ママとリリーと子供達
「あはは! 確かにベリアルは優しいパパだけど、いつも子供達にやられちゃうの。それで泣きながらわたしに抱きついてくるんだよ」
リリーの言う通りだね。
子供達は皆、元気いっぱいだから。
でもベリアルはリリーに抱っこされるのが好きだからそれはそれで嬉しいのかも……
「うんうん。ベリアルは子供達に激甘だからね。ぐふふ」
ママがニヤニヤグフグフしながらリリーと話している。
「……子供達の身体に入ってくれた第三地区の三人には本当に感謝しているの」
「リリー……」
「わたし……子供を授かるのが怖かったの……」
「……そうだったね」
リリーが子供を授かるのが怖かった?
ママは知っていたみたいだけど……
「わたしの母親は人間で、父親はオケアノスに近い子孫だった。父親はあの力のせいで日に日に心を壊して……わたしはその姿に心を痛めた」
あの力?
心を聞く力の事かな?
「……うん」
ママにも同じ力があるからその苦しみが分かるんだね。
「わたしにも同じ力がある……きっとわたしの子供にも受け継がれる……それだけは避けたかった……」
「リリー……」
「だからわたしは……子供を授かりたくなかった。こんな辛い思いをさせたくないから……でも今は……ベリアルの粘土で作られた子供を三人も授かれて幸せなの。わたしの力を受け継がない子供達……血の繋がりなんて関係ない。愛しいベリアルにそっくりな子供達……五十年前……ベリアルがリリー島に来た時……勇気を出して前に進んでよかった」
「リリーは今幸せなんだね」
「うん……」
「ねぇ、リリー?」
「何?」
「子育てって大変だけど……すごくすごく……ありがたいよね」
「ありがたい?」
「わたしは……授かった子供に魂がなくて……死産を覚悟した。でも……オケアノスとうさちゃんが子供達の身体に入ってくれて……だから……今、幸せに暮らせているの。……本当にありがたい事だよ」
「そうだね。わたし達は境遇が似ているね……」
「……うん」
ママとリリーの話に心が痛くなる……
でも……
わたしはママの子供になれてすごく幸せなんだ。
五十年前『うさちゃん』だったオレはペルセポネを愛していた。
そんなオレがペルセポネの娘になった事を後悔するなんてあり得ない。
これからもずっとずっとママと一緒にいたい。
ずっとずっと大切にしたい。
ずっとずっと愛されたい……




