたからね……ちょっとお邪魔して二人からサインをもらって来たから」
え? 王都のギルマス二人が協議している所に、割って入ってサインをもらってきたって事?
ビオラさん、怖いもの知らずですね。最強すぎる。
「どうしたの?」
「い、いえビックリしただけです」
「ありがとうございます」
「いいのよ、困った事があったらいつでも来てね?」
「はい」
結局、ビオラさんと1時間ほど喋ってからギルドを後にした。 (王都でも私のバックには最強の受付嬢がついているって事だね!)
読んでいただきありがとうございます。
基本は一週間ごとに更新するつもりです。
ただ状況によってはきりのいい所まで連発で投げるかもです。
また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。
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