おじいちゃんとの内緒話(1)
「ハデス……」
おじいちゃんがパパを呼んだ?
「はい……?」
「ペルセポネがいなくなったら……悲しい?」
「……え?」
「いなくなったら……悲しい?」
「……はい。それは……もちろん悲しいですが……父上?」
「……寝る」
……?
おじいちゃん?
どうしたんだろう。
ママがいなくなる?
どういう事?
モヤモヤした気持ちのままタルタロスでおじいちゃんと二人きりになる。
「おじいちゃん?」
わたししかいないから普通に顔を出している。
やっぱりすごく綺麗だなぁ……
「カサブランカもかわいいよ」
「おじいちゃん……わたしの心を聞いたんだね」
「嫌だった?」
「ううん。嫌じゃないよ。ママも第三地区のおじいちゃんとおばあちゃんも心が聞こえるから」
「……そうだね」
「さっき『ママがいなくなったら』って話していたけど……あれって……」
「……聞きたいの?」
「……うん」
「ペルセポネは攻撃された力を使えるようになる」
「……うん。それは知っているよ」
「じゃあ……天界にある光の事は?」
「天界にある光?」
「ハデスがタルタロスを明るくした力……」
「……? 何? 分からないよ」
「知らなくていい……怖い話だから」
「怖い話?」
「カサブランカ……ペルセポネの神力はその光と繋がっている」
「繋がっている? もっと分かりやすく話して?」
「……その光は天界を浮かばせている」
「……? おじいちゃん? 分からないよ」
「今、天界にある光が力を失えば天界は『人間と魔族の世界』に落ちる」
「……落ちる? 天界が?」
「ケルベロスは冥界の門の外の穴から『人間と魔族の世界』に行っている」
「……うん。ケルベロスは空間移動ができないから」
「タルタロスは天界の底にある」
「じゃあ……天界が『人間と魔族の世界』に落ちたら……タルタロスが一番先に落ちるの?」
「そうだろうね。タルタロスが一番被害を受けるはずだよ。その次はタルタロスの上にある冥界……」
「おじいちゃんが暮らすタルタロスと……わたしの家がある冥界が……」
「『人間と魔族の世界』もかなり大変な事になるだろうね」
「……そんな」
「そして天族は人間と魔族を奴隷にする……」
「奴隷に?」
「魔族は魔力が弱くなってきている。どうあがいても天族には勝てないよ」
「……そんなの嫌だよ。でも……神様をしているおじいちゃんがそれを許すはずがないよ」
「バレないようにやったら?」
「……え?」
バレないように?




