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愛は溢れ出すもの……か

「わたしは結婚には興味がないの。ずっとベットでゴロゴロしたいんだもん。それに、皆パパが怖くてそんな事は考えないよ」


 ドラゴン達は怖いもの知らずだから違うけど……


「確かに……ハデスちゃんはカサブランカとヘリオスとぺるみには甘いけど他の奴……特に男には厳しいからなぁ。ぺるみとカサブランカを取られそうで怖いんだろうなぁ。そうだ、今日も護衛が待ってるぞ?」


 おばあちゃんがニコニコ笑いながら教えてくれたけど……


「護衛? 必要ないのに」


「まぁ、そう言うな。本人達もやる気なんだから。二人ともカサブランカの護衛をするのが楽しみなんだ」


「だって、ベリアルも聖獣王もわたしの隣でずっとお菓子を食べているだけなんだもん。でも、クッキーとかを食べてもポロポロこぼさないからベットを汚さないのには好感が持てるよ」


「ははは! あの二人はお菓子が食べたくて護衛を引き受けたんだからなぁ。実際、何かあってもそのベットが助けてくれるだろ? カサブランカの創造の力はすごいからなぁ。まぁ、ベットがなくても怪力でその辺の奴なんか瞬殺だけどなぁ。空間移動もできるし」


「ママが身を守る力の使い方を教えてくれたからね。パパはわたしとヘリオスに激甘だからハラハラしながら見ていたよ」


「そうだなぁ。ハデスちゃんは子供達に激甘だからなぁ。ぺるみの時は命を狙われてたから仕方なく鍛錬してたんだ」


「ママが命を? 今は平気なの?」


「あのぺるみに勝てる奴なんていねぇさ」


「ママは、第三地区のおじいちゃんとおばあちゃんとパパよりも強いの?」


 おじいちゃんもおばあちゃんも今は第三地区で人間として暮らしているけど、本当は天族なんだよね?

 パパは誰からも恐れられる冥王だし……

 誰が一番強いのかな?


「ははは! どうだろうなぁ。持久戦になったらぺるみより強い奴はいねぇだろうなぁ」


「ふぅん。ママが神力を使っているところなんて空間移動以外で見た事がないから想像もできないよ。わたしがまだ『うさちゃん』だった時は神力で色々していたけど……五十年も前の事だからよく思い出せないんだよね」


「思い出す必要もねぇくらい幸せって事だろ? 良い事だ。ははは!」


「幸せ……か。うん。わたしもそう思うよ」


「そうか、そうか。誰かを大好きっていう気持ちが心から溢れ出したものが『愛』だってぺるみが言ってたなぁ」


「愛?」


「ほれ、ぺるみがベリアルを好き過ぎて神力が溢れ出すだろ?」


「うん。キラキラするやつだよね?」


「『愛』ってやつは、あれみてぇなもんだ。大切な奴を好き過ぎて溢れ出してくるんだ。無意識になぁ。でも、普通は目に見えねぇんだ。だから気づかれねぇんだなぁ。ぺるみはそれがキラキラするからすぐに分かる」


「うん。キラキラさせるなんてママにしかできないよね」


「でも、ヘリオスとカサブランカへの愛もキラキラして溢れさせてるんだぞ?」


「……それも知ってる。わたしが起きた時、寝ている時……息をしているだけでかわいいってキラキラさせているから」


「結局、子供達を一番甘やかしてるのはぺるみだよなぁ」


「うん。パパも激甘だけどママはもっとこう……変態的に愛してくれるから」


「ははは! 変態的か? まぁ、確かにそうだなぁ」


「ママがわたしを外に出したい気持ちも分かるんだよ。いろんな出会いをさせたいんだよね。いつも話してくれるから……いろんな世界で出会った大切な存在。わたしにも、温かい気持ちにさせてくれる誰かに出会って欲しいと思っているんだよね?」


「でも、適温の部屋のベットでゴロゴロしてぇんだよなぁ?」


「うん! えへへ。さすが、おばあちゃん。よく分かっているね」


「ははは! かわいいカサブランカの事だからなぁ。まぁ、とりあえず種族王に会いに行ってこい。ぺるみが来るまでに行かねぇと一日百歩に増やされちまうぞ?」


 うわ……

 それだけは絶対に嫌だよ。

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