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戦極結承 ◇◇ ~バッドエンドへ向かう少女の物語~  作者: 空斬しゅう


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35話 救済の風

はあ~……。

思っていた以上に重い話だ。

今のうちにブルーナ達を連れて、この街から逃げるのが正解かもしれない。

でも、これは見捨てると後悔しちゃうよね。夢見が悪くなる。



「いくつか質問がありますがいいですか?」


「ああ」


「街に数個はあったと思いますが、解毒薬は使いましたか?」


「使った。賛否はあると思うが、正規軍の幹部を優先した」


「その効果はありましたか?」


「ああ、毒は消えた」


「その解毒薬は薬屋と雑貨屋に売っていた、**『あれ』**で間違いないですか?」


「それで間違いない。商業ギルドが買い取って病院に提供したからな」


「あの瓶1っで何人に使えました?」


「1瓶で5人分だったと聞いている」


「最後に解毒が必要な人の人数ってわかりますか?」


「一時間前の人数だが、327名だ。……誰も亡くなっていなければだが」


「わかりました」


「人数分の解毒薬は、私が用意します」


「なんだって!?」



驚くギルドマスターと、ざわめく周りの商人たち。


「正直あまり知られたくないのだけど、その人数分なら私の持っている解毒薬で足りると思います」


「今回は緊急事態だから提供します」


「!!」


「テイラーー!!」


「今すぐ扉を閉めろ! 誰も出入りをさせるな!!」



ギルマスは突然、商業ギルドの門番みたいな人に命じて扉を閉めさせた。


バンッ!!


「今、ここにいる全ての者に、商業ギルドマスターの名において命じる!」


「今、ここで見聞きした事の他言を禁ずる!」


「いかなる理由があろうとだ!」


「わかったか?」


驚く事に、その場にいた商人たちが全員、背筋を伸ばして「はい!」って返事をした。


ギルマス凄~い。カリスマだね。



「ベイル、念のため今ここにいる全ての人を記録しておけ」


「わかりました」



ギルマスが私の方に向き直した。


「それで……本当にこの人数の解毒薬を提供してもらえるのか?」


「はい、前に大量の素材を発見したので、全て解毒薬にして所持しています」


「私の解毒薬は1瓶で10人分だと思うので、33個渡します」


「1瓶で10人分、最高品質の品か……」


「ありがとう。解毒薬は全て買取りにさせてもらう」


「用意が出来たら、ロスに渡してくれ」


「あいつの客人から直接買い取るわけにはいかんからな」


「それとも、この事はロスにも黙っていた方がいいか?」


「いえ大丈夫です。私もロスさんを信用していますから」


「わかった」


「それでは、取りに帰る前に、一度病院へよって行きます」


「魔法使いも疲弊してると思うので、HPが危ない人には回復をしてから戻ります」


「すまない……よろしく頼む」



私は病院の場所を教えてもらい、出来るかぎり急いで向かった。

現場に近づくにつれ、怒涛のような叫びが聞こえてくる。



「誰か! だれか回復をお願いします!」



若い女の人が涙を流しながら叫んでいる。



「もう無理だ、皆もうMPがない!」


「でも、このままだと!」


「わかっている、だが諦めてくれ!」


「全員は救えない。もう命の選択をしなければ駄目なんだ!」


「でも・・」



そこに肩で息をして、今にも倒れそうな女性が走って来た。



「私がやります」


「駄目だ! あんたも、もうMPが無いだろう! これ以上はあんたが死んでしまう!」


「大丈夫です……」


「駄目だ!」



こんな声があっちこっちから聞こえてきた。


ここは病院の横の建物。

広いフロアに毒に侵された人が全員寝かされていた。

もうそれは、見るに堪えない地獄絵図だった。


これを見た瞬間、一人ずつ誰が危篤か見て周る場合じゃないと理解した。

そんな悠長なことしてたら間に合わない。


私は魔力に声を乗せて**風魔法(拡声)**を使い、声を拡散させた。



『今から全員に回復魔法をかけます。全員、静かにしてくだい』



私の声がスピーカーから聞こえる声の様に、全体に響き渡った。

しかし、突然起こった事に理解ができずに、ざわめきは収まらなかった。

私の事が信用できない事ぐらいはわかる、でも!


『場の魔力が乱れて効果が薄くなるから、静かにして!!』



シーン。

皆、ビックリして私を見た。

うん、静まった。今のうちだね。


私は回復魔法をより強くイメージして圧縮し、声と同じ要領で風魔法に乗せて回復魔法の広範囲化をした。

そして、力ある言葉と共に光魔法を解き放った。



「全ての者を救え! ≪癒しのエリア・ヒール≫!!」



カッ!!!!



強烈な光が辺りを包み込み、範囲内の全ての人に回復魔法が発動した。

苦しんでいた人々の呼吸が落ち着き、顔色が戻っていく。



『これでしばらくは安心です。魔法使いの人も含めて一度休んでください』


『この後、商業ギルドから解毒薬が届きますので全員助かります。安心してください』



全員が茫然と私を見ている。神を見るような目で。 やばい、目立ちすぎた。


と、とりあえず、喧騒が戻る前にこの場を退散だ!

そして私は、逃げるようにその場を後にした。


読んでいただきありがとうございます。

基本は一週間ごとに更新するつもりです。

ただ状況によってはきりのいい所まで連発で投げるかもです。


また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。


最後に投稿へのモチベーションを維持する為にも、コメントや評価、ブックマークをして頂けると執筆を続ける励みになりますので、どうぞよろしくお願いします。

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