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双子で同じように育てられても好きな事は全然違うよね

「カサブランカ! 今日はいつもより早起きだな!」


 ベリアルはいつも通りのヒヨコだね。

 カスタードクリーム色のちょっと大きめなヒヨコ……か。

 ママが溺愛しているだけあって確かにかわいいよね。


「ママに怒られて仕方なく起きたの。今日から毎日五十歩も歩かされて、種族王にも会いに行かないといけなくなったの」


 はぁ……

 ずっと寝ていたいのに……


「なんだ? それ。それよりカサブランカは五十歩も歩けるのか? 卵から孵った初日はスタスタ歩いてたけど、それ以外はずっとゴロゴロしてるよな?」


「うぅ……だって、疲れるんだもん。ベットでゴロゴロしているのが楽しいんだもん」


「双子だけどヘリオスとは全然違うよな。ヘリオスはヘリオスで活発過ぎて心配だけど、カサブランカは別の意味で心配になる」


「ヘリオス? また何かしたの?」


「ドラゴンを片っ端から倒したいって言って殴り込みに行こうとしたんだ。ほら、ハデスがヴォジャノーイ族だった頃ドラゴンの島に行ってそれをしただろ? その話を誰かから聞いたらしくて……」


「……ヘリオスならやりかねないね。でもドラゴン達はヘリオスを溺愛しているから本気では相手をしないと思うけど」


「だろうな。でも、それを言うならカサブランカもだろ? ドラゴン王のパートナーになって欲しいってずっとドラゴン達から言われてるし。カサブランカのベットでゴロゴロするだらけた姿がドラゴンみたいで好感が持てるって言われてたよな?」


「確かにドラゴンの生き方はわたしの理想だよ。一日中寝ていても誰にも怒られないんだから。羨ましいなぁ」


「そうだな。カサブランカはそんな感じだよな。ヘリオスは心配になるほどの向こう見ずで好奇心旺盛だし……二人とも誰に似たんだか」


「確かにパパもママもそんな感じじゃないよね」


「オレが思うに、カサブランカはタルタロスのじいちゃん似だな。それで、ヘリオスはレアー似だ」


「うーん。確かにタルタロスのおじいちゃんもずっとベットにいるよね。でも、ヘリオスがレアーおばあちゃん似って?」


「レアーはぺるみに負けないくらいの変態だけど、向こう見ずなところがあるんだ」


「へぇ。知らなかったよ」


「それにしても、カサブランカとヘリオスがぺるみに似た変態にならなくてよかったよ」


「……そう? ……そう……かな?」


 ベリアルはヘリオスに抱き上げられた事に気づいていないんだね。

 がっつり寝癖の間を吸われているけど……

 それにしてもヘリオスは今日も元気だね。

 透き通るように白い肌。

 太陽の光で銀色の髪が水面みたいにキラキラして綺麗だ。

 わたしとヘリオスの髪はママに似たんだよね。

 室内だと白に近いけど太陽の光に当たると銀色に輝くんだ。 

 青い瞳は海みたい……

 妹のわたしが言うのも変だけど、すごく整った容姿だよね。


「ん? カサブランカはボーっとしてどうしたんだ? あれ? なんか後頭部が生ぬるいな……って!? ヘリオス!?」


 ヘリオスに吸われている事に気づいたベリアルが驚いているね。


「スーハースーハー……」


 うわ……

 あの吸い方……

 ニヤニヤしていてママにそっくりだよ。


「スーハーするな!」


 いつもはヘリオスとわたしに激甘なベリアルも、吸われるとプリプリ怒るんだよね。


「スハースハー……」


「だからスーハーするなって! ん……? 違う。二回目はスハースハーだった!? まさか、オレがスーハーするなって言ったから微妙に変えてきたのか!?」


「ぐふふ。ベリアルは今日も超絶かわいいっ!」


 うわ……

 この話し方……

 ママにそっくりだよ。


「ヘリオス……オレが超絶かわいいのは世界中が知ってる事だ。それよりぺるみみたいにグフグフするなよ!」


「あはは! ベリアルは今日もかわいいな! あ、そうだ。一緒に海を走らないか?」


「……誰でもそんな事ができると思うなよ」


「ん? 誰でもできるだろ?」


「できるわけないだろ!」


「……?」


 ヘリオスが首を傾げているけど……

 脳みそまで筋肉でできているんじゃないよね?

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