44話 魔法の手加減
私達は店を出て、再び手を繋いで歩きだした。
「ブルーナは目的の物はなかったの?」
「うん、パッとしたのが無かったよ」
「何を探してたの?」
「ユイが付けている、ブレスレットに似た物が無いかなって思って」
「え? これ?」
私は腕につけているブレスレットを見せた。 「
うん、私もお揃いのが欲しくて」
「これ、魔法を発動する為の魔道具だよ?」
「うん、でも魔道具ってもっと地味なのが多いじゃない?」
「ユイのは貴金属みたいに綺麗だから、貴金属店に無いかなって思って探したのだけど」
「これは、お母さんの形見だから……もしかしたら王都で売ってるのかな?」
「里帰りする前は王都で働いていたって言ってたから」
「そうなんだ、じゃあ今度、王都に行く事があったら探してみるよ」
「10年以上前の話だけどね」
「私も今度は王都に行こうかな」
するとブルーナが悲しそうな顔で私を見た。
「そんな顔をしないでよ? 今すぐじゃ無いのだから」
「うん、でもあと数日でユイがいなくなっちゃうと考えると寂しくなって」
「もう、ブルーナは寂しがりやだね」
「うん、だからずっと一緒にいたいの」
私はブルーナの頭を撫ぜてあげた。
「旅に出てもブルーナに会うために、また戻って来るから」
「本当に?」
「うん」
「だから、そんな顔をしないの」
「うん、わかった」
そう言って、私をジッと見てきたから、もう一度頭を撫でてあげたら嬉しそうに微笑んだ。
「あっ!」 ここで我に返りました。
ここは大勢の人々が行きかう道のど真ん中でした。
むっちゃ見られてるし、立ち止まってこっちを見てる人までいるよ。
しかも女の子同士でイチャイチャしている様に見えたのか、こっちを見てにやけている野郎までいる。 バカに絡まれたら嫌なので、さっさと立ち去る事にした。
けど、ちょっと遅かった。
「そこの可愛いお二人さん、俺達と一緒に遊ばない?」
冒険者崩れのような男達が、私達を囲むように声をかけてきた。
「女同士よりもっと楽しい事を教えてやるよ?」
「あっちに良い場所があるから休憩しないか?」
「な~いいだろ? 行こうぜ?」
私の胸や体を舐めまわすように見て、声をかけて来る。 本当に気持ち悪い。
魔法でやっちゃってもいいかな?
でもよく考えたら、軽くのしてやる程度の魔法って練習した事がないや。
どの程度でいいかわからない。
どの魔法が適切なのかもわからない。
風魔法で押し返すぐらいなら出来るけど、ここでやると関係ない人も巻き込むよね。
どうしよう? 火? 土? 水?
でも、もし私や、ブルーナに手を出してきたら遠慮なくぶっ放すけどね。
だから、私が魔法を使う前に散ってくれたらいいのだけど。
「結構です。どいてください」
私はブルーナの手を取って進しようとすると、目の前の道を塞ぐように邪魔をしてきた。
「そう言うなよ」
「一緒に楽しもうぜ?」
「上手いぜ? 俺達」
あ~もう我慢の限界かも。 風で吹っ飛ばそうと思ったら、後ろから声が聞こえた。
「絶景、絶景♪」
なに? 後ろを見ると、一人の男が私達の真後ろで座りこんで、こちらを見上げていた。
「っ!!」 私は慌ててスカートの後ろを手で押さえた。
「てめ~、汚ねーぞ!」
「くそ、抜け駆けしやがって!」
魔法を使おうと後ろの男に意識がいった時に、何か引っ張られる感じがしたので前を見た。
「っ!!?」
こいつら、私のスカートをめくりあげてた。
「きゃあああ!!」
私はあわててスカートを抑えたけど、見られたね。 うん、よし。殺そう。
そう思った瞬間。
ドカッ!! バキッ!!
ブルーナが後ろの座っている男に蹴りを入れて、前面の男を殴りつけた。
「あんたら死にたいの?」
「この街で私に喧嘩を売ってるの?」
でも、さすがにブルーナの腕力では男がすこしのけぞっただけだった。
「てめ~、やりやがったな!」
「おい、お前らさっさと連れて行くぞ!」
これはさすがに私がやるしかないね。
読んでいただきありがとうございます。
基本は一週間ごとに更新するつもりです。
ただ状況によってはきりのいい所まで連発で投げるかもです。
また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。
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