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世界中にあるママの像は気になるよね

 あれ?

 人間達がわたし達の前に来て、それぞれの胸の前で小指を絡めている?

 おじいちゃんを見て宝物を見つけたみたいに瞳をキラキラさせているけど……


「おじいちゃん、人間達がやっているあのポーズは何?」


 ヘリオスも気になったんだね。


「んん? ありゃ『幸せ』と『ありがとう』を表してるんだ」


「うーん……よく分からないよ」


 ヘリオスの言う通りだね。

 わたしにも全然分からないよ。


「ぺるぺるは五十年前に人間と魔族、それからこの世界の為に頑張ったんだ。命がけでなぁ……そんなぺるぺるに幸せになって欲しい、ありがとうって気持ちを込めたポーズだなぁ」


「ママの五十年前? うーん……オレはママの中にオケアノスとしてずっといたけど……その頃の記憶はほとんどないんだ。魚族長にそう話したら『今が幸せだからでしょうね』って言われたよ」


「そうか、そうか……」


「でも、どうしておじいちゃんにあのポーズをしているの?」


「んん? それは……あ、時計台の前の広場に着いたぞ。ほれ、見てみろ。あそこに像があるだろ?」


 確かにいくつか像が見えるけど……

 

「像? あ! 早速望遠鏡の出番だ! カサブランカもその綺麗な望遠鏡で覗こうよ! オレはこのカッコいい望遠鏡で覗くから!」


 ヘリオスはすっかり望遠鏡を気に入ったんだね。

 すごく嬉しそうだ。


「うん。どれどれ? うわあぁ! あれってママかな? すごく綺麗だね」


 ベリス王の言う通りだったよ。

 こんな風に世界中にママの像があるんだね。

 

「うんっ! あっちはベリアルかな? ぐふふ。超絶かわいいっ!」


 ……ヘリオスはベリアルにだけ変態になるんだよね。

 って……

 ええ!?

 まさか……


「待って!? このふんどしでやたら腹筋が割れている像は……もしかしておじいちゃん!?」


 そうとしか思えないよ!


「ははは! カサブランカは大正解だ。ちょっと美化されて腹筋がバッキバキだけどなぁ」


 おじいちゃんは嬉しそうだね。

 でも、このお尻丸出しの部分が気になって仕方ないんだけど……

 

「じいちゃんは何故かこの世界の救世主って事になってるんだ」


「救世主? 裸なのに?」


「ははは! 裸なのにだ! えっへん!」


「『えっへん』って……」


 もしかして、このふんどし姿に違和感があるのはこの世界にわたしだけ?

 わたしが変なのかな?

 うーん……?


「見てみろ。これがぺるぺるとベリアル、スーたん達が守り続けている人間の国だ」

 

 ママ達が守り続けている人間の国……

 すごく綺麗に整備されていて人間達は皆笑顔だ。

 でも、魔族や天族と違って何かあればすぐに死んじゃいそうなくらい弱そう……

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