37話 蛇神討伐
私は、例の魔獣の近くまで来た。
魔獣の正体は大きな白いヘビだった。
封印の祠には**「蛇神ホヤウカムイ」**と書いてあったそうだ。
私の遠距離攻撃が狙えるギリギリのところまで来たけど、感知されたのか、頭をむくりっと持ち上げてこっちを睨んでいるように見えた。
でもまだ回復中なのか、その場を動く気配がない。
これは私にとっては最大のチャンスだね。
私は魔力を練り上げた。
石弾を硬く硬く作って先端を尖らせた。
そして前回(牛の魔獣戦)同様、速度を上げるために火の魔法で瞬間的に爆発させて飛ばすイメージを追加し、同じく風魔法で矢に回転をかけ精度と威力を上げる。
最後にヘビの頭をロックオンして、**『エイムマジック』**を使用した。
確実に仕留める!
「行っけー! ≪スナイパー・マジック≫!!」
ドォォォン!!
そして狙い通り、ヘビの頭を一撃で粉砕した。
「やったー! 勝ったーーー!」
……しかし。 倒したと思ったヘビは、無傷の頭を持ち上げてこちらに向かってきた。
え? なんで?
頭を潰されて生きているなんてありえない。
もう一度、よく観察してみると……ヘビのしっぽが潰れていた。
やられた! 頭を持ち上げたと思ったのは、**「頭に偽装したしっぽ」**だった!
くそ〜。
もうエイムマジックは使えない(クールタイム中)。
それにあれだけの威力を練り上げる時間は恐らくもうない。
「どうしよう?」
私は接近されると本領が発揮できないので、これ以上近づけさせない様にする。
数十発によるアイスアローの弾幕を打ちながら距離をとった。
「すこしは効いてる?」
「でも削りきれるほどの実感はないね」
このヘビは水耐性?
試しにアースランスやエアカッター、ファイヤーアローを撃ってみたけどいまいちだった。
「ちょっと~! 地・水・火・風、全耐性ってずるくない!?」
効かないわけじゃ無いけど、ダメージがカットされてる気がする。
ヘビが私に向かってブレスを放ってきた。
これは毒?
耐性があるとは言え、HPが減るのは危険なので直ぐに解毒薬を使った。
私は暗闇を作って距離を取ろうとしたけど、大した時間稼ぎもできなかった。
その後も弾幕を張っては少し距離をとって強めの一撃を叩き込むけど、動きまくる頭には全然当たらなかった。
「駄目だ~、エイムマジックが無いと強めの狙撃はブレるから当たらない!」
まだ練習中だし、目立つからあれは使いたくなかったけど……これはもうヤルしかないね。
魔法を練り上げる時間が欲しいから、距離をとる為に足止めをする事にした。
私が使える魔法で一番長く拘束できるであろう魔法を構成する。
時間がかかって怖いけど集中。
その間、ヘビはブレスを放って来た。
でも今は毒は無視。
自身の毒耐性に期待するしかない。
ヘビは近づいてきて私に噛みつこうとした。
が、間に合った!
超広範囲の氷魔法を発動!
≪凍てつけ(コキュートス)!≫
私を中心に半径200mの全ての物が凍り付いた。 これでしばらくは、ヘビの動きを止めれるはず。
私は氷の上をスケートのように滑って、出来る限り遠くに全力で離れた。
そして魔法を構成する。
最初に放った強力な矢は、3つの魔法にそれぞれの役割を与えて放っただけ。
だけどこの魔法は調色する様に魔力を混ぜる。
相反する**「火」と「水」**を、風で圧縮しながら混ぜ合わせる。
反発しあう属性を魔力で無理やり混ぜ合わせる。
色を作る様に、魔法を作る。
バキィッ!
突然、氷が砕けてヘビが動き出した。
焦っては駄目だ。
もう少し、もう少し。
ヘビは私を見つけて向かってきた。
でも、私の魔法も完成した。
これが今の私が作れる最高の攻撃力の魔法。
そして私は暴れ狂う、その魔法を解き放った。
「融合魔法 ≪銅:アカガネ≫!!!」
カッッッ!!!!
とんでもない轟音と強烈な光を放ちながら、赤銅色のエネルギー波がヘビを飲み込んでいった。
物理も魔法も関係ない。
全てを素粒子レベルで分解する破壊の光。
……。
静まり返った後に見えたのは、完全に動かなくなったヘビの残骸と……辺り一面の焦土だった。
「うわ~……やりすぎた?」
「これ怒られる?」
私の前方1kmが、文字通り地図から消えていた。
と、とりあえず蛇神の魔石を回収しよう。
その後、私は誰にも見つからないように、こっそりとその場を後にした。
読んでいただきありがとうございます。
基本は一週間ごとに更新するつもりです。
ただ状況によってはきりのいい所まで連発で投げるかもです。
また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。
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