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おじいちゃんだけのカサブランカ?

 ダメだ。

 ダメだよ。

 わたしの成長を喜んでくれた皆を裏切ったらダメだよ。


「おじいちゃん……わたし……ゴロゴロするのは好きだけど……ベットの外の世界も好きなの」


「ベットの外の世界?」


「うん。昨日初めて人間の国を見てきたの」


「人間の国?」


「世界がキラキラ輝いて見えたんだよ」


「キラキラ?」


「だから……ずっとベットには、いられない。人間に友達ができたの……でも……正直怖い……その男の子はわたしよりも早く死んじゃうから」


「怖いなら関わらなければいい……」


「……でも、その男の子は他に友達がいないんだって。身分が高過ぎて一人の男の子として接してくれるのはわたしだけらしいの」


「関わったら別れが辛くなるよ?」


 おじいちゃんが普通に話している……


「……今のおじいちゃんが……本当のおじいちゃんなの?」


「……そうだね。この事に気づいているのはペルセポネだけだ。でもペルセポネは誰にも話さなかった」


「……どうして?」


「事情を察したんだろうね」


「事情?」


「おじいちゃんは……これからもずっとベットに隠れて偽りの姿で生きていかないといけないんだ」


「どうして?」


「強過ぎる魅了の力……強過ぎる神力……過去の戦……酷い独占欲……」


「それって……?」


「カサブランカ……カサブランカはずっとおじいちゃんと一緒にいて?」


「……おじいちゃん?」


「もう誰にも渡さない。おじいちゃんだけのカサブランカになるんだ」


「……え?」


「そうすれば誰からも傷つけられない。誰からも陥れられない」


「そんなの無理だよ。パパとママとヘリオスもわたしの家族なんだよ? もちろんおじいちゃんも大切な家族だけど……」


「このままタルタロスにいれば安全だよ。泣かなくて済む」


「泣かなくて済む?」


「外の世界は恐ろしい……昨日だって海に落ちて死にそうになっていた……」


「あれはフラフラしたからで……」


「人間も魔族も天族も……皆……皆……身勝手で嘘つきで……皆……自分さえ良ければそれでいい生き物なんだ」


「おじいちゃん……」


「寂しい……」


「……え?」


「子供達がお腹からいなくなって寂しい……カサブランカはずっとずっとおじいちゃんの隣にいてくれるよね……?」


「おじいちゃん?」


 どうしちゃったの?

 寂しい?

 ずっとタルタロスにいるから?

 じゃあ一緒に冥界に行って暮らせばいいんじゃ……


「それは違う」


「……え?」


 まさか……

 おじいちゃんも心の声が聞こえるの?

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