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おじいちゃんはずっと一緒にいてくれる誰かを探しているのかな?

「カサブランカ一緒に寝る……」


 おじいちゃんが嬉しそうに話している。

 お菓子以外に興味がないのかと思っていたけど違うんだね。

 もしかして、魅了の力が強過ぎて皆を惑わせないようにする為に深く関われなかったとか?

 考え過ぎかな?

 うーん……

 おじいちゃんはわたしと一緒にゴロゴロしたいんだよね。

 でも……


「わたし、成長しちゃったからベットが狭いかも……」


「カサブランカ大きくなったから?」


「え? うん。そうだね」


「カサブランカ小さくなると狭くない?」


「え? 小さくなると? うーん。確かにそうだね。赤ちゃんみたいに小さかったら狭くないだろうね。あははっ」


「カサブランカ……小さくなるとずっと一緒?」


「え?」


 おじいちゃんはどうしたのかな?

 今まではこんな風に誘ってくれた事なんてなかったのに……

 やっぱりわたしに魅了の力が効かないって分かったから?


「カサブランカずっと一緒? 小さくなるとずっと一緒?」


「うん。小さくなれば一緒にベットでゴロゴロできるね」


「……ずっと一緒……海に落ちない……」


「おじいちゃん? あ、もしかしてわたしが海に落ちたから心配しているの? 昨日は助けてくれてありがとう」


「……カサブランカ大事。いなくなったらダメ」


「大丈夫だよ。わたしは、いなくならないから」


「皆……いなくなった。お腹にれて大事に大事にしてたのに……皆いなくなった……」


「……おじいちゃん? 何を言っているの?」


「カサブランカずっと一緒……守る……」


「おじいちゃん?」

 

 どうしたのかな。

 いつもより不安定な感じがする。


「カサブランカ……お腹に入れる? 小さくしてベットでゴロゴロする……?」


「おじいちゃん? お腹に入れるって何?」


 まさか……

 わたしを食べるとか……

 さすがに違うよね?


「カサブランカ……大事……小さくして……ずっと守る……」


「……え? おじいちゃん?」


 小さくしてずっと守るって言った?

 ……!?

 何!?

 ……え?

 これは……

 

 わたし……

 どんどん縮んでいる!?

 どうなっているの!?


「カサブランカ……守る……誰にも渡さない……」


 ……おじいちゃん?

 やっぱりいつもと違う。

 どうしちゃったの?

 怖いくらいに純粋で真っ直ぐな瞳……

  

 あぁ……

 視界に入るわたしの手が小さい。

 完全に赤ちゃんになっている。

 これって……

 小さくなる時はいいけど、元の大きさに戻る時に皮膚と関節が痛いやつだよね?

 って言うより、おじいちゃんのこの様子だと元に戻してもらえなかったりして……

 

「カサブランカ……ずっとずっと赤ちゃんでいたら……ずっとずっと一緒にゴロゴロできるよ?」


 おじいちゃん……?

 ずっとずっとゴロゴロ……か。

 確かに、赤ちゃんなら誰にも文句は言われないよね。

 でも……

 成長を喜んでくれた皆を裏切る事になるんじゃ……

 

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