22話 一石二鳥の狩りと、大惨事
「やった〜、ありがとう。えっと・・」
「あ、ごめんなさい。魔法使いのユイです」
「ユイちゃんね。私はミナ。こいつは金魚のフンのキーゴ、この人はこの店の店主で私のおじいちゃんなの。よろしくね」
「はい、こちらこそ、お願いします」
「・・ミナ、だからその紹介は止めてくれ」 「本当の事でしょ?」 「違う!」
そう言ってキーゴさんは私に向き合って挨拶をしてきた。
「オレはキーゴ。ミナとは幼なじみだ」
「そうなんですね。わかりました(金魚のフンさんですね)」
その後、ミナさんと話し合って出発は明後日とした。
また正式に冒険者ギルドを通しての依頼にする事と、マルルナの町に行くのは私とミナさんだけになった。
その時、キーゴさんが付いて行くと駄々をこねたけど、ミナさんが断固として拒否していた。
私は男性と一緒は嫌だったから有り難かったけど、見ててちょっと可哀想だった。
ドンマイ、キーゴさん。
ミナさんと話を終えて店を出たけど、まだ昼を少し過ぎたぐらいだったから、例の魔獣を狩りに行く事にした。
私は、てくてくと歩いて目的地に向かった。
程なくしてトンボを狩った場所に着いたけど、私はそこから道をそれて道なき道を進み、今回の目的地に着いた。
少し開けた場所だったけど、見渡す限りに魔獣は一匹もいなかった。
見渡す限りはね。
私は**『危険感知スキル』**を使って周囲を再確認した。
うん、やっぱり結構いるね。ステルス機能付きか。
私は十数個のダークアローを構築展開し、待機させた。 そして目標と思われる場所に向かって、ダークアローの弾幕を放ち続けた!
ズドドドドドドド!!
「キキーッ!?」
途中から反撃して来ようとするヤツもいたけど、私の魔法弾幕の前に為す術なく倒れて行った。
「ふう〜、こんなもんかな?」
再び危険感知スキルで周囲を確認したけど、魔獣の反応は無くなっていた。
そして周辺には大量に崩れ落ちた魔獣達。
今回、殲滅した魔獣は、 木の魔獣**『トレント』**が5体。
それに寄生していた、サルに似た魔獣が20匹。
目的の「骨」はこのサルの魔獣だったんだけど、このトレントの木も「錬金術の素材として最高級品」っておばちゃんが言ってたから一石二鳥だった!
うふふふふ、両方の素材の販売価格からして、私って結構なお金持ちになったんじゃ? ……まあ、売らないけどね。
自給自足こそ至高。
とりあえず、倒した魔獣は全て**【分解】**して必要な素材だけアイテム袋に入れた。
後は不要なサルの肉等はその場で燃やして処分した。
そして目標を達成した私は、そくさくと宿屋に戻った。
さ〜て、始めるぞ〜! アイテム袋から必要素材を指定していき、最後に今回ゲットしたトレント木材を選んだ。
次に組み込む魔法を構築し、**『極錬金術』**のスキルを使用!
ピカーッ!
そしていつものエフェクトと共に、私オリジナルの**「結界魔道具」**が完成した。
「できた〜!」
完成した魔道具をじっくり調べてみたけど、魔力も綺麗に流れているし予想以上の完成度だった。
ただ、気に入らないのは大きさとデザインかな?
ちょっとゴツイ。 まあ、これは今後の調整課題かな?
後は効果の確認だね。
私は外に出て、人通りの多い場所に向かった。 この辺りで良いかな?
周囲は混雑って程でも無いけど、それなりの交通量だった。
私はその道のど真ん中に立って、結界魔道具を起動させた。 スイッチ、オン!
「……?」
私は周囲の状況を確認していたのだけど、次第に青ざめていき……、 速攻で魔道具を止めて、逃げるようにその場から去って行った。
ご、ご、ごめんなさい・・・!!
宿屋に着いた私は盛大なため息をついた。
「はあ〜……びっくりした……」
ちなみに魔道具の効果は完璧だった。
私が組み込んだのは、「存在感を消して、無意識に人を避けさせる結界(認識阻害)」。
でも、人通りの多い場所で、しかも突然起動させたのはダメだった。
結界を起動した直後。
私の周りの空間が「無意識に避けなきゃいけない場所」になったせいで、歩いていた人々が急な進路変更を強制され……、 人と人がぶつかりまくって接触事故が多発してしまったのだ!
「うわっ!?」
「きゃっ!?」
「ど、どこ見て歩いてるんだ!」
ドミノ倒しのように次々とぶつかる人々。
幸いにもケガをしてる人はいなかったけど、ぶつかってコケている人を何人も見かけた。
その後も私(結界)を避ける為に、人と人がぶつかる事故が多発。
「ここ、なんか通れないぞ!?」
「見えない壁がある!?」 とパニックになりかけたので、私はこっそりコケた人達に回復魔法(遠隔)をかけてから、魔道具を止めて逃げるように帰って来たのでした。
結論:街中で使っちゃダメ、絶対。
読んでいただきありがとうございます。
基本は一週間ごとに更新するつもりです。
ただ状況によってはきりのいい所まで連発で投げるかもです。
また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。
最後に投稿へのモチベーションを維持する為にも、コメントや評価、ブックマークをして頂けると執筆を続ける励みになりますので、どうぞよろしくお願いします。




