33話 ビオラと言う名の印籠
やってきました、冒険者ギルド。
でも、むさ苦しい男ばかりのとこは嫌なので、さっさと要件を聞いてサッと帰ろう。
冒険者ギルドに着いた私は中に入って受付を探した。
まわりの男たちが「おい、見ろよ」「可愛い」とか言ってるけど、全部ノイズキャンセリングして無視。
見つけた受付に駆け寄った。
「すいません、少し聞きたい事があるのですが」
「はい、どのような内容でしょうか? 依頼の受付ですか?」
「私、冒険者ギルドの受付のネモナがうかがいます」
「えっと、図書館で制限のかかった本が読みたいので、一番早く貢献できる依頼って何かなって思って」
「そうですね、先ずはギルドへ加入が必要です」
「討伐の依頼でいえば、中級レベルの依頼で200回ほど依頼を達成すると最初の制限が解除ですね」
ええええええ!? 200回!?
それって全部の制限解除するのにどれだけ時間がかかるのよ?
おばあちゃんになっちゃうよ!
「また、討伐系の貢献度で『魔法やスキル系の書物』、商業ギルドで扱っているものの貢献で『薬品等の生産技術系の書物』になります」
うわああ、何年かかるのよ? それ。 無理ゲーじゃん。
「これが一般的な制限解除の仕方です」
「また冒険者ギルドの加入には試験があります」
「ああ、それは大丈夫です。既に加入していますから」
それを聞いていた周りの冒険者はザワザワしだしてけど無視します。
「そうでしたか。じゃあ次の目標はランクCになる事ですね」
「ランクDだと中級レベルの討伐で1000回近くの達成が必要になるからね」
「10年かかってもランクCになれない人も多いから頑張ってね(ニコッ)」
「それも大丈夫です、私ランクBですから」
「え?」
再び、まわりがざわつくけど無視、無視。
「本当ですか?」
受付嬢もビックリしていたので、私はギルドカードを提示した。
「うそ、本当にランクB……」
「少しお借りしますね」
そういって、私のカードを魔道具にかざして内容を確認しているみたい。
「え!? うそっ、ビオラさんの承認が入ってる?」
「え? なにそれ?」
その言葉を聞いて周りの冒険者がまた騒ぎだした。
「ビオラ? ビオラってあのビオラか?」
「そうだろな、最近は王都にいないけど」
「何だ、知らないのか? 彼女は個人的な理由で地方に行っているらしいぞ」
「王都ギルドの奴らは、早く戻って来させようと必死に説得してるらしいけど」
「そらそうだろう、他の国から引き抜きにあったら大変だからな」
「でも、あのビオラがあの嬢ちゃんを承認したのか? マジか?」
「もし本当なら、あの嬢ちゃんはヤバイ子だぞ?」
「ああ、間違いない」
ちょっと何よ? また**「ヤバイ子」**扱い?
って言うかビオラさん、いったい何を承認したのよ?
「ありがとうございました。こちらはお返ししますね」
カードを受け取って内容を聞こうと思ったら、先に説明をされた。
「まず、**『冒険者ギルドに関する事案については、その行動を阻害する事なく承認する』**となっています」
「はい?」
「えっと意味がわからないのだけど?」
「簡単に言うと、あなたが冒険者ギルドを頼って何かをお願いしてきたら、断らずに承認しろって事ね」
「いや、いや、いや、それは受付嬢の権限を大きく超えてないですか?」
「あなた、その年でビオラさんに見込まれるなんて凄いわね?」
「えっと、答えになってないのですけど?」
「わかりやすく言うと、ビオラさんは人を見る目が、とんでもなく良いって事」
「全然わかりやすくないです」
ちゃんと説明してよ~!
「駆け出しの冒険者とか新人の冒険者であっても、彼女はその才能を見出すことが出来るの」
「彼女が過去に承認を与えた冒険者は、最低でもランクA以上になっているわ」
「そして今現在、現役のA以上のランクの7割は、駆け出しのころに彼女が承認を与えた人だって言われているわ」
「え? ビオラさんって20代に見えたけど実は違うの?」
「あ~、実はおばさん(美魔女)?って思ったなら後で怒られるよ?」
お、思ってないよ? 心を読まないで欲しい。
「ビオラさんは受付嬢としての最年少記録をもっているからね」
「その能力を買われて10歳の頃から受付の仕事をしていたみたいだから」
「そして、それまでの実績を買われて彼女だけの権限をいくつももっているわよ」
「この承認もそうだけど、内容によっては地方のギルドマスターより強い権限をもっているから」
ビオラさん凄いです。
ただの巨乳なお姉さんじゃなかった。
ビックリしました。
今度、会ったらちゃんとお礼を言っておこう。
それにあの時、ビオラさんに睨まれた冒険者のビビりようが、今やっと理解できたよ。逆らったら人生終わるんだ。
「肩書は普通の受付嬢だけど、事実上は王都冒険者ギルドの事務方のトップね」
「なので今回の制限のかかった書物については全て解除出来る様になります」
「ただし、冒険者ギルドが解除できる物のみです」
「残りの制限は商業ギルドになるので、そちらで伺ってください」
「ありがとうございます!」
やったー! 10年はかかると思ったのに、ビオラさんの口添え(印籠)一発で見れる事になった。
ビオラ様様だね。
しばらくすると、何か慌てた人が駆け込んできて、ギルド内がバタバタしだしたので、私はそそくさと冒険者ギルドを後にし、商業ギルドに向かった。
読んでいただきありがとうございます。
基本は一週間ごとに更新するつもりです。
ただ状況によってはきりのいい所まで連発で投げるかもです。
また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。
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