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色々考えて気を遣い過ぎていたのかな?

「ふふ。ペルセポネ達はリコリス王の事で大変でしょう? カサブランカがいないからどうしたのかヨシダさんに訊いたら冥界で休んでいるって……心配だから見に来たの」  


 ヘスティアはわたしを心配して見に来てくれたの?


「ありがとう……ママはどう?」


「うーん……しばらくは落ち込むでしょうけど……ペルセポネなら大丈夫よ。リコリス王と約束したらしいから。笑顔で過ごす……とね」


「……こんな時に成長するなんて……わたしは本当に手がかかるよね」


「え? ふふ。そんな風には誰も思わないわよ。皆がカサブランカの成長を喜ぶはずよ」


「……そうかな?」


「気を遣い過ぎよ。心が解放されたのね」 


「解放?」


「ふふ。おめでとう。これからは他の天族のように成長できるはずよ」


「……ヘリオスは?」


「そうね……ヘリオスも心を解き放てば成長できるはずよ。カサブランカもヘリオスも気を遣い過ぎなのよ。ペルセポネとハデスは両親なのよ?」


「気を遣い過ぎ?」


「うさちゃんとオケアノスの魂だからって気を遣って……カサブランカもヘリオスも昔の記憶を心の奥深くにしまい込んでいたでしょう?」


「……それは」


「ありのままの二人でいいの。そのままの二人をペルセポネもハデスも愛してくれるわ。違う?」


「……分かってはいるけど……やっぱり、わたしとヘリオスはママとパパの本当の子供じゃないから」


「そんな風に思っているのはカサブランカとヘリオスだけよ?」


「……それも分かってる。でもやっぱり……不安になるの」


「不安?」


「この身体に入ったのがわたしじゃない方がよかったんじゃないかって……」


「後悔しているの? あのまま、うさちゃんでいたかった?」


「……ううん。すごく幸せだから……カサブランカになれて……嬉しい」


「もう……『カサブランカになれた』じゃないわ? あなたがカサブランカなの……あなた自身がカサブランカなのよ」


「わたし自身がカサブランカ?」


「これからはもう気を遣わないのよ? 分かった? ペルセポネとハデスの娘のカサブランカはあなた一人なの。他に誰がいるの? 他の誰かがあなたの代わりにカサブランカに入っても許せるの?」


「……それは……嫌……」


「ふふ。それが答えよ。……ドレスが必要ね。綺麗に着飾って皆を驚かせましょう?」


「あ……待って。リコリス王が亡くなったばかりだから派手に着飾りたくないの」


「確かにそうね……シンプルなドレスにしましょうか。翼はハデスにしか隠せないから天界の背中が開いている物にしないと……一旦天界に戻って持ってくるわね」


「うん。ありがとう」


 ヘスティアは優しいな……

 

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