13話 人生初の一人旅
今日は初めて、隣町のミリルナに行くよ!
旅をするのは初めてだし、もちろん他の町を見るのも初めてだけど、不安よりも楽しみで仕方がない!
この旅の名目は「お使い」なんだけど、私的には将来の一人旅に向けた予行練習みたいな感じ。
ご機嫌な私は、ピクニックに行くような気分なの。
今日のコーデは、「ペールピンクのプリーツワンピース」に、「オフホワイトのツバ広帽子」。
そして足元は……もちろん**「運動靴」**だよ?
だって、歩きやすさが正義だから!
私は鼻歌を歌いながら景色を楽しみ、珍しい草花があれば採取しながら上機嫌で歩く。
気分はルンルンだったんだけど……。
「……あれ?」
ふと気が付けばもう夕方。 お腹が空いた。
「この辺りには動物がいるけど、魔獣はほとんど見かけないね」
昼食は持ってきたおにぎりを食べたけど、その後は「現地調達」のつもりだったから食材はゼロ。
う~ん、普通の動物でもいいかな?
美味しくなさそうだけど、今日は仕方ないね。サバイバルだもん。
しばらく歩いていると、丁度いい感じの鳥がいたので、**≪エアカッター≫**でサクッと狩猟完了。
オーバーキルにならないよう、手加減したよ。
さて、魔法の火で焼こうと思ったんだけど、前からちょっと気になってた事があったので試してみた。
**「染色スキル」を起動。 指定先を……「ステータスの魔法」**にセット。 いけるかな?
「あ、やっぱり選べるんだ」
そして【火】を選択して、色を選んで……スキル発動!
ボウッ! 私の手から出たのは、不気味な緑色の炎。
「うわ~、本当に魔法に染色できたよ~! 冥府の炎みたい!」
他の属性もやってみた。 ピンク色の【水】……うわ、不味そう。
かき氷のシロップみたい。 水に染色はやめておこう。
他の属性魔法にも色が変えられて面白かったけど、色々な意味で微妙なものが多かったよ。
あまり実用的ではないよね。黒い光魔法とか、もはや闇魔法だし。
そんな感じで、魔法に色をつけて遊んでいたら、結構な時間が過ぎてしまってた。
遊びすぎた。
お腹ペコペコだ。
ささっと調理して、晩御飯にしないとね。
「さて、いただきま~す」
ガブッ。
「え!?」 「……美味しい?」 「美味しいよ~~!!」
この鳥が美味しいだけ? それとも外で食べるから?
魔獣特有の苦みが全くないよ? これは発見だ
。明日からは、色んな動物を食材にしてみようかな。
ジビエ料理研究家になれるかも。
後は野営地ができる場所を探さないとね。
しばらく歩くと少し開けた場所があった。
「ここでいいかな?」
アイテム袋から簡易テントを取り出した。
誰もいないのはわかるのだけど、念のため周りを何度もよく確認をしてから……服を全部脱いだ。 (※もちろん誰も見てません)
私はこの日の為に、しっかり練習した「丁度いい温度のお湯」を魔法で出して体を洗った。
お風呂魔法、便利すぎる。
「うん、うん、いい感じ~」
さっぱりした私はジャージに着替えて、着ていた服は洗って乾かした。
こちらもリーニさんが使った**「温風魔法」**をしっかり練習したので、もうお手の物だよ。
生活魔法スキルがあったらLv5いってるね。
明日も日の出とともに出発するから、今日はもう寝る事にしました。
テントの中で寝袋に入って目を閉じると、あっという間に夢の中へ。
ガサガサ……ッ。
「ん……?」
次の日も順調に進んでテントで就寝していたのだけど、何か妙な音で目が覚めた。
テントの真横でガサガサと音がしたし。
「何かいる?」 こっそり顔を出して覗いてみると、数匹の猪が私の食べ残しを漁ってた。
「ちょ~っと待った! **『危険感知』**は!? 何で反応しないのよ~!」
完全に油断してた。猪は「危険」判定じゃなくて「動物」判定なのかな?
私はパニックになりかけたけど、何とか心を落ち着かせた。
むう~、今後の対策は後で考えるとして、意外と危ない動物だから倒そう。
ドスッ。 私は魔法で猪をサクッと処理。 明日の朝ごはんが増えたね。
「ふあ……眠い。でもこのままじゃ寝れないね」
眠くて頭が回らないよ。
もう単純に、物理的にシャットアウトすればいいかな?
私は土魔法でテントを囲むように高さ2m程の壁を4枚作った。
「これで安心だね」
「おやすみなさい」
ぐうううううう。
……その後、目覚めた私はテントを出たら壁に囲まれてて、「閉じ込められた!?」ってビックリしたけど、自分で作った事を思いだしたよ。
寝ぼけてるなあ。
旅自体は順調なんだけど、その日の夜もまた起こされる事になった。
ゾクッ!!
慌てて飛び起きたよ。
これは間違いなく危険感知の反応!
しかも至近距離!
確認すると、四方を囲ってる2mの壁の上に、猫型の大きな獣が乗っかっていた。
目が合った。 「ニャー」じゃないよ!
悲鳴を上げそうになるのを、ぐっとこらえて魔法で始末。
「はあ、完全に目が覚めてしまったよ……」
「今日はもう寝れそうにないね」
私は寝れないから、夜のうちに先に進む事にした。
何とか対策を考えないとね。
睡眠不足はお肌の敵だし。
昼間の移動は本当に何事もなく順調そのもの。
そして夜。 今晩の対策は完璧です。
これでゆっくり寝れるはずです。
今日は四方の壁の上に**「壁(屋根)」を乗せて、完全に密閉した。** 真っ暗になっちゃったけど、寝るだけだからいいかな?
「おやすみなさい~」
……。 …………。
ガバッ!! 夜明け前に目が覚めました。
はい。酸欠で死ぬところでした。
あまりにも苦しくて飛び起きましたよ。
危うく棺桶になるところだった。
その次の夜は、ちゃんと屋根に「換気口」を作りました。学習しました。
今度こそ完璧です。
「おやすみなさい」
……。 …………。
「きゃああああああああああああ!!」
再び夜明け前に叩き起こされました。
何か、もぞもぞ動いている感じがして目が覚めました。
今度の侵入者は**「蛇」**だった。
換気口から入ってきやがった!
速攻で処分したけど、またもや目が覚めてしまったので、今日も夜明け前に出発です。
私の安眠はいずこ……。
そしてお昼前に、やっとミリルナの町に到着いた。
「疲れた~……早く安全な宿でゆっくり寝たいよ~」
もしかして私、一人旅って向いてないのかも。
初めて見る町に感動する間もなく、私は宿屋に直行して泥のように眠った。
読んでいただきありがとうございます。
基本は一週間ごとに更新するつもりです。
ただ状況によってはきりのいい所まで連発で投げるかもです。
また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。
最後に投稿へのモチベーションを維持する為にも、コメントや評価、ブックマークをして頂けると執筆を続ける励みになりますので、どうぞよろしくお願いします。




