32話 ジャージ娘のクシオス観光
翌朝、とても気分よく目覚める事ができた。
「はあ~、久しぶりにスッキリしたよ~」
横を見るとブルーナも目を覚ましていた。
「ブルーナおはよ~」
「おはようございます……」
恥ずかしそうに下を向いて小声で返事をしてきた。
いや、だからその反応はやめてね?
本当にこっちまで恥ずかしいから!
事後みたいだから!
まあ、しばらくするといつもの元気なブルーナに戻ったので、二人共着替えて朝食を食べに行った。
「ではユイさんは街をまわられるのですね?」
「はい、色々見て周ろうと思います」
「では、こちらを渡しておきます」
ロスさんが手紙のようなものを私に差し出した。
「もし何か困った事が起きたら、私が後ろだてとしてユイさんの身分を保障するものです」
おお、知らない土地ではありがたい証明書だね。
通行手形みたいなものかな。
「ありがとうございます。お借りしておきます」
「本当にその恰好で行くの?」
「うん?」
「せっかくの美人が台無しだよ?」
「いいのよ、動きやすいし、目立たないから」
私は紺色のキャップ帽子をかぶって、上下紺色のジャージに白の運動靴だからね。
これが一番落ち着くの!
「夕方までには帰って来るよね?」
「うん」
「わかった~、じゃあ勉強頑張って終わらせて待っておくからね?」
「ちゃんと帰って来るって~、もうブルーナは心配性だね?」
「それじゃあ、行ってきます~」
「いってらっしゃ~い!」
ブルーナは見えなくなるまで手を振り続けてくれた。
さて、どこからまわろうかな?
私は特に目的もなく、ブラブラとクシオスの街を見て周った。
まあ、やっぱり服や建物には色がついていなかった。
ナルイラの町では、ご近所さんに染色した生地を無償で渡したり、了承を得た建築物等にも色をつけたりしていた。
そのおかげで、ちらほらと色つきの服を着た人を見かけるから、あの【ザ・地味】な町も少しは垢抜けた感じになったけどね。
ここでは相変わらず、歩くだけで見られるけど、気にせずに無視を決め込んだ。
私にもし、**「視線受け流しスキル」**があれば、きっとLv10だよ。
私は気にせず洋服屋、雑貨屋、薬屋、食堂、を見て周った。
その後もブラブラ歩いていると大きな建物を見つけたのでのぞいてみると、それは図書館だった。
やった! これだよこれ!
私は早速、図書館に入って行った。
前世の記憶(彼)は偏った知識も多かったので、それを補うための知識の補充も必要だからね。
入館するには身分証の提示が必要だったけど、ギルドカードですんなり入る事ができた。
私は目的の書物を探して読んだりを繰り返した。
まあ似たような書物は多かったけど、中には「魔力回路の基礎理論」とか、なかなかいい物もあったよ。
気が付くと夕方になっていたので、今日の所は帰る事にした。
遅れるとブルーナが泣いて怒るからね。
門限厳守だ。
翌日も私は図書館に来ていたんだけど、棚に**「鍵」**がかかった書物がいくつかあるのに気が付いた。
これは何だろう? 禁書?
気になったので近くにいた司書さんに聞いてみた。
「すみません、この鍵のかかった本はどうやって見るのですか?」
「はい、鍵のかかった書物には重要な内容の物が多く、一般の方には公開がされていません」
「ただ、この街への**『貢献度』**によっては解除して見れるものがあります」
「その貢献度ってどうやって確認するのですか?」
「一番わかりやすいのは、冒険者ギルドですね」
「街の為に何度も依頼を達成し、貢献していけば段階的に制限解除して見れる物も増えていく感じですね」
要するに、いっぱい依頼を達成しろって事かな?
う~ん、面倒くさいな~。
「依頼内容って何でもいいのですか?」
「ごめんなさい、貢献度に関してはギルドの判断ですので、こちらではわかりかねます」
「わかりました~、ありがとうございました」
私はお礼を言って図書館を出た。
次の目的地は冒険者ギルドだ。
読んでいただきありがとうございます。
基本は一週間ごとに更新するつもりです。
ただ状況によってはきりのいい所まで連発で投げるかもです。
また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。
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