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戦極結承 ◇◇ ~バッドエンドへ向かう少女の物語~  作者: 空斬しゅう


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34話 大商人のコネと印籠

商業ギルドに着いたけど、ここもなんかざわついてるね?

まあ、とりあえず受付に行こう。



「あの~、お聞きしたいのですが」


「はい、いらっしゃいませ」


「図書館にある書物の制限解除はどうすればできますか?」


「はい、まずは商業ギルドに登録していただいて、売り上げをたくさん上げる事です」


「それ以外の条件はないのですか?」


「ない事は無いですが、敷居がもっと高くなりますよ?」


「地道に売り上げを上げるのが一番近道です」


「一応、その他の条件に関しては、王族、貴族の方々の紹介等ですね」


「後は、商人が他人を信用する事はないので確率は低いですが、この国の大商人の紹介とかですね」


ん? 大商人? もしかして、アレ使えるのかな?


私はロス・キューデさんから預かった**「証明書」**を出してみた。



「これは使えますか?」


「どれですか?」


「っ! これは……!?」


「少しお待ちください!」



あれ? 奥に走っていっちゃた?


しばらくすると、初老のおじいさんを連れて戻ってきた。



「お待たせしました」


「私がここの商業ギルドのマスターだ」


「制限解除の本が見たいとの事だったな」


「ロスの顔をたててやって、7割程は制限の解除をしてやってもいいが……冒険者ギルドカードも見せてもらえるか?」


「証明書にはあなたが冒険者だとも書いてあったので、そちらの貢献度も確認したいのだ」


「わかりました。どうぞ」



私は冒険者ギルドカードを渡した。


そして、直ぐに驚きの顔をして私を見た。



「わかった。それでは商業ギルドも全面解除の承認を出そう」


「マスター! よろしいのですか?」


「ああ、この子のカードにはビオラの承認が入っていた」


「え!」



またビオラさんだ。商業ギルドにも名前が売れているの?



「あの子の人を見る目は、比類なきものだ。冒険者であっても商人であってもだ」


「あの子が承認をした子なら、商業ギルドも乗っておいて損はない」


「そうですね」


「そういうことだ、承認の全面解除の手続きをしてさしあげろ」


「わかりました」



しばらくするとカードを渡された。


「これは?」


「これは商業ギルドカードです。このカードに承認を入れていますので図書館で提示してください」


「え? 私は何も商売していませんよ?」


「大丈夫です。このカードは売り上げが無くても効力が消えたりしないカードです」


「商業ギルドマスターが特別承認して発行されるカードなので貴重ですよ?」


「えっと、そんなもの貰ってもいいのですか?」


「ええ、先ほどマスターが言っていましたが、今のうちに恩を売っておく方がいいと判断したからです」


「後で何か請求されたりしないですよね?」


「それは無いです。信頼第一のギルドですから」


「わかりました。ありがとうございます」



私はカードを受け取り商業ギルドを出ようとしたら、さっきのギルドマスターが走ってきた。 わかっていても、男の人に走って来られるとビクッとするからやめて欲しいよ。



「呼び止めてすまん、出来るなら手を貸して欲しい!」



ええええ? さっそく恩を返せと? 早すぎない?



「何ですか?」



「ユイは魔法使いだったな? 回復魔法は使えるか?」


「一応使えますけど?」


「じゃあ、今すぐ病院へ行って手を貸してくれないか?」


「報酬は商業ギルドが必ず払う!」


「どういう事ですか?」



ギルドマスターは簡単に状況を説明してくれた。



数日前に、この街から半日ほどの距離にある「立ち入り禁止の洞窟」にバカな冒険者達が結界を破って入り、あろうことか封印を破って**「凶悪な魔獣」**を起こしてしまったらしい。 彼らは全滅寸前だったが、数人がこの街に逃げ込んで助けを求めた。


そして、その魔獣はこの街に向かって来ているとの事なので、この街の領主は1000人規模の討伐隊を立ち上げて、正規軍と冒険者の混合で討伐に向かった。


しかし、結果は惨敗。

壊滅に近い状態だったが、大量の負傷者も担ぎ込まれた。

そして……ほぼ全員が**「毒」**に侵されている状態。

しかもこの毒が異常で、1日経っても毒の効果が消えないらしい。


その毒を消せる(解毒魔法を使える)魔法使いは、この街にはいない。

王都の神官で使える人がいるから、王都に救助要請をだしたが時間的に間に合わない。

そして、もともと解毒薬が希少で数が少ない。


ほぼ全員が毒の解除をできないまま、魔法使いがHPの回復魔法をかけ続けて延命しているみたい。

今は魔法使いの回復魔法だけが命の綱になっているが、当然ながら魔法を使うとMPを消費する。

MP回復薬も希少で少ないこの状況では、魔法使いの数も足りずに……詰んだも同然だった。


少ない希望に託して、解毒薬の薬草の緊急買取依頼が商業ギルドと冒険者ギルドで発行されたが、希望は薄いだろうとの事。


現在、その魔獣は受けたダメージを回復する為に留まっているが、数日後には再びこの街に向けて動きだすみたいだ。

その対応もする為に、領主も冒険者ギルドも大慌てになっている。


……なるほど。 街中がざわついていた理由はこれか。

これは、ただ事じゃないね。

読んでいただきありがとうございます。

基本は一週間ごとに更新するつもりです。

ただ状況によってはきりのいい所まで連発で投げるかもです。


また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。


最後に投稿へのモチベーションを維持する為にも、コメントや評価、ブックマークをして頂けると執筆を続ける励みになりますので、どうぞよろしくお願いします。

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