29話 迷子の森で、
新しい世界へ向けて歩き出した私。
夢と希望を胸に一人旅を始めた私。
過去の事などにとらわれず前に進みだした私。
そして今、方向が分からず迷子になっている私。
私はひたすら森の中を歩き続けていた。
もう数週間、歩いているような気がする。正確にはわからないよ。
「うわーん! 誰ともすれ違わないし、道らしきものさえ見当たらないよ~!」
私の今の格好は、黒色のクロスバックの揺れないスポーツブラに、白色のキャミソール。
その上に深緑のブラウスを羽織って、下はミリタリーカーゴパンツに黒色のミリタリーブーツを履いている。
前世の記憶にある**「ミリタリー女子」**スタイル。
山の中の動きやすさ重視で可愛さの欠片もないけど、街に着くまではこれで我慢だね。
せめてもの救いは、魔法によって衣・食・住が何とかなることかな?
それに私は**「MP自動回復(永久機関)」**があるので、魔獣を食べなくていいのは大きいね。水も出し放題だし。
でもこの森では、もう何日も虫の声か、動物の鳴き声か、魔獣の唸り声か……私の喘ぎ声しか聞こえないよ?
「はあ~……誰も突っ込んでくれないね」
「はあ~……一人ボケが寂しい」
ガサッ。
「ん?」
「今、何か聞こえた?」
耳を澄ましてみるけど、わからない。
微かに喧騒が聞こえた気がした。
街が近い? でも見渡す限りまだ山ばっかりだしね。
「……ぎゃあ!」
「あ! 今、こっちから微かな人の声が~~~!!」
「やったー! やっと人間に会えるぞ~~!」
私は声の聞こえた方向へ走り出した。 久しぶりの人類だ!
「ん? 『危険感知』に引っかかった?」
「誰かが魔獣に襲われてるのかな?」
でも結構な人数の気配がするね? 近づくにつれ大きな喧騒が聞こえるようになった。
これは、もしかして……。
私は視界がひらける前に、物陰から様子を伺った。
「やっぱり・・・・」
そこには生き残りをかけた戦闘が繰り広げられていた。
これはスルーかな? 余計なトラブルは避けたいし……。
私はその場をこっそり離れようとした時。
「いや~!! やめて~~~!!」
女の子の悲鳴がした。
慌ててもう一度よく状況を確認してみたら、これは**「馬車を守る護衛」VS「盗賊」**の戦いだった。 護衛も頑張っているけど数が5倍近く違うから、全滅するのも時間の問題に見えた。
そして馬車から女の子が引きずり出されているのが見えた。
恐らくさっきの声はこの子だろう。
その光景を目の当たりにし、私の心が黒く染まっていくのがわかった。
あの時の、お母さんが盗賊に弄られ殺された時の記憶が鮮明に思い出されてしまった。
「…………」
「……ゆるさない」
「盗賊は、全て殺す!」
「絶対に!!」
私は馬車に向かって駆け出した。
躊躇はない。 走りながら女の子の周りにいる盗賊5人を、無詠唱のエアカッターで瞬殺した。
「なんだ!?」
「誰だ!」
「こいつがやったのか?」
「気をつけろ魔法使いだ!」
盗賊たちが騒ぎ出すが、私にはどうでもいい事。ゴミの声なんて。
「バカか? 魔法使いが一人で突っ込んできてどうすんだ?」
「魔法が面倒だ! 詠唱される前に先に全員で殺ってしまえ!」
私は自分を中心に強力な風魔法を放った。
「拒絶しろ! ≪エア・バースト≫!!」
ドォォォォン!! 私に近づいてきていた盗賊が、全て数十メートル押し戻されて吹き飛んだ。
「ぐわっ!?」
「ちっ、既に詠唱してたのか!」
「まあいい、今のうちだ殺れ~!」
再び私に向かって来ようとする盗賊達。
でも、私は既に次の準備をもう終えている。
十数個の氷柱を空中に待機していて、後は放つのみ!
「消えろ」
「なんだと~!!」
「やべ~逃げろ~!」
逃がすわけないでしょう?
私は無数の氷の矢を解き放った。 撃った瞬間に次の氷の矢を準備し放つ! 氷の矢の弾幕で、ものの数十秒で盗賊の殲滅が終わった。
読んでいただきありがとうございます。
基本は一週間ごとに更新するつもりです。
ただ状況によってはきりのいい所まで連発で投げるかもです。
また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。
最後に投稿へのモチベーションを維持する為にも、コメントや評価、ブックマークをして頂けると執筆を続ける励みになりますので、どうぞよろしくお願いします。




