40話 英雄の帰還
私は、逃げるように現場から帰って来た。
「ただいま~」
ブルーナは私を見つけると、走ってきて抱きついてきた。
「おかえりなさい! 怪我はしてない!?」
「うん、大丈夫だよ」
「ユイさん、ありがとうございました」
「蛇神はどうなりましたか?」
「討伐しましたよ。ただ、その、最後に全力の魔法を叩き込んだのですが……それで蛇神と一緒に辺り一面が焦土になっちゃったんです」
「かなりの自然破壊しちゃったから大丈夫かな? と」
「心配は無用です!」
「蛇神を倒してくれただけでも、この街の大勢の人の命を救ってくれているのです」
「ユイさんは、この街の英雄となったのですよ! それで文句を言うようなバカがいるなら、私が全力で潰しますから!」
お嬢様、御父上の目がマジですよ?
「私達とこの街を守っていただいてありがとうございました」
「ブルーナの為ですから。お気になさらずに。ただ……私が倒した事は、出来るだけ内密にお願いします」
「必要最低限の報告ぐらいにして頂けたらありがたいです」
「わかりました」
「では私は領主様のもとへ報告に行ってきますので、ごゆっくり休まれて下さい」
「はい、お願いします」
私はブルーナと食事を食べてから、お風呂に入って早々に休む事にした。
さすがに疲れたからね。
フリじゃ無いよ? 本当に今日はすぐに寝るからね?
私はチラっとブルーナを見てから寝床に入った。
「おやすみ~」
翌日。 朝食をとり終えた後に、ロスさんが言いにくそうに私に話しかけてきた。
「ユイさん、申し訳ございません」
「どうしたのですか?」
「ユイさんの事が、すでに街中に知れわたっておりました」
「え? 何がですか?」
「病院で範囲回復魔法を使ったのがユイさんである事と……それを実際に見てた人達はユイさんの事を**『聖女』**だと呼んでいます」
「また蛇神討伐も、領主様の指示で数名がユイさんの戦闘を終始見ていたそうです」
「そして、それも町中に知れわたる事になりました」
「……嘘でしょ?」
「申し訳ありません」
えーっと。 私、もうこの街を歩けない?
でも街に出かける時も、病院の時も、蛇神討伐の時も**「帽子にジャージ」**で地味だったから、逆に派手な格好にすれば私とわからないかも?
うん、何かいけそうな気がする。
「それと1つお願いがあるのですが」
「はい、なんでしょう?」
「領主様がお礼をしたいので、ユイさんを連れてきて欲しいとお願いをされまして……会っていただけないでしょうか」
この街から逃げようかと思ったけど、今後ブルーナと会えなくなっても困るし、仕方ないか。
「わかりました」
「ありがとうございます」
「後、こちらが提供してもらった解毒薬の代金になります」
私はその金額を見てビックリした。
だって、普通に家が買えるぐらいの金額だったから。
「ちょっと多くないですか?」
「いえ、商業ギルドから直接支払われていますので、これに関しては適正な金額です」
「ただ、これは商品に対しての金額だけです」
「病院の件と、蛇神討伐に関する報奨金は領主様から直接支払われる事になっています」
うわ~、何か大ごとになってない? 面倒くさくなってきたよ。
「えっと、この後すぐに行きますか?」
「はい、出来ればお願いします」
「わかりました。では着替えてきますので、しばらく待ってって下さい」
「さすがに、ジャージで行くわけにはいかないですよね?」
「いえ? 大丈夫ですよ。その服装で報告されていますから、そちらの方がわかりやすいかと」
「また領主様のところまでは馬車で行きますので、目立つ事もないかと思いますよ」
えええ? ジャージ = 私(正装) って認識されてるの?
何か微妙な気分だけど、普通の服装をすれば私と認識されないって事だよね?
だったら、まあいいかな?
とりあえず帽子だけやめておこう。
「じゃあ、このまま行きます」
そして私はロスさんにドナドナされて行った。
読んでいただきありがとうございます。
基本は一週間ごとに更新するつもりです。
ただ状況によってはきりのいい所まで連発で投げるかもです。
また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。
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